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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4851号】第40回教団総会報告 東日本大震災救援対策本部報告 熊本・大分地震関連報告

2016年11月26日

東日本大震災救援対策本部報告
 東日本大震災救援対策本部は、雲然俊美書記の司会・進行で報告を行った。まず飯島信担当幹事が本部報告を行い、国内外募金結果と支援・貸付金状況を説明し、本部主催の「こひつじキャンプ」、被災地支援演奏会と被災教会貸付金支援チャリティー・コンサート、東北教区放射能問題支援対策室「いずみ」の活動を伝えた。

 続いてボランティア・センター報告で「エマオ仙台」の佐藤真史教団派遣専従者がスローワークと出会いを大切にする活動、「エマオ石巻」の小川幸子教団派遣専従者が「お茶っこの会」や手芸を通しての交わり、「ハートフル釜石」の平田信之教団派遣専従者が仮設住宅での孤立を防ぐ「お茶っこの会」等の働きを伝えた。

 「国際青年会議in京都」(プレ会議)について、飯田仰事務局長補佐は、「日本での原発事故発生時に教会に何ができるかを議論検討した」と報告した。片岡平和運営委員は、「緊急時に教会が正確な情報を発信できる場所になる可能性をデジタル機器の駆使により模索中である」と伝えた。

 本部報告に続き、被災教区の報告を各教区議長が行った。邑原宗男奥羽教区議長は教会の再建事業が進む中で、貸付金返済が大きな課題だと伝えた。小西望東北教区議長は教団の救援活動終了後の「いずみ」の活動について、「東北教区総会で教区として活動継続を決定した」と報告した。秋山徹関東教区議長は「地震による被害を受けた教会・牧師館・教育施設の復興が一段落した」と語り、新会堂を与えられたことで受洗者が生み出され、地域の活性化に結びついた例も紹介した。

 石橋秀雄救援対策本部長が、祈りつつ活動を行ってきたことを述べて報告をしめくくった。

熊本・大分地震関連報告
 梅崎浩二九州教区議長が議場で『熊本・大分地震通信』を配布し、15教会に『被災度区分判定』を実施したことを報告して、被災した礼拝堂の修復に力を尽くす決意を語った。次に川島直道議員(九州)が被災各教会建物被害の報告を行い、「今でも熊本では1時間に1回の有感地震があり、異常事態が続いている。熊本、大分、長崎地区の教会が連鎖地震による深刻なダメージを被り、そのうち3教会は改築計画を立てている。教区でできる限界を越えているが、この状況をこそ信仰の出番と受けとめたい。諸教会からの祈りとご支援を頂きたい」と状況を伝え、支援を依頼した。

 その後、九州教区と在日大韓教会総会が共同で設置した『ボランティア・センター・エルピスくまもと』のスタッフである鈴木重宣教師が、被災者に寄り添う『ドリーム・カフェ』の活動を報告した。

 最後に、佐々木美知夫救援対策副本部長が祈りを捧げた。
(原田裕子報)

 

解放劇『人は変われる』
 総会2日目の夜、恒例の解放劇が「人は変われる」と題し上演された。今年は劇のスタイルが大幅に変更され、朗読劇の形での上演となった。ほぼ着席したままで台詞の朗読に集中できるスタイルということもあり、演者の台詞は感情豊かで非常に聞きやすいものであった。台本の土台に、実在する2人の被差別経験者との出会いがあったため、ストーリーにも例年以上の深みやメッセージが感じられた。

 劇の中心に取り上げられたのは結婚を目指すチエミとケンイチに降りかかった部落差別問題。被差別部落出身のチエミとの結婚をケンイチの父ハジメに反対されることを、牧師のクリモトに2人で相談するところから劇はスタートした。

 楽観的な牧師は、話せば分かってくれると、いつものように聖書を読み、祈りを捧げ若い2人と連れだってハジメの元を訪れる。ここでもいつものように聖書の言葉を引き合いに出し、部落差別による結婚の反対の愚かさを諭していく牧師であった。しかし逆に、差別の現実の厳しさを突きつけられ、「被差別の経験があるのか、被差別経験者との出会いの経験はあるのか、お前には牧師の資格はない」、そんなハジメの勢いに言葉を失ってしまう。

 愛しているのなら結婚をあきらめろと、頑なに結婚を反対するハジメの前に言葉を失ったのはケンイチも同じ。しかし、そんな状況でもケンイチと一緒にいることを望むチエミの言葉に彼は奮起する。「変わらなければ…部落差別の実態を知らなければ…」。

 この思いは牧師も同じであった。教団の部落解放センターで被差別部落出身のハル婆を紹介された3人は彼女の元へ。そこで彼女の口から語られたのは、小学生時代に経験した壮絶な被差別体験と就職後も続いた出生を知られることに恐れ怯えた日々。しかし、話は彼女の結婚を機に希望に展開していく。

 ハル婆の連れ合いの「安心しろ」の一言に被差別からの解放を感じた彼女。連れ合いは彼女に否定的だった自分の家族にも真摯に向き合い、差別の愚かさを説いた。

 この話に希望を見出した牧師とケンイチは改めてハジメと向き合うことになる。差別との戦い、助け合い、今まで以上にチエミとの結婚への思いを熱く語るケンイチ。一方牧師も、主イエス・キリストに倣い、小さくされた者との出会いの経験の中で、差別する側が変わらなければならないと言葉を強める。

 ここでケンイチの祖母であるマチコ婆が登場。変わる兆しが見えつつあるケンイチと牧師に、彼女の口から、実はハジメも被爆者の子どもという理由での壮絶な被差別の経験者であったこと、被差別経験者ゆえの結婚の反対であったことが明らかになりエンディング。差別される事からの解放と差別する事からの解放の実現を強く願う東谷誠氏(脚本担当)の言葉で解放劇は締めくくられた。(小林信人報)

 

最多の信徒出席 第6回信徒交流の集い
 総会2日目の議事終了後、第6回信徒交流の集いが開催された。第35回総会の際、再結成されて以来、教団総会時恒例の行事となっており、北は奥羽教区から南は沖縄教区まで、過去最多の信徒81名が出席した。

 望月克仁全国信徒会会長の挨拶から始まり、来賓として出席した石橋秀雄教団総会議長は、「かつて、教団は信徒20万人を数えたことがあった。今、何よりも福音に燃え、伝道する教団を建設しなければならない。福音に燃えることが、その出発点になるだろう。信徒会がその中核として頑張って欲しい」と激励した。

 東京信徒会は、宗教改革500周年記念事業への協力要請を受けており、岡村恒500周年記念事業準備委員長が、記念事業の内容を紹介。東京信徒会から、17年6月22日、富士見町教会での記念礼拝、18年3月21日、青山学院大学での教会青年大会についての概要、準備状況が紹介された。(永井清陽報)

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