第71回キリスト教社会事業同盟総会・研修会が、6月11日~12日に、浜松・舘山寺サゴーロイヤルホテルで開催された。主題は「愛をもって人に仕える私たちの使命-現代社会の混迷の中で」である。
基調講演は、潮谷義子氏(日本社会事業大学理事長・前熊本県知事)が「共に学び、共に行動する人の輪を広げ、共に生きる」と題して行った。自身の教会との出会いに触れた後、福祉との関わりをこれまで経験したいくつかの事例を通して話した。福祉には、神の与えた優しい言葉、優しいまなざし、優しい微笑み、場面の一コマ一コマが重要であることを語った。
総会では、稲松義人キリスト教社会事業同盟理事長のメッセージの後、長崎哲夫教団総幹事、教団社会委員会から挨拶があった。長崎総幹事からは、「これまでの社事同と教団との関係をふまえ、これからも良い関係のうちに歩んでいきたい」と挨拶があった。上程された議事はすべて可決承認された。
藤野興一氏(全国児童養護施設協議会会長・[福]鳥取こども学園常務理事)が、「社会保障審議会福祉部会に参加して~社会福祉法人改革の行方、今こそ、キリスト教社会事業の実践が問われる~」の題で講演した。キリスト教社会事業は慈善事業から社会福祉法人制度を立ててきた歴史があることを踏まえ、その制度を守ること、自分を誇るためでなく、子どもために働くこと。創立の精神にかえり、先駆性、献身性の復活。そのためには、人材確保、育成、定着は緊急課題であることを語った。
実践報告を、佐藤真史氏(日本基督教団東北教区被災者支援センター・エマオ、教団派遣専従者)が「スローワーク~東日本大震災被災地のいまとこれから」と題して行った。大事にしている二つのことは、祈りとワークの循環とスローワークである。現状の報告を通して、今直面している課題や、これからの課題を報告した。
(加藤孔二報)