第14回アジアキリスト教協議会(CCA)の総会がインドネシアのジャカルタで5月20日~27日に亘り開催された。参加教会はインドからオーストラリアまでおよそ100教会。約20の関連団体を合わせた正議員は約350名。メディア担当やスチュワード等合わせると700名ほどの規模の会議であった。
主題は「神の家族として共に生きる」。プログラムは非常に良く準備されたものであった。礼拝は様々な楽器が用いられ豊かな讃美がささげられた。朝は小グループに分かれてバイブルスタディーから始まるが、発表は丁寧に準備されていた。本会議ではアジアの多様性を示す意見が続出した。例えばISIL、人身売買、中国の軍事的脅威、HIV/エイズなどである。
これらの課題はインドネシア語で「サラセアム」(ディスカッションの意味)と名付けられた14の小グループ会議でテーマ別に議論され、本会議でのレポーターによる発表を経て今後5年間のCCAが向き合うべき課題として承認される。
問題点を2点挙げざるを得ない。第一は本会議で初めてCCC(チャイナ・クリスチャン・カウンシル)の挨拶を受けたことである。かつて台湾基督長老教会は、WCCで中国からその名称を「The Presby-terian Church in Tai-wan」から「The Pres-byterian Church in Taiwan, China」に変更するようにとの発言を受け、WCCからの脱退を一度は決意するに至った。5年先同じことが起きた時、日本基督教団も一つの決断を迫られることになる。
第二は議長団を含めた中央委員の選出に疑義が出たことである。システムは前もって各国から推薦者を選考委員会に出し、選考委員会が決めた人物を本会議が承認するやり方である。今回は選考委員会の選考に、重要なポストに一定の国が集中する偏りがあるとして、殆ど全会一致で否決され、翌日の最終日に再提出し可決されるというものであった。
CCAの存在意義は大きい。それは本気でアジアの教会が抱える問題に命をかけてでも取り組んでもらいたい、という切なる期待があるからである。(加藤 誠報)