【4806号】宣教師からの声 アブラハムのごとく 齋藤 篤 (ケルン・ボン日本語キリスト教会牧師)

 1977年11月13日、ボン大学神学部学生寮の一室で、私たちの教会は第一回目の礼拝を行いました。創世記12章より取り次がれたアブラハムの旅立ちは、新しい教会のスタートを切るに最もふさわしい御言葉でした。こうして「ボン日本人聖書集会」は産声をあげました。

 約2年のボン集会を経て、1980年より、ボンより約30㎞北にあるケルンに移転し、「ケルン・ボン日本人キリスト教会(のちに日本語キリスト教会)」と改称し、今日に至っています。その間、この地に遣わされた牧師は現任者である私を含めて11名。そのほとんどが日本基督教団からの派遣宣教師でした。

 短期間に交代するという牧師側の環境と、短期間にこの地で暮らすメンバーが目まぐるしく変化する信徒側の環境が交差しながら、私たちの教会は歩んでまいりました。「じっくりと」「腰を据えて」教会形成に取り組むことが難しい状況の中で、どのようにキリストの体である教会が育てられていくかが常なる課題として与えられています。

 そのことを踏まえて考えれば、教会を支える中心となるのは、この地に永住するメンバーということになります。私たちの教会の場合、その多くはドイツ人と国際結婚をし、ドイツ人社会の中で生活しながらも、日本語で福音を聴きたいという願いをもった方々です。そして、これらの方々のライフスタイルが、教会生活にも大きく影響します。

 ドイツ人の大半にとって、日曜日は家族と共に過ごすための一日です。レジャーを楽しみ、友人たちと語らいの時をもちます。残念ながらその中に、礼拝への出席が含まれることはなかなかありません。たとえ礼拝に出席したとしても、それは朝の短時間の出来事として捉えられているのが現状です。

 また、ドイツの場合「教会税」という制度は、教会の支え方にも大きな影響を与えています。歴史的に国家と深い関係にある領邦教会に所属している信徒は、教会の財源が税金として、所得の一部(約2%)から自動的に徴収されます。つまり、教会財源の確保と維持のために、各個教会に集められた信徒が努力するといった、日本の教会にみられる姿が無ければ、その必要性もありません。

 このような教会生活をめぐる、ドイツ的常識が土台にある環境の中で、この地にある日本語教会がどのような根拠を持って立ち、教会形成をめざしていくか、そこには大きなチャレンジがともないます。日本基督教団との協力関係によって、約30年に亘って行われたドイツの教会による経済援助も一昨春に終了しました。確実に迫り来る財政的困難の中で、20名足らずの会員が教会を愛する信仰によって生き、教会を支えることにおいて、主にある一致のもとに歩み始めようとしています。

 それはあたかも、37年前に最初の礼拝で語られたアブラハムの心境に重なります。故郷を離れて未開の地に歩み出したアブラハムとその家族は、ただ神による祝福の約束だけを信じて旅立ちました。立ちはだかる障壁は大きくとも、それを乗り越える力を与えてくださる方を絶対に信頼しつつ。

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