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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4806号】第14回台湾基督長老教会と日本基督教団との教会協議会 充実した協議を共同声明とする

2014年9月27日

 第14回台湾基督長老教会(PCT)と日本基督教団(UCCJ)との教会協議会が、8月25日から28日の期間、北海道クリスチャンセンターを会場にして開催された。主題は「荒れ野に道を、砂漠に河を」(イザヤ43・19)、参加者は台湾基督長老教会から18名、教団からは4役を含め28名であった。
 
開会礼拝は18時から行われ、李孟哲台湾協約委員が司式、羅仁貴台湾基督長老教会総会議長が説教を担当した。

 19時からは田中文宏台湾協約委員長の司会で歓迎夕食会が開かれ、教団を代表して石橋秀雄総会議長が歓迎の挨拶を述べた。

 2日目は「教会協議会」のタイトルに相応しく、充実した協議が行われた。

 午前中はPCTと教団から派遣されている宣教師の宣教報告を聞き、質疑応答の時を持った。ディバン・スクルマン宣教師は台湾の原住民(ブヌン族)出身で、2005年に来日。北海教区内の諸教会の礼拝奉仕に加え、特に宣教の中心課題であるアイヌ民族との関わりについて話された。続いて教団から派遣され、高雄で30年にわたり教会に仕えてきた林田義行宣教師の報告を聞いた。

 北海道大学キャンパス内での昼食と散策の後、午後は青年への宣教についての発題があり、PCTからは台北大学生センターチャプレンの周宇緯牧師が、教団からは西東京教区から参加の佐藤飛文氏と台湾協約委員の野田沢牧師がそれぞれ発題を行った。

 17時からはPCTの林芳仲総幹事と長崎哲夫総幹事の共同司会により、それまでの諸報告と諸課題を総括し、翌日作成予定の共同声明のために、活発な意見交換と質疑応答がなされた。前夜に引き続き北海教区の婦人会が中心となった手作りの夕食が振舞われ、夜は交流会が持たれた。

 3日目は一同バスで旭川に行き、川村カ子トアイヌ記念館を訪問後、旭山動物園、三浦綾子記念文学館を訪れた。特に三浦綾子記念文学館では三浦光世館長から直接、短時間ではあっても話を聞く機会を得たことは幸いであった。

 最終日は秋山徹世界宣教委員長の司会により、双方の参加者の積極的な発言を通して共同声明が作成された。

 閉会礼拝の説教は雲然俊美書記が担当した。(加藤 誠報)

 

第14回台湾基督長老教会と日本基督教団との教会協議会

共 同 声 明

 台湾基督長老教会と日本基督教団は2014年8月25日から28日まで、北海道クリスチャンセンターにおいて第14回教会協議会を開催した。今回の協議会は「荒れ野に道を、砂漠に河を-主の希望に生きる共同体として」(イザヤ43・19)の主題により、両教会が希求している宣教の課題、特に青年への伝道、3・11以降の災害支援活動協力、宣教師の派遣と支援、正義と平和、人権の課題を共有した。

 両教会はこの協議会で検討された課題を分かち合い、聖霊の導きの下、具体的な達成を目指すため、以下の共同声明を発表する。

1.両教会は、いかなる世界情勢の変化の中にあっても、主イエスこそが希望であり、荒れ野に道を拓くお方であることを確認した。

2.この協議会で、ディヴァン・スクルマン宣教師より、アイヌ民族とキリスト教会との懸け橋となるために働かれた9年間の歩みを聞いた。同宣教師と北海教区の連携の働きに対して、両教会はさらに理解を深め、この働きが前進するために祈り、支援を続ける。また、台湾の高雄の日本語基督長老教会で宣教師として働いている林田義行牧師の30年にわたる宣教の働きを聞いた。PCTとUCCJとの緊密な関係の中でこれらの宣教が行われるべきことを確認した。

3.PCTの青年宣教の多方面にわたる活動、UCCJの東日本大震災により被災した地域での数多くのボランティア活動や教団SCFとの青年交流の報告を聞いた。それらの働きのなかでPCTの青年とUCCJの青年の「ユースミッション」をはじめとする豊かな交流の経験が有益であることを認め、両教会はさらにこの青年の派遣を含め、交流を活性化することに努める。

4.UCCJは、PCTの「教会は国の希望のしるし」というテーマのもとで、信仰と愛を通して国家の希望となるようにとの祈りと願いを実現するために、正義と平和、人権問題に取り組む活動を支持する。両教会は武力を持って世界平和を脅かすいかなる行為に対しても反対し、主イエスによる世界平和の推進のために祈り、協力する。

5.UCCJは東日本大震災に際してPCTをはじめ多くの世界の教会からの人的、財的支援に感謝する。PCTはUCCJの東日本大震災による被災教会や被災地での人道支援活動に対して、深い関心と祈り、今後も支援を継続する。

6.両教会は原子力発電所の開発、維持、放射能廃棄物の処理について、それらがもたらす深刻な環境破壊に対して深い懸念と反対の立場を共有し、このために正確な情報と理解が教会と社会に広がるように努め、また、国際的なネットワークの構築を目指す。

7.この協議会では教会会議における女性の参加と女性教職の置かれている状況について両教会から語られ、女性差別やジェンダー・ジャスティスについて取り組むべきであることを確認した。

8.日本にある5つの台湾教会がUCCJに参加している恵みを感謝し、その困難な宣教の状況について理解し、UCCJの責任において課題として残されている負担金問題について前向きに検討する。台湾にある日本語教会の同種の問題についてもPCTは検討する。

第14回台湾基督長老教会と日本基督教団との教会協議会

2014年8月28日

教団新報
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