6月16日〜17日、第38総会期全国社会委員長会議が教団会議室にて開催された。
前回に引き続き今回も東日本大震災関連の取り組みの共有をおもな目的とし、「原発事故 そしてこれから-東日本大震災から3年を経て」と主題を掲げた。
第1日目には2つの講演が行われた。伊藤瑞男教団副議長からは、過日開催された東日本大震災国際会議について、その準備段階から実施に至る実務的な内容を含む報告を受けた。会場からは、同会議中採択された「東日本大震災国際会議宣言文」を評価する声と、報告者に対して同会議後の教団の取り組みについての言及を求める声が聞かれた。
続いて片岡輝美会津放射能情報センター代表からは、日々刻々と変化する東日本大震災被災地、殊に原子力発電所事故による影響を受けている地域の現実が語られた。その中、会津放射能情報センターの続ける情報の収集と発信の実践、学習会などによる相互ケアの取り組みが紹介されると、出席者との間で活発な質疑応答がなされた。
第2日目には、前半、各教区の社会委員会活動が報告され、後半、全体会をとおして協議を行った。そこでは、去る5月21日、福井地裁において下された大飯原発稼働差し止め判決の意義、殊にそれに日本国憲法に定められた人格権の視点があることの重大性を指摘する声や、東日本大震災支援関連報告のほか、違法(処方外)薬物汚染問題、農薬汚染問題など多岐にわたる課題の存在を指摘する声が聞かれ、新しい気づきと情報共有の場となった。
出席者からは教区として向き合うべき諸課題を認知しつつも、そのすべてに等しく力を注ぐことのできない現実から生じる葛藤が語られた。
一教区ですべてを担うことはできない。だからこそ、各地に散らされた教区の取り組みに対する、相互理解と信頼、そして祈りが、いよいよ積み上げられなければならない。
社会委員会報告
6月17日〜18日、第38総会期第5回社会委員会が教団会議室にて開催された。
冒頭、「シリア難民支援救援募金」として215万9153円(総184件)がEMS(連帯福音宣教会)へ、また「フィリピン台風被災者救援募金」として1千158万9702円(総580件)がACT(Action by Churches Together)へ送金されたことが報告された。なお「アフリカ救援金」については、引き続き募金を受付ける。加えて新たにACTの要請に応えて「セルビア・ボスニア・ヘルツェゴビナ洪水被災者救援募金」を呼びかけることとした。
主要な協議としては、本委員会直前に開催された第38総会期全国社会委員長会議を受けて、その評価と反省を行った。同会議中、全体会においては東日本大震災支援関連報告のほか、違法(処方外)薬物汚染問題、農薬汚染問題など多岐にわたる課題の存在が指摘され、新たな気づきと情報共有の場となった。また、5月21日、福井地裁による大飯原発稼働差し止め判決の重要性が訴えられたことを受け、社会委員会としても原子力発電所事故に付随する広域な学習を続ける必要性を確認した。
一方、社会における諸問題の情報交換や課題の共有を目的として開催された同会議において、各教区の情報や取り組みを聞き合い、協議するための時間をより多く割くべきことが今後の課題としてあげられた。
社会委員会では、毎回、日本キリスト教社会事業同盟および日本キリスト教保育所同盟の事業報告を聴取している。前者とは委員の相互派遣を行い、後者へは社会委員会より委員を派遣している。今期はこの二つの団体との関係を深めることに努めてきた。この取り組みを継続し、キリスト教社会福祉事業の発展のために祈りを合わせることを確認し続けている。(村上恵理也報)