【4574号】教区コラム 四国教区

教区雑感
芦名弘道

准允の教区面接で教団の教師となる志を問われ、「各個教会に仕えることによって全体教会に仕えたい」と答えた。二〇年を経た今も、その思いは変わらない。
ある時、教区の先輩牧師から「教区は各個教会を支える主体である」と聞き、自分の教会への召しと教区の役割が真っ直ぐ繋がった。換言すれば「教区は各個教会のためにある」となろう。
しかし「ために」ということの理解は決して一様ではない。これを教区内諸教会全体の益のためと受け止めれば、教会は他教会のためにという視野を持つこととなり、自己の利害に固執せず、互いに仕え合う中で自らが問い直され、常に新しくされる歩みが必然化する。
それに対し、教区は自分たちのためにあると受け止めれば、自教会の都合の良し悪しで教区を測り、悪ければ都合良くしようと水面下の画策が始まる。それは結局利己主義に他ならない以上、自己を問い直す機会を失い、無自覚の内に足下から壊死しはじめる。
パウロは、利己的欲求と嫉妬を原動力に伝道する者について、キリストが告げ知らされているのだからそれも喜ぶと言い切った(フィリピ1・17)。それは、心底からキリストのために生きようとする魂の告白であり、「あなたは誰のために在ろうとし、生きようとしているか」という深い問いと厳しい警告を背後に持っている。
そのパウロが、今私たちの教区に、教団に生きていたら、何と言ったであろうか。
(四国教区総会副議長)

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