【4577・78号】神と地との契約のしるし にじのいえ

にじのいえを訪れた三月初旬の土曜日夜、子ども聖書会から巣立つ女子高生の送別会が開かれていた。
中高生十一人に加え、入居者、職員ら二十三人が出席した聖書会は、礼拝から始まり、辻哲子牧師は「光の中を歩こう」と題する説教で「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」と諭し、「祈れなくなったり、祈る言葉を忘れたら、ただ、『インマヌエル・アーメン』とだけ祈りなさい」と優しく語りかけた。
千葉市に就職するMさんの送別会は、手造りのケーキを頬張りながら、多くの人が優しい励ましの言葉を贈ったが、
「Mさんを知ったのは、幼稚園のころ。以来十数年、毎週聖書会でその成長を見つめて来た。神様に見守られて、社会人となる日を迎えたことは、自分の孫のようにうれしい」
と語った隠退婦人教職の言葉が印象的で、心温まる感動的な送別会だった。

全国教会婦人の熱い思いと祈りで

千葉県館山市、南房総にある「にじのいえ」は、全国教会婦人会連合が運営する婦人献身者ホームで、全国教会婦人の祈りと献金と労苦が結実して、七三年献堂。その後、買い増して三七四〇平方メートルの広々とした土地に研修棟、ホーム棟、八四年、創設時からの願いだった礼拝堂を献堂。九五年には、手狭になった建物を取り壊して新たに鉄筋三階建ての新ホーム棟を完成させた。
創設時に尽力した婦人会員が見た房総の海にかかる虹の忘れ難い印象が、「わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる」(創世記九・一三)の御言葉と結び付けられ、にじのいえの名を得た。この名には、全国教会婦人の熱い思いと祈りが凝縮されている。
八一年、近くの児童養護施設「ひかりの子学園」の子どもたちを対象に子ども聖書会が発足し、以来、毎週欠かさず、園生全員が土曜の午後、にじのいえにやって来る。現在は幼稚園から小学生までの一七人と中高生の一一人が二回に分かれ、聖書を学んでいる。
この聖書会は、子供たちだけでなく、入居者にとっても、大きな励ましと喜びになって来た。ここから受洗者も出たし、にじのいえの礼拝に出ていた人たちの間から、近くに教会が欲しいとの願いが高まって、九七年の南房伝道所(高倉謙次・高倉田鶴子牧師)開設にもつながった。高倉牧師も定期的ににじのいえの主日礼拝と子ども聖書会で奉仕している。
いま、にじのいえには、隠退婦人教職六人、逝去牧師夫人三人の九人(定員一四人)が入居しているが、七八歳から九二歳まで、平均年齢は八二歳になる。九人中、七人が八〇代である。
01年三月、静岡草深教会を隠退した辻哲子牧師は、翌四月から現地担当運営委員として、月九日間、にじのいえに滞在し、第一、第二主日礼拝と子ども聖書会を受け持ち、第三は高倉牧師、第四は入居者の飛田悦子牧師が礼拝を担当している。
全国の老人ホーム共通のことだが、社会の高齢化と共に入居者の平均年齢も上がって来た。にじのいえの入居資格は教団の婦人教職、逝去牧師夫人で、六〇歳以上八五歳までと定めているが、現在の平均年齢八二歳が示すように、最近では「八〇歳を過ぎてから入居を考える」傾向が顕著になって来た。角谷多美子運営委員長(安藤記念教会)も「八五歳までという入居資格は弾力的に考えるようにしている」と話している。

高齢化がもたらす新たな章

高齢化は当然のことながら、にじのいえのありようにも影響を及ぼす。発足当時は「ホームを拠点に宣教に出掛けていた」というが、最近では医者通いをする人が増えて来た。管理人に求められる大きな仕事が医院への車での送迎となった。かつて、管理人夫人は厨房担当だったが、今では寮母的な役割を期待されるようになった。九人中六人が介護保険の認定を受け、月に二、三回、ホームヘルパーが掃除、洗濯、買い物などに訪れている。
一般の老人ホームとの大きな違いは、「婦人教職が安心して働き、しかも終わりの日に至るまで信仰の喜びに溢れた生き方が証し出来る施設を作りたい」という設立時の願いが今日まで活かされていることである。きめ細やかな運営がされているので、人手がどうしてもかかる。現在、管理人夫妻ら職員四人、半日ずつのパート二人と六人体制。「一時期入居者が六人に減ったときは深刻だった」と関係者はいう。
設立時の精神は財政にも現され、入居費は長い間月額四万五千円に据え置かれているので、収入総額の一二%(03年度決算)にしか達せず、にじのいえの運営は諸教会、個人の献金、全国教会婦人会連合の努力に大半を依存している。
運営委員会は01年、長期展望を考える委員会を発足させた。にじのいえは終の住処でなく、一般の特養ホームとは一線を画しているが、高齢化と共に予期せぬ急病、治療費などに備えて、ポピー資金(目標額三百万円)を設けたのもその対策の一つである。
房総の海辺に建てられて三十二年。はや一世代過ぎて、にじのいえも新たな章を迎えつつあるともいえよう。02年度決算三二五四万円、03年度決算三〇〇〇万円、04年度予算二七六三万円と、この数年、予算がやや下降気味となった。婦人会連合の熱意に甘えることなく、男性会員を含めた教会員一人一人、全国諸教会の支援が何よりも望まれている。
(永井清陽報)

 

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