五月三日から四日、大阪女学院ヘールチャペルを会場に第五〇回大阪教区総会が行われた。「台湾基督長老教会との協約改定20周年を覚えて」として開会礼拝・聖餐式が行われた後、正議員三一〇名中二三二名の出席で総会は成立した。
議事日程の承認に際して、山田謙議員より「緊急議案」として「大阪教区が日本基督教団に対し、教団内で起きたセクシャル・ハラスメントの加害者(教師)に戒規の適用を求める件」が提案された。緊急議案の扱いについて教規や教区規則に規定がないことから、議論の後に議場に諮られ、議案として上程された。
この議案は二日目の午後に審議され、九州教区での事案について大阪教区が提訴できるのか、そもそもこれは提訴なのか、判決の内容や事実確認をしないまま戒規の適用を求めるのはどうかなどの議論を経て、賛成多数で可決された。なお、この議案の趣旨は提訴ではなく要望であることが明らかになるよう文言を整えることとされた。
常置委員会報告の件では、五二六万円余りとされている教区貸出金返済滞納に関して質問や意見が出されたが、教区としては、当該教会と教区の双方に責任があるので、募金を集めることも含めて会計的な解決を図ることになったと説明された。
議員提案の「関西労働者伝道委員会への大阪教区からの支援に関する件」は可決され、来年で発足五〇年目を迎える関西労伝は、募金一八〇万円の他、教区の各種負担金より二〇万円の援助を得ることとなった。
二日目の午後、一日目の最後に上程された岡村恒議員提案の「大阪教区内における聖餐執行の乱れを憂慮し、常置委員会が是正を図るよう努力する件」が扱われた。教会の生命にかかわる本議案をめぐっては賛否両論が活発に交わされた。提案者らは、未受洗者に配餐するいわゆるフリー聖餐は重大な教憲教規違反であり、宣教協約を結ぶ諸教会への背信行為であり、求道者への混乱と不信を招いているなどと指摘した。それに対して、フリー聖餐を禁じる規則はない、正しい聖礼典の「正しさ」は主観的だ、規則が人間疎外を生むことがあるなどの反論があったが、反対意見の中にも「洗礼から聖餐」への筋道は守るとする立場もあった。また、結論を急いでここで採決すべきでないとの意見もあり、相互の立場を尊重し理解を深めようとするいわゆる「三号議案」の精神を重んじつつ、学習会等を持つことも視野に入れて常置委員会で受け止めることとされた。
一日目の午後一番に七名の准允式と二名の按手礼式、続いて主事就任式が執行された。二日目の午前は召天者記念式、紹介・挨拶などに続いて、小林眞教団副議長が教団問安使として挨拶し、正午過ぎまで質疑応答が行われた。
議長、副議長、常置委員選挙結果、書記の選任は下記の通り。三役は再選された。【議長】向井希夫(大阪聖和)【副議長】村山盛芳(浪花)【書記】佐藤成美氏(高槻)
常置委員
【教職】伊勢富士夫(天満)、森田喜之(いずみ)、田邊由紀夫(茨木)、福万広信(大阪昭和)、小林よう子(箕面)、岡村恒(大阪)、上地武(大正)、舘山英夫(大阪淡路)、市川忠彦(長居)、伊藤義経(蒲生)、似田兼司(千里丘)
【信徒】鎌田英子(玉出)、山田淳子(大阪聖和)、池田和弘(浪花)、渡部清数(扇町)、楠原道温(茨木)、糸本資(石津)、丸山健樹(和歌山)、江本義一(茨木東)
(藤盛勇紀報)