【4591号】伝道のともしび

これからの教会、形成中

使徒教会

使徒教会は、今年六六周年を迎えた。閑静な住宅地の教会である。
鹿児島で失明の宣告を受けた、大塚富吉牧師が救世軍を退会、ただ神だけを頼りに上京して、世田谷区北沢で開拓伝道を始めたのがきっかけだった。
伝道開始直後から、困難は多かった。大戦も経験し、迫害を受けた。しかし、不思議と支えられ、伝道が続けられてきた。後に富吉の妻、リツ牧師にキリスト教の啓発を与えた小学校教師、稲垣氏の遺族も加わって教会が支えられて来た。その頃の使徒教会をふり返って、創設者の令嬢である大塚野百合姉は「まさに捨て身の戦法、火の玉のような情熱で伝道が行われた」と述懐する。
古くからの教会員は、今もその、使徒教会の命とも言うべき「神の守りを命がけで信じる」信仰を守り続けている。無牧の期間、教会が支えられてきたのも、その信仰に負うところが大きい。今でも、特別伝道集会などで、礼拝を訪れた牧師は、その礼拝、愛餐会のアットホームな雰囲気に驚くという。教会の課題や、悩みの相談も、そこで忌憚なく語られる。ある教会員は「教会は心のふるさと」と、語る。教会に来るのが一週間で唯一の喜びという人もいる。大塚姉も「信仰者として生きるのが一番の美容術」という。
しかし、今、使徒教会は時代という課題に直面している。教会員は高齢化し、人数も減ってきている。教会学校の奉仕者もいなくなり、閉鎖せざるを得なくなった。百円ショップの台頭後、バザーも奮わなくなった。近隣の住宅も、一人暮らしのアパートやマンションが増加し、地域の隣人を把握しにくい状況になっている。都市部の互いに干渉しないという地域性、ここに教会があることを知らない人も増えている。
高齢の住民は新しい信仰を受け入れにくい。しかもかつての教会学校の生徒も、代が変わると、地域を離れる傾向にあり、教会に繋がらない。世田谷という地域にあって、都市化のドーナツ現象のあおりを受けた形になっている。駅からのアクセスの悪さも、教会員減少の一因である。地域の人を招きにくく、遠方からの教会員も来にくい状況だ。
教会の中で信仰を高め合い、教会を守るために一致団結をした。しかし信仰的に「一枚岩」だと思っていたことが、新来会者を受け入れづらい雰囲気へと変わっていた。昨年着任した松本のぞみ牧師は、「夏期のレポートなどで青年が来ても、高齢者ばかりで受け入れ方が分からなかったり、向こうが引いてしまったりして、定着に繋がらない」と言う。教会の中で充足し、外に目を向けることを忘れた教会の姿がそこにはあった。
しかし、使徒教会は「ここに教会がある」ということを知らせるために動き始めた。「教会を支えてきた信仰、良いところはそのままに、礼拝中心、外に向かっても開かれていく新しい教会形成を考えています」と、松本牧師は語る。事実、松本牧師の着任以降、対外的な交わりが増えたという。
今までは狭さの問題もあって消極的だった、会場提供などにも積極的に取り組んでいる。支区の音楽部の集会などに、会堂が用いられている。キリスト教主義学校の生徒らによる音楽集会も行われた。七名の生徒が教会を訪れ、奉仕した。今年初めての試みとして、伝道献身者奨励日に神学生を招き、説教をしてもらった。交換講壇にも意欲を見せている。外からの注意を引くと同時に、自分たちも、受け入れることに慣れてゆこうという意欲がそこにはある。
高齢化した教会は、内に籠もりやすいとよく言われる。使徒教会も、その傾向にあった。しかし、彼らは、そこから外に目を向けようとしている。「ただ主だけが頼り」教会創立時の信仰を原点として、もう一度、歩み始めようとしている。この歩みを名付けるならば、「これからの教会、形成中」というところだろうか。
(辻順子報)

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