内閣総理大臣小泉純一郎様
私たち日本基督教団は、このたび10月17日の靖国神社の秋季例大祭にあなたが参拝されたことに強く抗議し、反対を声明します。先日、大阪高裁が首相の靖国神社参拝は、憲法の政教分離の原則に照らして憲法違反の疑念があると判決を下しました。このことは首相として深く受け止めていただきたいと思います。まして、現在の靖国神社には平和条約11条で戦犯と日本が国際的に認めたA級戦犯14名も合祀され、英霊として祭られているのです。私たち日本基督教団も第二次世界大戦のとき、日本の国体に協力し、日本が行ったアジアでの植民地支配と侵略戦争に加担しました。この私たちの罪責を1967年「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」において言い表してきました。この点からも私たちは首相の靖国神社参拝に反対してきました。従いまして、首相が先日の閣議決定された首相談話で植民地支配と侵略戦争を謝罪した上で特に中国と韓国の名前をあげ「ともに手を携えてこの地域の平和を維持し、発展を目指す」との誓いを喜びました。しかし、今回の参拝は、この誓いをアジア諸国、特に中国、韓国にたいして反古にするような行為であります。本当に「ともに手を携えてこの地域に平和を維持する」ことを願われるなら、もう首相として靖国神社への参拝は止めていただきたいと要請します。
2005年10月18日
日本基督教団
総会議長 山北宣久
社会委員会
委員長 小出 望
靖国・天皇制問題小委員会
委員長 村田 元