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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4598号】教区コラム 北海教区

2006年3月18日

多元的な教団
西岡昌一郎

北海教区には、かつて新日基の集団離脱という経験があった。記録によれば、一八教会、二六一八人の信徒が離脱した。この数は、当時の北海教区において、教会数では四〇%、信徒数では四五%にあたる。これだけ大規模な離脱を経験した教区は他にない。
この集団離脱は、「信仰告白」や「教会観」の考え方が原因だとされる。一致の要となるはずの「信仰告白」が、相互の教会を豊かに結び合わせる力とはならず、分裂の力として作用したのだ。
教会観の一致がなくては、一緒に伝道はできないという主張がある。これは特に信条主義的な教派の教会で見られる考え方だ。しかし教団は、そのような立場に立つ教会だけでなく、多様な立場を認めて歩もうとする教会も多い。これが合同教会(きわめて未成熟だが)としての教団の実際である。
「教憲教規」も、その受けとめ方は各教会で多元的である。厳密にこれを守る立場もあれば、比較的緩やかに(時には批判的に)受けとめる立場もある。教憲教規は、根本的な教団合同に関わる共通理解の下で定められたわけではなかった。その点が十分に整理されないまま、部分的な改訂で今日に至っている。個々の教会との間にズレが生じるのも無理はない。
教会観に関する論議はあってよいが、現状の教団では選別と排除の力として作用しかねない。また、それを煽る論調を危惧する。むしろ多様さを持ち味にする教団形成を忍耐強くめざすべきである。
(北海教区総会議長)

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