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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4598号】伝道のともしび

2006年3月18日

新礼拝堂の夢が広がり

名瀬教会牧師 江連 実

奄美大島がどこにあるのか、知らない人も多いことと思います。私もここに赴任して来るまでは、正直なところ知りませんでした。
奄美大島は、鹿児島と沖縄のちょうど中間にあります。多くの島々からなる奄美諸島の一つです。沖縄も含めての島々を、琉球孤とも言います。
どこの地方でも言える事でしょうが、奄美には高校までしか学校がありません。若者が働く場もあまり無いので、ほとんどが島から出て行かなければなりません。島に居たくても居られないのです。卒業しても帰ってこられません。
自然と高齢化が進みます。私(四二歳)より若い人はあまりいません。
名瀬教会は、去年の秋、車で一五分ほどの郊外に、およそ九〇〇坪の土地を購入しました。
以前から、礼拝堂の問題が指摘されていました。
街中の四〇坪の土地に三階建てのビル。一階部分は駐車場。二階が礼拝堂。三階は牧師館。狭い土地を有効理用しているのです。
教会員が元気なころはこれでよかったのですが、次第に歳を取り、皆の足腰が弱ってきました。
近所に住むおばあちゃんが、日曜日に、礼拝堂に続く階段を見上げて、諦めて帰ってしまったそうです。礼拝をしたくて、せっかくここまで来たのに。
教会の敷居が高いのです。
奄美には電車がありません。バスも便数が少なく、利用し辛いので、自動車が必需品です。礼拝に歩いてくる方が少なくなりました。駐車場には六台しか止められません。路上に止めると駐車違反になり、(私も教会の前で三回も、…トホホ)有料駐車場も近くにはありません。礼拝堂にはまだ空席があるのに、これ以上教会に誘えない。拒む教会になってしまっているのです。
礼拝後のお茶の時間に、教会の未来について、夢や希望について、楽しく語りあいました。
郊外に安く広い土地を買って、大きくなくていいからバリアフリーの礼拝堂で、駐車場が一〇台以上止められるくらい広いといいねえ。
庭に小さな花壇や菜園があって、山羊や鶏を飼って、福祉のサービスが受けられない、一人暮らしで不安を覚えている高齢者が一緒に住める場所が同じ敷地にあったら、などと夢が広がり、具体的に姿も見えてきました。多少の冗談も込めて「千坪教会」と呼んでいました。
実現できないだろうか。安い土地がないだろうか。探してみたけれど結構高い。一時は諦めました。
狭い土地柄のこと、教会が土地を探しているという話が伝わりました。シロアリ駆除業者さんが、こういう出物があるよと教えてくれました。坪一万八千円、九〇〇坪で一、六〇〇万円です。お茶の会、役員会で話しあい、教会債の予約が金額を超えたので、総会を開き、購入を決めました。
実際に購入したのは、お茶の会で話し合ってからおよそ一年後のことでした。
瀬戸内教会と共に始めた、奄美大島宣教自立協議会による全国募金、九州教区からの支援、奄美地区、鹿児島地区、教団の支援など、多くの協力を受けました。感謝です。
会堂建築はまだ何時になるか分かりません。教会債が、まだ一千万もありますから。
諦めずにじっくりとやっていくつもりです。

 

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