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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4604号】八年三ヶ月の裁判に決着、全面勝利 黒鳥、清水最高裁判決

2006年6月10日

主文「本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない」
これは四月二五日に黒鳥、清水両牧師裁判に下した最高裁判所の判決である。この裁判は上告人である今利理絵と今利智也が黒鳥、清水両牧師と両親及び関係者を訴えた。その中で今利夫婦は統一協会から脱会させるために暴行、拉致監禁し脱会を強要したと主張し、損害賠償を求めてきた。
二〇〇四年一月二三日に横浜地方裁判所で、同年八月三一日に東京高等裁判所で黒鳥、清水牧師と両親側が全面勝訴したが、控訴人はこの判決を不服として上告していた。
すでに、統一協会の信者らが東京地方裁判所に清水牧師と両親を訴えた裁判と浅見定雄氏が雑誌「創」に室生忠氏が掲載した記事に関し名誉毀損で訴えた裁判は、いずれも二〇〇三年に最高裁で勝訴が確定した。
今回の判決で当教団の教職をめぐる統一協会関係の裁判は三つとも全面勝訴したことになる。その点で統一協会により被害を被った人たちを救済する働きを行ってきた当教団の動きを阻止しようとする統一協会の思惑は脆くも崩された。それはまた当教団が被害者救済に熱心に関わってきた活動が裁判所においても是認されたことに他ならない。この判決の意義は大きい。
今も救済を求める相談は絶えることはない。悲鳴とも言える相談者の声に、今後とも熱心に耳を傾ける当教団であることを、この際明らかにしておきたい。
それにしても八年三ヶ月におよぶ裁判であった。黒鳥、清水牧師が訴えられたことで、教団は総会において全面的に支援していくことを決議した。この決議により当教団の諸教会は、このために祈り、支えた。三つの裁判の全面勝訴は、このような祈りと支えがあった結果である。この紙面を借りて改めて感謝したい。また、この裁判の代理人となって心血を注いで弁護してくれた山口広、渡辺博、紀藤正樹の三人の弁護士に心より感謝したい。
なお、今利理絵と今利智也から訴えられた両親と関係者に対し、最高裁判所から異例な措置として和解を勧められた。判決よりも「将来の親子関係回復こそが大事なことである」との配慮に満ちた和解勧告であった。これをもとに今年三月に親子間の和解が成立し、新たな関係を現在模索し始めている。統一協会によって引き裂かれた親子関係の回復が出来るよう期待したい。これこそわたしたちの願いであった。

(山北宣久議長談)
長く続いた横浜裁判が遂に最高裁で勝利を勝ち取ったことに、関係者の皆さまに心から敬意を表します。傷つき痛めつけられている人と共に戦い抜いたこの勝利は、多くの人々に希望と勇気を与えるでしょう。

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