東日本ユースキャンプは、東日本同信会が主催し、同志社大学神学教育後援会が後援となって行われるキャンプで、五〇年以上の歴史を持っているキャンプである。
最初は、東日本高校生献身修養会という名前で、献身者を募る目的で実施されてきた。五年前より東日本ユースキャンプと改名したが、その精神、内容などは今でも引き継がれている。
東北から関東までの諸教会に呼びかけ、高校生以上二〇歳未満の若者たちが参加する。スタッフは全員が牧師で、今年は、安藤昭良牧師(小出教会)をチャプレンとして、山下智子牧師(会津若松教会)、与那城初穂伝道師(国分寺教会)、佐原光児伝道師(霊南坂教会)、北村裕樹伝道師(弓町本郷教会)、そして、主事として千葉敦志牧師(太田八幡教会)。講師は、同志社大学神学部から原誠先生をお迎えして行われた。
三泊四日のスケジュールで行われるこのキャンプに今年は、男子三名、女子九名の合計十二名が参加した。以前は四〇名程も集めた時もあったようだが現在では、例年これくらいの人数である。
今年は、主題を「人生のロードマップ?」とし、ルカによる福音書19章57節の「イエスとザアカイの出会い」に主題聖句を求め、講師の原先生による主題講演を切っ掛けにグループディスカッション中心で進められた。また、神学部というのはどういう学部なのかという事も、同時に紹介される。
特に今年は、この他に元ハンセン病患者の国立療養施設、栗生楽泉園を訪問する事ができた。園内にある聖公会の聖慰主教会のお世話を頂き、松浦牧師、教会員の石浦兄、藤田兄のお話を聞き、また、資料館や納骨堂、重監房跡などを見学させていただいた。この体験は、参加者のみならず、スタッフにとっても有意義なものであった。
若者たちと深く話し合う中で、参加者の一人一人には夢があることを知らされた。「幼児教育の仕事をしたい」、「先生になりたい」、「牧師になりたい」という人も当然いた。私たちは献身とは一体なんだろうかと問い、そして「牧師になるだけが献身ではない」という結論に至った。「神様が与えて下さったタラントを用い、主の枝として働く決意」という“広義の献身”も意識した活動として私たちは今ユースキャンプを行っている。
参加者たちは自らが考えた事や悩みなどを、二晩目のスタンツナイトや、三晩目のキャンドルライトサービスなどを通して、証しした。また、最終日には、特に時間を取って感想や証しを書く時間を設け、感想や証し、決意などを自由に書いてもらう。これを毎年文集にして参加者をはじめ、協力して下さった教会に送っている。
「このキャンプは終わるが、想いは決して色褪せる事はないと私は信じる。この絆は私達が一対一で結ばれているものではなく、神様が繋いで下さった「証」なのだ。証は一生消える事がないように、この絆は一生消えないのだから」これは、参加者の文章の引用である。全国的に、教会から高校生や青年がいなくなっている中で、しかし、それぞれがこのようなキャンプを通し、繋がり、互いの召命を受け入れ支え合い、主の枝として働く献身の決意を彼らがしていくのは教会にとっても大切な事だと思う。
最後、軽井沢駅前で祈り、原誠先生の祝祷を頂き、全てのプログラムは終了し、参加者たちはそれぞれ与えられた場へと散らされていった。以上、感謝を持ってご報告する。
(千葉敦志報)