【4621号】伝道のともしび

ある山村での宣教

川谷教会牧師 柴田 彰

川谷教会のある福島県西郷村の川谷地区は、標高六〇〇mの高原で、元々川谷は軍馬の養成地でしたが、戦後の食糧増産の国家政策により開拓された地区です。満州開拓からの引揚者や近隣の地方農村からの開拓民によって荒地が農地に変えられました。高地のため稲作は出来ませんが、今も酪農、レタス、ジャガイモ、シイタケの栽培、山野草の生産が盛んです。開拓間もない頃の数年でしたがコミューンが形成されたこともあります。コミューン崩壊後も個より全体が優先されるルールがありました。例えば、農作物を害虫から護るために桜等は植えない。宗教は持ち込まない。共同性を重んじる、など。
一九六〇年代中期に宣教師が始めた家庭礼拝から川谷教会が生まれました。神社もお寺も建てられない所に教会が建てられ、受け入れられている。とても不思議な歩みです。教会関係者が地域の中に生きたことの証し、また付属施設である保育所の地域への貢献が、その背後にあります。
川谷教会は礼拝が十五、六人の小規模教会ですが、付属の保育園には百十名の園児が集っています。近くの小学校は全校生五〇人ほどで、地区的には過疎化が進んでいますが、他の地区から子どもたちが来ています。毎年二〇名ほど卒園しますので、西郷村の新一年生の一割が神に祈り、神の祝福を信じて巣立っていくわけです。山村の小さな教会が、地域の子育て支援を続ける保育園の核となり、神に祈ることを覚えた子どもたちを保育園を通して送り出しています。このような現実を考えると、神の不思議な導きと与えられた大きな祝福を思わずにはおれません。保育園の理念「幼子が神の愛を知り、しっかり育つ」は、教会の宣教の課題となっています。
現在計画しているのは、保育園を卒園した後も子どもたちの育ちに関わっていく事業の展開です。幼子から、小学生、中高生、そして若い親たちが利用する「こども子育ち応援センター」を建てて福音が通奏低音のように響く「育ち」を支援することです。教会はこれまで、保育園経営は教会が専任牧師を招聘できる事業と考えることがあったかもしれませんが、川谷教会では、子どもがしっかり育つことの中に神の祝福を見ていて、保育園を通して神のみ業が展開されていると考えています。
少数派の教会ですが、保育園を通して地域と関わり、地域の祈りが教会の中に生まれます。礼拝ではいつも地域の農業のこと、地域の子どもたちのこと、そして保育園のことが祈られます。川谷教会は保育園を支え、川谷に神の祝福を求める執り成しの祈りを繰り返しています。
二〇〇五年に二人の伝道師を招聘することが出来ました。一人は牧師の手の届かないところで、もう一人は保育園の主事として、川谷教会の宣教に力を尽くしてくれています。それぞれの賜物が活かされて礼拝は豊かになり、細やかな配慮も出来るようになりました。近隣の教会の礼拝を応援することが出来るようになったのも恵みです。センター事業の先取りとして、今年度から卒園生を中心に土曜教室を始めました。日曜学校の礼拝と分級を土曜日一日に延ばしたものです。住宅が散在しているため、親の送り迎えがなければ子どもたちは来ることができませんが、人気は上々です。主事が数教会のボランティアと共に子どもの育ちに関わりキリスト教のメッセージを発信し続けてくれています。
神が働いておられる、そう実感しながらこの文章を書いています。

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