第57回中部教区総会は五月二二~二三日、名古屋中央教会を会場として開催された。
開会礼拝では御言を通して信仰告白の岩の上に教会が形成されていることを確認し、聖餐式が執行された。 出席正議員は二一二名中一八五名。
議事は主に常置委員会報告、教区三役選挙、常置委員選挙、能登半島地震関連の報告と議案であった。
特に常置委員会報告では中部教区より教団信仰職制委員会への諮問「未受洗者の陪餐について」の答申をめぐって、「式文通りであれば正しい聖礼典か」という質問があり、楠本史郎議長の「御言により生きて働き給う神による信仰告白を基とする教憲教規、その基本精神が式文に表現されている」との応答、また鈴木伸治教団問安使挨拶も含め「正しい聖礼典」理解について再確認がなされた。
また特別委員会「能登半島地震被災教会再建委員会」設置の決定報告を受け、能登半島地震関連の報告と議案について審議がなされた。
まず小宮山剛委員長からの挨拶に続き、勇文人(当時輪島)、内城恵(羽咋)、釜土達雄(七尾)各牧師から、輪島教会、七尾教会と関連施設、羽咋教会と関連施設、富来伝道所、魚津教会の被災状況、復興に向けての報告がなされた。教会関連施設である幼稚園は能登において宣教の重要な担い手であり、学校法人であるが公的補助は今のところ見込めないという実情のため、復興は被災教会だけでは、不可能な状態にある。これらの報告を受けて次のような意見交換がなされた。
まず「過去の災害対応への反省を踏まえて、教区が正確な情報を出すために慎重であったため、諸教会への報告が遅れた」ことに対し、「余震が続く等の地震の特徴と地域状況によって対応策が違うので、マニュアル化は難しい」、「現地の過度な負担を防ぐため、訪問と電話連絡を控えるよう要請した教区通達を支持するが、代わって広報することを担うべきだった」、「被害軽微という第一報から一月以上続いた余震のため生じた不可視的被害が専門家によって明らかになり、膨大な献金が必要となるという結果になった」などの意見が交された。
しかしながら、厳しい意見は教区執行部への批判が目的ではなく、祈りによる伝道の連帯のより良き進展を願うことへと重点が置かれていた。
当初教区が慎重であったのは、教会関係で倒壊した建物がなく、けが人もほとんどなかったため、「被害軽微」と判断したからである。しかし度重なる余震で建物被害が拡大し、さらに関東教区から派遣を受けた建築士の診断で、外見上問題ない建物の危険性も指摘された。
以上の議論を踏まえて常置委員会より以下の二つの議案が追加提案された。
議案6「能登半島地震被災教会・伝道所および関連施設の再建のために中部教区が主体的に取り組む件」(1)中部教区内募金活動、(2)日本基督教団内募金活動、(3)その他の団体・個人に広く呼びかけての募金活動、(4)日本基督教団に募金のための委員会を作るよう求める、(5)その他、復興支援のための重要な活動。
議案7「能登半島地震被災教会・伝道所および関連施設の再建のために中部教区諸教会・伝道所で2007年度に3600万円を目標として献金を募る件」。尚、目標額は追加され得ることを認識しつつ、今後最終目標額を速やかに定め、教団が会計監査を担う募金活動の一本化を目指すことを確認し、賛成多数で可決された。
早速これらの実現に向けて「能登の教会再建を!!神の栄光のために」という文字入りステッカーが有志より配布され、献金箱に張って一日百円ずつ捧げていこうという呼びかけがあった。
また総会内で高橋潤新教区議長の司式により按手礼式が執行され、臨席した正教師全員の按手により主の委託に応えるべく新たな正教師二名が祝福の内に立てられた。
三役選挙結果
【議長】高橋潤(中京)
【副議長】井ノ川勝(山田)【書記】横山良樹(半田)
教区常置委員選挙結果
【教職】加藤幹夫(阿漕)、小宮山剛(富山二番町)、勇文人(若草)、渡部和使(名古屋北)、須藤茂明(華陽)、町田久子(幸町)
【信徒】須田静代(名古屋中央)、中村友之(各務原)、本弘禮子(津)、大杉弘(若草)、阿部美男(名古屋北)
(松本のぞみ報)