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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4629号】宣教師からの声

2007年6月23日

日本に暮らして
アルジェッツ・メリット
(米国合同教会宣教師)

アイオワ州立大学院を英語学専攻で卒業した一九七七年、私の人生は大きく変わった。アメリカ企業の技術ライターになろうと計画し、日本のことなど夢にも思っていなかった。就職活動中に大学の就職課掲示板に目が止まった。「英語教師求む・日本で二、三年間(UCBWM)」とだけあった。独身で、UCCの教会員であり、学位を用いてもっと世界と神の計画を知るのはいいことだと心を決めた。
私は日本についての知識がほとんど無かったためよい決断をしたのか迷うこともあった。讃美歌「Morning Has Broken」(54年版讃美歌四四四番)は私のお気に入りだった。シカゴのオヘア空港から飛行機に乗ったとき、実はまだ自分の決断に迷っていた。ヘッドフォンを着けた途端、流れてきた曲がまさにこの「Morning Has Broken」であった。その瞬間、私は正しい選択をした、という確信を与えられた。
日本に到着した。その日は成田空港の開港日であった。羽田空港に着陸したにもかかわらず、大阪行きのカウンターは非常に混乱していた。当時カウンター職員は誰も英語を話す者がいなかった。しかし職員が搭乗券をくれたので、ゲートに急いだ。その直後、CoCのトッド・レーガンが私を見つけてくれた。彼女は、私を手助けに来たのだった。大阪女学院の大西さんと三宅さんが伊丹空港で私を待っていてくれた。私は、日本の都市がいかに大きく近代的かということに気づかされた。
一九七八年、私は大阪女学院で英会話と英作文を教えはじめた。初めは二年の契約だったが後に延長を望まれた。私がそれに同意した理由は、一九八〇年には大阪女学院には、多くの献身的な日本人および外国人のクリスチャン教師達で溢れており、教科のプログラムもキリスト教信仰に支えられ、さらに日本で最高レベルの語学教育の質を誇っていたからである。長年にわたって私は英語を教え、いくつかの教育委員会に属し、毎週の英語チャペル礼拝をコーディネイトしていたが、いつの間にか教授になっていた。
学生に多くの受洗者を生み出したとは言えないが、それでも彼女たちの人生の成功の秘訣は、大学在学中にキリスト教を基本にした生き方について学んだことだと思う。大学が一般的な教育カリキュラムにより力を入れるにしても、このキリスト教思想を大切にし続けて欲しい。私はここ数年、今年もそうであるが、英作文クラスの学生達に、チャペルに出て説教の内容を要約し自分の感想を書くという課題を出している。多くの学生が説教の内容そのものに励ましを与えられた。例えば、星野富弘さんの話や、他の学生達の大学初年度の体験話を聞いて励ましを受けている。
そして今、二九年間の教員生活から引退し、神が妻と二人の子ども、多くの友人を与えてくださったことに祝福をおぼえ、生活の変化に思いを馳せている。
嬉しい変化は、息子がアイオワ州立大学から学位を取って今年卒業したこと、娘は日本とアメリカの有数のバレエ団に属して頑張っていること、妻が同志社大学での仕事を楽しんでいることである。私は引き続き非常勤講師として大阪女学院と奈良県立大学で教鞭を執る。
また、一九八七年からの出席教会である大和キリスト教会は数年前に新会堂を建築し、今や教会員が二〇〇人を超している。その反面、悲しい変化もある。アイオワの私の母教会は、地域の過疎化のため一二七年の歴史に幕を閉じた。
また、大阪女学院にとって私は最後のCoC関係教師であるという事実。私たちはただ神が備えてくださった新しい導きに従っただけである。

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