【4630号】人ひととき 村上 幸代さん

選択権は神に

「一九七九年十一月、故望月英一郎旭福祉会理事長から呼ばれました。何かあったかのかと思い巡らせながら、出かけました。そこには富士市の保健部長や他の大勢の人たちがおられ、なにやら面接試験のような感じで、私も緊張しながら挨拶をしました。最後に理事長から『わかくさ保育園の園長に』と告げられました。既に決められていて私の選択権はありませんでした」と、村上さんは、当時、園長の辞令が与えられた様子を懐かしく話された。
社会福祉法人旭福祉会の創立時の望月理事長は、岩本教会の会員であり長老も務めた。神への深い信仰から仕事を持つ親を支援する為に、みどりご保育園を設立し、保育方針にキリスト教主義を掲げた。その事業は、主に祝福され、富士市からも深い信頼を寄せられるようになる。一九八〇年四月、富士市で初の公設民営化の保育園として市より旭福祉会に運営委託された。村上さんは、そのキリスト教保育を掲げる公設民営化の初代園長として、今年三月まで二七年間、その責任を担われた。
キリスト教保育園の園長として彼女を悩ませたのは、地方にクリスチャン保育士がいない事だった。その中でキリスト教保育を実践する為には、保育園の中で御言葉を語り続ける事を祈りの内に確信した。だから他の選択肢は無かった。毎週子ども礼拝で、子どもと職員の前で聖書の御言葉を語り続けた。しかし、それを続けるには、毎週日曜日の主日礼拝で自分自身が真摯に御言葉に耳を傾け、聞き続ける事だった。それが彼女の二七年間を歩み抜く原動力となった事は、疑いない事実である。
この間、保育園に困難で様々な出来事があり、また最愛の娘を天に送る辛い経験もした。しかし、常に御言葉に導かれ養われてきた。現在、保育園の常任理事として後任の指導をしつつ、ご主人の介護もこなす。私の選択権は、いつも神様に与えられたもの、と喜んでいる。

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