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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4631号】伝道のともしび

2007年7月21日

常に立ち続けるために

輪島教会信徒伝道者 五十嵐(いからし)成見

三月二五日九時四二分、東京の安藤記念教会でCS教師会を行っている最中だった。知り合いの方から、「輪島に地震があって大変なことになっている」という連絡をもらい、すぐさま輪島教会に電話をかけたがつながらない。その日は神学生としての最後の奉仕日。教会では私のための送り出し会を企画してくださっていた。しかし、その背後に地震で被災されている方のことを思うと、喜びに浸ることの出来ない複雑な日であった。
地震発生から四日後、輪島に着く。教会堂の隣の家は、縦に貫く亀裂が走っており、立ち入り禁止の紙が貼られていた。牧師館の裏の家屋は半壊し、屋根や横壁が激しく歪んでいた。教会堂は、木枠の窓の損傷、モルタル部分の亀裂等、改修が必要な箇所は生じているが、構造上の問題は生じていない。問題は牧師館だ。土台部分にひびが入っており、家屋が若干傾き、牧師室の窓が開かない状態になっている。老朽化も進み、緊急に取り壊す必要はないが、三年は持たない、との診断が建物診断士よりなされた。
地震の被災教会は輪島教会だけではない。羽咋教会の富来伝道所は、土台も屋根も大きく損壊し、取り壊しを余儀なくされている。七尾教会の牧師館は屋根が歪み、軽い余震でもすぐにぐらつく。七尾教会教会堂も、建物自体が地盤沈下し、傾斜が生じている。そこで礼拝を守る教会員の精神面の不安は大きい。羽咋教会の幼稚園、七尾教会幼稚園はモルタルに亀裂が走り、幼児達が壁に手をつけて遊べば指を切ってしまう。今後のことを考えれば耐震工事も必要な状態だ。また富山の魚津教会も、モルタル等の修理が必要な状態である。
地震が収束したかと思うと、震度4級の地震が断続的に起こり、未だ能登の人の精神が落ち着くことはない。つい先日(六月二二日)も羽咋に震度4の地震が襲ったばかりだ。余震は建物に大きな影響を及ぼす。地震の被害はまだ終わっていない。
中部教区は二〇〇七年度、地震再建のために教区内で三六〇〇万円の募金を行うことを教区総会で決定した。しかし、能登圏の教会・関連施設を全て再建させるための資金としては残念ながら全く届かない。少なくとも、その五、六倍の金額がかかるだろうと推測されている。能登圏の教会は、いずれも経済的に豊かではない教会だ。もし自力で再建するとしたならば、途方もない時間と労力をかけざるを得ない。しかし、被災した教会員もいる中、そのようなことが不可能であるのは、火を見るよりも明らかである。
北陸地方を共に伝道するある牧師が、集会で地震への必死の呼びかけでこのようにアピールした。「どうか皆さん、三万、五万の献金で良いと思わないでください。どうか、今しようとしている献金額に〇を一つ加えてください。本当にお願いします」この呼びかけを聞き、能登圏の教会の悲惨さに共感したある牧師家族の方が、まさに〇一つ多い金額をこの地震の再建のためにささげて下さった。その事実を知り、奮い立たされる思いがした。能登圏の教会はこの地震に負けるわけには行かない。能登の伝道のために、北陸の伝道のために、教会は常に立ち続けなくてはならない。輪島教会の掲示板にはびっしりと励ましの手紙が貼られている。祈られ、支えられていることがよく分かる。
どうか、この記事を読んでくださっている皆様、能登圏の伝道のために、北陸の伝道のために、献金をよろしくお願いいたします。

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