【4635号】ACEF バングラデシュに『寺子屋』を贈ろう

ACEFのこれまでの歩みとこれからの課題
ACEF事務局長 中川英明

アジアキリスト教教育基金(ACEF)が発足したのは、一九九〇年のことでした。国連が定めた「国際識字年」にあたるこの年には「万人のための教育世界会議」が開かれ、「二〇〇〇年までに全ての人に教育を」を合言葉に、各国政府、国際機関、NGOなどが、基礎教育の普及と充実に取り組む決意を新たにしました。
ACEFは設立当初から二つの目的を掲げています。ひとつは「バングラデシュに寺子屋を贈ろう」で、アジアで最も貧しい国において、現地のキリスト教系NGOであるBDPと共働し、初等教育の普及に貢献しようということです。もうひとつは、この運動を通じて、アジアに使命と責任を持つキリスト者青年を育成しようということです。
バングラデシュのNGOであるBDPの創始者マラカール先生は、熱心なキリスト者で、イギリスで勉強した女医さんでしたが、農村地域での公衆衛生に関わる活動を行なう中で、講習会に集まってくる女性たち、若いお母さんたちが、熱心に話を聞くばかりで、誰もメモを取っていないことに気づきました。読み書きができないからです。資料を読むことも出来ず、自分の記憶だけに頼った実践では、衛生や健康の普及活動にも限界があると考えたマラカール先生は、医師を辞めて教育の普及に専念することを決意しました。彼女の呼びかけに応えて、日本で活動を始めたのが、隅谷三喜男先生と船戸良隆牧師を中心に発足したACEFです。
マラカール先生たちは、一九九〇年に、首都郊外のスラム地区に女子中学生を先生とする寺子屋幼稚園を十校開設し、幼児教育を始めました。校舎もなく、民家の軒先を借りて授業が行なわれましたが、一六三名の子どもたちが集まりました。これはまた、成績が優秀でも進学できず、十四~十五歳で結婚させられてしまう女子に奨学金を与え、学業を続けることを可能にし、女性の自立と地位向上を支援するための試みでもありました。現在でも、BDPの方針に従って、教師たちのほとんどは女性なのですが、このことは、子どもたちの教育と農村における女性の地位向上の両面において効果をあげています。
十七年後の二〇〇七年には、BDPが運営する寺子屋小学校は七三に増え、三〇〇名近くの先生方と共に一万二千人あまりの子どもたちが学んでいます。また、ACEFの個人会員は一九九〇年の七四名から一二〇〇名余りに増えました。
これまでの活動の成果としては、BDPの活動地域における子どもの就学率が大きく改善されたことが挙げられます。ただ、小学校に通う子どもは増えてきたものの、五年間の初等教育課程を終えて卒業できる子どもは、全体の半数ほどしかいません。多くの子どもが義務教育を修了することができるための支援を行なうことが新たな課題として浮上してきています。
一九九〇年にACEFとBDPがこの活動を始めたときに、もし「十七年間で七三の小学校を作り、一万二千人の子どもに教育の機会を与えよう」などという計画をたてようとしていたら、関係者はみな、そんなことは不可能だと尻込みをしたことでしょう。しかし、感謝しつつ、その時にできることを地道にやり続けてきたことがこのような実を結びました。イエスを中心にして、感謝して五つのパンと二匹のさかなをわけあって食べた群衆がみな満腹したように、イエスを中心にして活動を続けてきたら、いつの間にか奇跡が起きていた。そんな気がします。

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