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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4652号】宣教師からの声

2008年6月14日

ゴールをめざして
グレイ・恵子
(英国メソジスト教会《MC》からの派遣宣教師)

引っ越しの荷物の中から、この家族の写真を見つけ出し今昔を懐かしく思い出しています。これは私たちが二三年間働き住んでいた沖縄でのものです。あれから月日は流れ今長女エリザベスはニュージーランドでの学びが無事に終え昨年就職のため帰国し、長男ポールは二二歳となり只今自動車工学を就学中です。二人一緒に東京に住んでいます。そして、突然ではありましたが、イギリス人である最愛の夫デイヴィドは三年前走るべき道のりを勇敢に走り終え、彼の愛する日本の地で永遠の命の希望をもって天へと召されていきました。
一八八一年主人デイヴィド・グレイは英国メソジスト教会の教育宣教師として沖縄に派遣され同年私たちは結婚し、私も宣教師として沖縄教区にて働かせて頂きました。二人とも主から頂いた英語教育の賜物を活かし、主人は沖縄キリスト教短期大学にて英語の教師として教鞭に立ち、私は子育てをしながら主人と一緒に教会のCS、バイブルクラス、英会話などを持たせて頂きました。結婚によって宣教師になった私はそのための教育を受ける機会がありませんでしたのでただ主の助けを祈りつつ、主人そして教会の皆様を良き同僚者として与えられ、一つ一つ乗り越えさせて頂きました。教育を受けていない自分を卑下したとき時、主人は次のように言って励ましてくれました。「主があなたを選んだ。その事が最もたいせつなことだよ」
沖縄はみなさんもご存知のように違った歴史そして文化を持っています。栃木に生まれた私ははじめて沖縄に行き、見るもの聞くもの珍しく私自身も外国人と言う思いがしました。当初私たちが通いました首里教会では礼拝で高齢者は沖縄語で証をされ、私のため日本語の通訳者がつき、それを私が主人のため英語に直していました。二人にとって遠く家族を離れて知らない土地で、教会の皆様のご親切やお交わりは私たちのこれからと言う生活の支えになりました。
二三年間で最も感動し、嬉しかったこと、それは首里教会が志真志伝道所設立のため派遣した一〇名の中に一緒に加わり、最初の礼拝をしたときの事です。設立までに、主人と二人で協力教師として伝道所の牧会に関わる事が出来た事は、大きなチャレンジであり喜びでした。そしてもう一つの大きな出来事は長女エリザベスが拒食症になったことです。この時娘は千葉の高校で寮にいましたが久し振りで会って見ると痩せ細っていました。しかしながら主はこの苦しみを不思議な方法で喜びに変え私たち家族に多くの祝福を与えてくださいました。これはグレイ家に起こった大きな神の奇跡でした。この神との交わりが八年後に来た試練、すなわち突然主人デイヴィドを失う準備になったと深く確信しています。
二〇〇四年、主人が他界してからもう一年間沖縄で仕事をつづけ、その後念願だった宣教師としての学びに一年半イギリスへ飛び立ちました。その為に沖縄の超教派のクリスチャンたちが「グレイ恵子を支える会」を結成し支えてくださり、又私の母教会そして個人的に多くの友人兄弟姉妹が支え祈ってくださった事は主からの予期しなかった大きな恵でした。主は大きな苦しみと共に大きな祝福を用意してくださっていると確信しております。
これまでの貴重な体験、学びの大集成として今年四月より私の故郷鹿沼の地に戻り、母教会福音伝道教団の鹿沼キリスト教会にて伝道者として働かせて頂くことになりました。残されました日々イエスを見上げつつ共に走っていきましょう。ゴールをめざして!

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