教団財政の見直しを
岩﨑 隆
長引く構造的不況、これに追討ちをかけた金融危機。いま日本社会は破滅的である。非正規労働者と呼ばれる人たちの命の危機が現実の問題にもなっていて炊き出しで空腹を満たす人たちもいる。また自死者の数が年間3万人を超える年も続いている。どこを向いても暗くて悲しい話ばかりだ。
日本の教会も、この不況の影響をまともに受けている。また教会員の高齢化が進んで教会財政は逼迫し窮乏している。教会員の収入減が起これば教会や教区は、その連鎖の中に閉じ込められる。
神奈川教区も御多分に洩れずの状態である。例えば数年前から教区内の教職互助の募金目標は達成できずに、その存続さえもが危ぶまれている。その教職年金を支える献金依頼に応じられない教会の現実もある。このような状況の中で数年前から教区内の各委員会活動の予算は減額している。
一方、教師謝儀が減らされたり減らされそうな教師もいる。教会員の多くが年金生活に入れば仕方のないことだ。ないものはないからだ。
しかし教団への教区からの負担金は、このような状況の中から「仕送り」されている。だから教団財政は、以上の現状に鑑みて見直されるべきである。窮状にある全国の信徒一人一人の献金で賄っている教団の諸経費、特に管理職的な立場にいる人たちの人件費は、全国の教会の現状に合わせてもらえないだろうか。乏しさ、貧しさを分け合って欲しい。
(神奈川教区総会議長)