小松川教会牧師 佐々木良子
ドイツ・ルター教会の要請により、日本基督教団から黒石教会・伊丹秀子牧師と共に派遣された。
東方正教会、ローマ・カトリック教会、プロテスタント教会、ユダヤ教のラビ等、世界中から延べ約30万人が集められたという。
この大会はこのようにエキュメニズムの取り組みの一つで、1949年に設立されドイツの州で隔年開催され、68年の歴史がある。34回目となる今年は5月1日~5日、ハンブルグにおいて「あなたが必要なぶんだけ」(Soviel
du brauchst 出エジプト記16章18節)のテーマのもとに開催された。
私たちはまず何が必要であるかを知る必要がある…。神はあなたの手を開いてくださり、良いもので満たされていることを知る。(詩編104編24~31節)これらを中心に、聖書研究や討論会等の集会、賛美、祈りコンサート等、毎日8時~22時30分まで開催された。2500もの豊富なプログラムが用意され、目を通しきれない程の分厚いガイドブックと会場までの路線地図、近辺の地図等が事前に与えられた。
開会・閉会礼拝以外は、ハンドブックから各自で興味あるプログラムを選び、街中の教会に電車やバスで移動する、という宝探しのような毎日だった。
開会礼拝は、市庁舎広場で行われたが、群衆に阻まれて行き着くことができず、遠巻きにスクリーンで見る状況だった。説教はテーマより、ハンブルグの女性牧師が語った。
祝辞をドイツ連邦大統領、ドイツ福音主義教会牧師のヨアヒム・ガウフが述べ、別の日には一クリスチャン、牧師として討論会等にも出席していた(新聞一面に写真付きで報道されていた)。メルケル首相も参加していたようである。
この大会のために学校は全て休校となり、学生たちが至る所で生き生きと奉仕しており、国のトップから、若者たちが一丸となって大会を支えていることには只々驚きであった。
閉会礼拝は、広大な市立公園に参加者が集められ、その様子は衛星中継で全世界に放映された。東方正教会の司祭が「キリストは甦られた」と宣言し、会衆一同が「彼は確かに甦られた」と、応答して始まった。ミカ書4章1~3節等から世界の平和が語られ、4~5節を共に交読した。合間に説教、賛美、聖歌隊、オーケストラ等が応答の形で組みこまれ、司式者と会衆との一体化を感じた。特に感動したのは、使徒信条、主の祈りを世界の人々と共に捧げたということである。
聖餐式は、司式者が宣言した後、隣人のために個々人が更に「これはあなたのために裂かれたキリストの体、流されたキリストの血潮」と言いながらパン皿、葡萄液の器を次々廻していくという貴重な体験をした。
さて、期間中は、アンゲリカさんというドイツ人のお宅にホームステイさせて頂いた。到着した日はわざわざ家族皆で空港まで出迎えて頂き感謝だった。
滞在中は集会に出る私のために昼食を持たせてくださったり、様々な心からのおもてなしを受けた。見ず知らずの外国人としてではなく、神の家族として歓迎してくださり、言葉で表せない感謝で一杯である。帰国した今もメールをやりとりさせて頂き、ドイツに家族ができたような思いである。
この大会に参加させて頂けたのは、神の憐れみと多く方々に支えられたと、心から感謝している。