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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【2023年7月】今月のメッセージ「命どぅ宝~人の世に熱あれ」

2023年7月1日

「命どぅ宝~人の世に熱あれ」

聖書個所:心の底から新たにされて、
エフェソの信徒への手紙4章23節
 動画はこちらから

日本基督教団 近江平安教会
牧師 鳥井新平

 滋賀県野洲市にあります近江平安教会の鳥井新平です。牧師になって2年目の新米です。
 私にはいくつかへんな癖があって、座右の書には自分で古着をリサイクルしてブックカバーを作るのです。この本は大事!!と思った本を、身近において愛読するために、手縫いのカバーで包むのです。
 最新作がこちらです。『日本におけるキリスト教フェミニスト運動史 1970年から2022年まで』富坂キリスト教センター[]。新教出版から最近出された本です。
 歴史それからキリスト教、フェミニスト、あらゆるこう人権に繋がるひとつの大きな仕事をされたなと思いました。 
 この中にある高里鈴代(たかざとすずよ)さんの「沖縄におけるキリスト者フェミニズムの視点」という文章を読んでいて、歌が1つ生まれました。少し歌ってみます。

 沖縄は ウチナー  ウチナーは琉球  海の中の架け橋  命のうたきこえる
♪♪軍は人を守らず 国は戦で亡ぶ 富は常に偏り 石は叫び続ける

 また一つ。心の底から新たにされる本の誕生をよろこびたいと思います。

 もう一つ、私の座右の書・手縫いブックカバーの1冊を紹介させていただくと、これです。
 栗林輝夫著『荊冠の神学 被差別部落解放とキリスト者』1991年 新教出版です。
 日本基督教団は教憲・教規の中に部落解放方針をもっています。私が一番好きな条文は

 4 部落外、被差別部落の両者が共に部落差別問題を担う という言葉です。

 私の叔父さんは、部落差別を加害者としてしまった後、精神に変調をきたし、40年間精神病院の閉鎖病棟の中でその一生を終えました。
 差別は人を殺します。差別された者も、差別する側も魂が殺されていく行為-それが差別だと思います。

 7月第二主日には「部落解放祈りの日」があります。これは、19757月の常議委員会で、部落解放の働きを正式にスタートさせたことを覚えて、制定されました。
 キリスト者だから差別をしないのではなく、教会だから差別がないのではなく、一般社会と同じように差別もあり、そしてキリスト者が差別をしてきた事例がたくさんあり、そのことが追及されたのでした。
 その当時それにあたった教団の副議長であった小野一郎牧師、そしてその運動を組織のないところから担っていた東岡山治牧師。90を超えてお二人とも先日天に召されました。
 私は30年ほど前、教団の部落解放センターの協力宣教師であったパトリシア・スピアさんのお家を尋ねました。アメリカ人の彼女の家には「心の底から新たにされて」とエフェソ書の言葉、毛筆の書が額装されて、掲示されていました。
 私はパウロさんあるいは、パウロを名乗る者がいうように情欲から遠ざかり、正しく清い生活のみが「心の底から新たにされる」唯一の道だとは思いません。差別や貧困や戦争に真摯に向き合い、闘い抜く中で「心の底から新たにされる」のではないかと考えています。それは、イエスが「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」と言っている言葉に通じます。

 海を超え、時を超え、壁を超えて、心の底から新たにされる人生を共にあゆみたいと願います。

 


*鳥井新平先生の歌をもっと聴きたい方はこちらもご視聴ください。 

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