イスラエルに対する主の戒めと掟の言葉に精通した、祭司であり書記官であるエズラに、アルタクセルクセス王は親書を送った。以下はその写しである。「諸王の王であるアルタクセルクセスは、天にいます神の律法の書記官、祭司エズラに心からの挨拶を送る。さて、ここにわたしの命令を明記する。わが国にいるイスラエルの人々、祭司、レビ人でエルサレムに行くことを望む者はだれでも、あなたと共に行ってよい。わたしは七人の顧問官と共にあなたに次の使命を託す。すなわちあなたにゆだねられた神の律法に従って、ユダとエルサレムの事情を調べること、エルサレムに住まいを定められたイスラエルの神に、わたしと顧問官が寄進する金銀を持って行くこと、またバビロニアの州の至るところであなたが得るすべての金銀を、民と祭司がエルサレムにある彼らの神殿に寄進する献げ物と共に持って行くことである。それゆえ、あなたはその銀を持って雄牛、雄羊、小羊、および穀物とぶどう酒の献げ物を丹念に買い集め、エルサレムにあるあなたたちの神の神殿の祭壇にささげよ。そのほかあなたとあなたの仲間が適切と思うことがあれば、残りの金銀を神の御旨に従って用いてよい。あなたの神の神殿の儀式のためにあなたに託す祭具類も、エルサレムの神の御前に納めよ。その他、神殿に必要なもので費用がかさむなら、それも国庫負担としてよい。天にいます神の律法の書記官、祭司エズラの要求には、すべて怠りなくこたえるように、このアルタクセルクセス王がユーフラテス西方の全財務官に命令しておく。銀は百キカルまで、小麦は百コルまで、ぶどう酒は百バトまで、油は百バトまで、塩は制限なく与えられる。王とその子孫の国に怒りが下らないように、天にいます神の命令であれば、天にいます神の神殿のために、すべてを滞りなく実行しなければならない。また祭司、レビ人、詠唱者、門衛、神殿の使用人など総じて神殿に仕える者に、年貢、関税、交通税を課す権限が、だれにもないことをあなたたちに知らせておく。エズラよ、ゆだねられた神の知恵によってあなたは治める者と裁く者を任命して、ユーフラテス西方のすべての民、あなたの神の律法を知るすべての者を治めさせ、律法を知らない者にはあなたたちは教えを授けよ。あなたの神の律法と王の法律に従わない者は、すべてこれを厳しく裁き、死刑または流刑、財産没収、または投獄によって処罰しなければならない。」わたしたちの先祖の神、主はほめたたえられますように。主は、このようにエルサレムの神殿を栄えあるものとする心を王にお与えになり、わたしには王とその参議官、そのすべての優れた高官の好意を受けるようにしてくださった。わたしは、わが神なる主の御手の加護によって勇気を得、イスラエルの中でわたしと共に上って行こうとする頭たちを集めた。
第七の月になって、イスラエルの人々は自分たちの町にいたが、民はエルサレムに集まって一人の人のようになった。祭司たち、すなわちヨツァダクの子イエシュアとその兄弟たちは、シェアルティエルの子ゼルバベルとその兄弟たちと共に立ち上がり、イスラエルの神の祭壇を築き、神の人モーセの律法に書き記されているとおり、焼き尽くす献げ物をその上にささげようとした。彼らはその地の住民に恐れを抱きながら、その昔の土台の上に祭壇を築き、その上に焼き尽くす献げ物、朝と夕の焼き尽くす献げ物を主にささげた。書き記されているとおり仮庵祭を行い、定めに従って日ごとに決められた数を守って日ごとの焼き尽くす献げ物をささげた。その後、絶やすことなくささぐべき焼き尽くす献げ物、新月祭、主のすべての聖なる祝祭、主に随意の献げ物をするすべての人のために献げ物をささげた。第七の月の一日に、彼らは主に焼き尽くす献げ物をささげ始めた。しかし、主の神殿の基礎はまだ据えられていなかった。彼らは石工と大工に銀貨を支払い、シドン人とティルス人に食べ物と飲み物と油を与え、ペルシア王キュロスの許しを得て、レバノンから海路ヤッファに杉材を運ばせていた。エルサレムの神殿に帰った翌年の第二の月に、シェアルティエルの子ゼルバベルとヨツァダクの子イエシュアは彼らの他の兄弟たち、祭司とレビ人、および捕らわれの地からエルサレムに帰って来たすべての人と共に仕事に取りかかり、二十歳以上のレビ人を主の神殿の工事の指揮に当たらせた。イエシュアもその子らと兄弟たち、カドミエルとその子ら、ホダウヤの子らと一緒になって、神殿の工事に携わる者を指揮することとなった。ヘナダドの子ら、およびその子らと兄弟たち、レビ人も同様であった。建築作業に取りかかった者たちが神殿の基礎を据えると、祭服を身に着け、ラッパを持った祭司と、シンバルを持ったアサフの子らであるレビ人が立って、イスラエルの王ダビデの定めに従って主を賛美した。彼らも「主は恵み深く、イスラエルに対する慈しみはとこしえに」と唱和して、主を賛美し、感謝した。主の神殿の基礎が据えられたので、民も皆、主を賛美し大きな叫び声をあげた。昔の神殿を見たことのある多くの年取った祭司、レビ人、家長たちは、この神殿の基礎が据えられるのを見て大声をあげて泣き、また多くの者が喜びの叫び声をあげた。人々は喜びの叫び声と民の泣く声を識別することができなかった。民の叫び声は非常に大きく、遠くまで響いたからである。
ペルシアの王キュロスの第一年のことである。主はかつてエレミヤの口によって約束されたことを成就するため、ペルシアの王キュロスの心を動かされた。キュロスは文書にも記して、国中に次のような布告を行き渡らせた。「ペルシアの王キュロスはこう言う。天にいます神、主は、地上のすべての国をわたしに賜った。この主がユダのエルサレムに御自分の神殿を建てることをわたしに命じられた。あなたたちの中で主の民に属する者はだれでも、エルサレムにいますイスラエルの神、主の神殿を建てるために、ユダのエルサレムに上って行くがよい。神が共にいてくださるように。すべての残りの者には、どこに寄留している者にも、その所の人々は銀、金、家財、家畜、エルサレムの神殿への随意の献げ物を持たせるようにせよ。」そこで、ユダとベニヤミンの家長、祭司、レビ人、つまり神に心を動かされた者は皆、エルサレムの主の神殿を建てるために上って行こうとした。周囲の人々は皆、あらゆる随意の献げ物のほかに、銀と金の器、家財、家畜、高価な贈り物をもって彼らを支援した。キュロス王は、ネブカドネツァルがエルサレムの主の神殿から出させて、自分の神々の宮に納めた祭具類を取り出させた。ペルシアの王キュロスは財務官ミトレダトによってそれを取り出させ、ユダの首長シェシュバツァルの前で数えさせたところ、その数は次のとおりであった。金の容器三十、銀の容器一千、小刀二十九、金杯三十、二級品の銀杯四百十、その他の祭具一千、以上金銀の祭具の合計五千四百。シェシュバツァルは、捕囚の民がバビロンからエルサレムに上って来たとき、これらの品々をすべて携えて上った。
サウロはエルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だとは信じないで恐れた。しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。それで、サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の名によって恐れずに教えるようになった。また、ギリシア語を話すユダヤ人と語り、議論もしたが、彼らはサウロを殺そうとねらっていた。それを知った兄弟たちは、サウロを連れてカイサリアに下り、そこからタルソスへ出発させた。こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。
コロナ後を見据え、オンライン時代に対応
第41回総会期第14回常議員会が7月5〜6日、教団会議室・オンラインの併用で、常議員全員出席して行われた。
総幹事報告において秋山徹総幹事は、12頁にわたる資料を基に報告をした。コロナ禍に関して、教団において、委員会、理事会だけでなく、比較的規模がある会議もオンライン開催に移行していることを受け、「コロナ禍後のオンライン会議を見越して、教団専用のネット回線を引く準備に入っている」と述べた。また、カナダ合同教会からの献金を用い、オンライン時代に対応する会議室を3階に設置する計画を進めていることを報告した。
また、青年伝道について、将来の教団の伝道の在り方を考えるため、日本総合研究所に「教団メディア戦略」の調査を依頼したこと、SNS利用の可能性などについての調査結果に基づき、教団のHPの刷新を図っていることなどを報告した。
教師養成制度検討委員会報告の中で、東野尚志委員長は神学校を訪問し、「日本基督教団の教師論」作成の経緯説明と意見交換を行ったことを報告。神学校からの反応が問われ、「教師の多様性を視野に入れた教師論が重要なのではないかとの意見があった。信仰告白と教憲から導き出した教師論であり、ここから多様性が生きて来るものと説明している」と述べた。
伝道推進室の報告の中で、『信徒の友』を買い取り、小規模教会に配布する案に関して、石橋秀雄議長は「出版局ステアリングコミッティで受け継ぎ検討をはじめている」と述べた。
前常議員会で設置された、出版局将来検討委員会の報告において、委員長に久世そらち委員、書記に勇文人委員を選出したこと、委員会の役割を確認し、「第41総会期で結論を出すことは困難であり、第42総会期に引き継ぐものになる見通し」という委員長の見解を了解したことが報告された。
2〜3月に東北地方で発生した地震による東北教区内9教会被害総額が1778万8680円と見込まれることを受け、教団として支援するため「2021年東北地方地震被災教会会堂等再建支援委員会」を設置することを可決した。委員として、篠浦千史(招集者)、黒沼宏一、河田直子常議員を選出した。
(新報編集部報)
第42回教団総会開催延期を決定
第42回教団総会に関する件は、初日に時間を延長して協議された。
まず、7月1日の第4回教団総会準備委員会報告を願念望委員長が行った。準備委員会では、事務局が前臨時常議員会の提案を受けて調査考案した開催方法の説明を行い、会場にて対面、電子メールを使用するe投票を含む書面、対面とオンラインの併用、選挙と法定議案のみを対面で扱う短縮形態等を紹介した。意見交換を経て、10月に対面式開催の見通しはつかないことを共有した。それを踏まえ、総会の延期またはe投票を含む書面で開催との意見が出されたが、常議員会にいずれを提案するかの結論には至らなかった。
次に、道家紀一総務幹事がe投票の方法について、e投票システム企業の提供する図を示しつつ説明を行った。イメージとしては郵便投票に近いが、投票用紙に該当するメールが各議員に送信され、議員が迅速に対応できれば即座に集計が可能なシステムと紹介した。但し、議員が正確に対応できるか、なりすまし投票を完全に防げるか等の課題があると告げた。
e投票システムについて、必要日数や経費に関する質問が相次いだが、総務幹事は具体的な詳細を詰める段階には至っていないと答えた。また、不慣れな議員が方法を教え合うと不正投票となるとの指摘に、e投票システムの導入は時期尚早との意見があった。
ここで、石橋秀雄議長は「教団総会は、総会の開催が宣言されることを前提としている」と述べ、本来は会して議するのが教会会議だが、オンラインでは回線ダウンも起こり得るため円滑な議事進行の保証がなく、発言の公平性が保てないので「議長を務める自信がない」と発言した。久世そらち副議長が、教会会議にふさわしい「決定打」となる開催方法の案出に至らず、「議長団として公正な議事運営の確信を持てない」と補足した。
協議を経て採決に入り、第4回教団総会準備委員会の報告を承認し、次に継続審議となっている「2会場をオンラインでつなぐ開催方法の提案」の取り下げを可決した。最後に第42回教団総会開催の延期と第41総会期の1年延期が、賛成多数で可決された。
(原田裕子報)
伝道資金、制度の是非について議論
常議員会二日目、財務、出版局関連の議案に時間が割かれた。
「伝道資金運用に関する件」では、これまでも度々議論になってきた現行制度の是非について議論された。
「複数教区から、現行の伝道資金制度に対する疑義が出されている。この制度自体が、教団の一致に溝を作っているのではないか」、「教区活動連帯金制度では、参加しないという揺さぶりをかけるような教区があった。伝道資金では、反対であっても忍耐し、教会の一致を損なうようなことはしたくないと考えている教区もあることを知ってほしい」等の現制度への批判的な意見があった。一方、「伝道資金規則第一条が前提とする信仰告白、教憲・教規こそが、教団の信仰の一致の根幹であり、各教区はここに立つべき」、「教区活動連帯金の破綻は、信頼関係の欠如が原因であったので、その現実から伝道資金制度は始まっている」等の、現行制度維持への賛成意見があった。
その後、コロナ禍で計画を実行できなかったことで生じた約430万円の執行残高について議論があった。規則に沿えば教会土地取得のための貸付資金として積み立てることとなるが、今回は想定外の事象により生じた残余であるため、扱いについては執行部預かりとすることが提案され、議案は承認された。
「2020年度出版局事業報告並びに決算承認に関する件」では、飯光出版局長代行が、20年度は165万円の黒字となったことを報告、「安定した黒字経営への途上」と述べた。コンサルタントの加藤真澄氏は、21年度に入り、『信徒の友』の売り上げが毎月20数万円減少していることを指摘。対策を検討するよう協力を求めた。
議場から、在庫処分の基準について質問があり、出版後5年経過したもの、返品となったもの、印税が支払い済みのもの等が基準となっているとの回答があった。また、今後について、出版計画と、教団の伝道計画がどのように関連しているかとの問いに対し、理事会、企画委員会、将来検討委員会と連携しながら、出版計画を進めると回答がされた後、議案は承認された。
(小林信人報)
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