主は待っておられた
内本 悦子さん
内本さんは、結婚する時に父親からプレゼントされた大正15年発行の文語訳聖書を今でも大切に持っている。その聖書には林幸金とサインがしてある。それは年に一〜二回、大阪から金沢の自宅を訪ねてくれた林牧師が、父に贈ったものだった。林牧師は、内本さんが結婚してからも時々自宅を訪ねて祈ってくれた。
父は洗礼にまでは至らなかったが古い慣習にとらわれず、娘を北陸女学校付属幼稚園(現北陸学院第一幼稚園)に入園させた。そこで初めて内本さんは聖書の御言葉に触れ、讃美歌を歌い、祈ることを知った。昭和16年(1941年)、日本が戦争に突入していく中で、クリスマスに聖誕劇をしたことや旧約聖書のヨナの劇をしたことを今でもよく覚えている。また幼稚園の時に文語訳で覚えたヨハネ伝3章16節は今でも愛唱聖句だ。
結婚し、夫に教会のことを相談したが、我が家は代々日蓮宗だからと言われ断念。しかし、日々の生活の中で、苦しい時、悲しい時、嬉しい時には自然と祈っていた。それは幼稚園、中学、高校と北陸学院に通う中で身についたものだったのだろう。
夫に先立たれた後、自宅で開いていた料理教室に通っていた方に教会のクリスマス礼拝に誘われ、何十年かぶりに出席した。その時、まるで故郷に帰ったように心が安らぎ、喜びが溢れた。
その後、自宅に牧師を招いて家庭集会を行うようになった。3年が過ぎた頃に洗礼の決意が与えられ、2017年4月のイースターに80才で受洗した。幼き頃に蒔かれた福音の種は、長い時を経て成長し花開いた。主がその時を何十年も待ってくださり、林牧師をはじめ、多くの方々が祈り導いてくださったことを、内本さんは心から感謝している。
26:47 イエスがまだ話しておられると、十二人の一人であるユダがやって来た。祭司長たちや民の長老たちの遣わした大勢の群衆も、剣や棒を持って一緒に来た。
26:48 イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。
26:49 ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接吻した。
26:50 イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と言われた。すると人々は進み寄り、イエスに手をかけて捕らえた。
26:51 そのとき、イエスと一緒にいた者の一人が、手を伸ばして剣を抜き、大祭司の手下に打ちかかって、片方の耳を切り落とした。
26:52 そこで、イエスは言われた。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。
26:53 わたしが父にお願いできないとでも思うのか。お願いすれば、父は十二軍団以上の天使を今すぐ送ってくださるであろう。
26:54 しかしそれでは、必ずこうなると書かれている聖書の言葉がどうして実現されよう。」
26:55 またそのとき、群衆に言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持って捕らえに来たのか。わたしは毎日、神殿の境内に座って教えていたのに、あなたたちはわたしを捕らえなかった。
26:56 このすべてのことが起こったのは、預言者たちの書いたことが実現するためである。」このとき、弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった。
「新型コロナウイルス感染症に伴う注意喚起について」(第二信)
日本基督教団 各教区 各教会・伝道所 関連施設(付属幼稚園 保育園 センターなど)の皆さまへ
2020年3月27日
日本基督教団 総会議長 石橋秀雄
総幹事 秋山 徹
新型コロナウイルスによる感染の拡大は収まる様子がありません。
教会によっては、礼拝を中止しているところがあるとも聞いています。教会・伝道所、地区(支区 分区)では、「定期総会」の時期にあたり、延期するなどの検討を始めているとも聞いています。
そこで改めて、教団としての方針をお伝えしたいと思います。
1. 教会活動の基本は、毎主日の礼拝です。しかし専門家によれば、礼拝は「感染リスクの高い環境」であることを認識する必要があることに変わりはありません。そこで、礼拝をささげる場合は、礼拝時間の短縮や換気の徹底など、可能な限り感染のリスクを減らす対策を必ず取るようにしてください。
2. 教会が礼拝をささげない(中止する)ということはありません。礼拝は集会でもイベントでもないからです。たとえ礼拝堂に集うことがなくとも、「教会は礼拝をささげる」ということを大切にしてください。
3.現実的には、各教会・伝道所の判断が優先されますが、いうまでもなく、「祈り」をもって慎重にご判断ください。
4.感染リスクが高くなるのは「換気の悪い密室空間」「多くの人が密集した場所」「近距離(手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声」です。これらの条件が重なる場合は、礼拝堂での礼拝を中止することも検討してください。
5.ご高齢の方、重症化しやすいリスク(基礎疾患)を抱えている方へは、十分な配慮をしてください。礼拝出席の自粛を申し出られた場合は、祈りと配慮とを忘れないでいましょう。場合によっては、自宅礼拝をお勧めし、教会の礼拝に自宅で心を合わせていただくということも必要であると思います。
*幾つかの教会の取り組みを後で紹介します。
6. 感染に対する危機意識をもちつつも、いたずらに感染を恐れて、互いに、自分の意見を主張し合うようなことは慎みましょう。とくに、差別的な言動を生じてはなりません。
7. 現在、教団では、各種委員会以外の、全国の広い地域から出席者が集う集会は、原則中止していますが、感染状況や人数などの状況によっては委員会レベルも中止することを検討します。*Skype会議なども推奨します。
8. 教会・伝道所の総会や教区(支区 地区 分区)の総会などの開催については、慎重に判断してください。
開催しない場合の対応に迷われたときは、教団事務局にご相談ください。
*開催方法の例を後で紹介します。
日本基督教団は「日本基督教団信仰告白」を告白し、「教憲教規」を守ること以外は、各人と各個教会・伝道所による“自由な証し”を大切にして来ました。その信仰を、このたびの感染対策にも生かしたいと思います。一人ひとりが、諸教会・伝道所が、諸教区(支区 地区 分区)が、神に向かって真摯に祈り、最も良い答えを見出させていただき、この“試練の時”をご一緒に乗り越えたいと願います。
<新型コロナウイルス感染に対する取り組み例>
A教会
・主日礼拝は、どのような形にしろ、休止しない。
・礼拝プログラムの短縮(讃美歌を歌う回数などを少なくする)
・聖餐式を取りやめる。
・讃美歌は起立しないで、小さな声で賛美する。
・間隔を空けて着席する。
・礼拝出席者でコロナウイルスの感染が判明したら、その情報を公開する。
B教会
・み言葉に仕える教会としての使命はこの時にこそあるため、実施形態はともかく礼拝の「中止」の判断はしない。
・会堂の入り口にアルコール消毒設置や会堂内の除菌&消毒を行う。
・欠席者(欠席希望者)への説教原稿の送付(送信)
・SNSの利用による教会の情報の発信。
・高齢者・基礎疾患を持つ方々、感染リスクの疑いがある方々への声掛けの実施
C教会
・発熱 咳のときは欠席して自宅で祈る。
・教会に着いたら、石けんで手を洗う。
・できたらマスクを着用する。
・集会での飲食は控える。
・集会にはマイボトルを持参し、座席に余裕を持って座る。
・礼拝出席は各自の判断に任せるが、高齢者、公共交通機関利用者には、慎重な判断を呼び掛ける。
D教会
・報道に惑わされず冷静さと神様の導きを信頼し福音の示すところに立ち、ひずみを負わされる弱者を覚え、キリスト者の祈りと行動を考える。
・礼拝中の讃美歌は奏楽に耳を傾けて黙想し、祈祷と詩編交読は、司式者のみにする。
・子どもの教会(教会学校)はお休み。各委員会もお休み。
・高齢者、子どものいる家庭、健康に不安のある方、公共交通機関を利用する方、感染症リスクのある方には、金曜日に週報を配り、土曜日に、再度、「礼拝出席をお控えいただく」と伝え、主日礼拝説教の原稿を届けて、自宅での礼拝を勧める。
◇ この他にも、換気に注意しながらささげる、礼拝のネット中継、ユーチューブなどによる動画配信(*この場合は讃美歌の著作権に注意する)など、様々な工夫している教会があります。HPなどを検索してご覧ください。
◇ 現在、礼拝施設(礼拝堂)での礼拝を休止している教会もあります。
<教会総会 支区・地区・分区総会 教区総会 開催方法のチャート&シミュレーション>
総会を開催するかしないかを決定する。(役員会・常置委員会などで)
開催する ↓
・開催時間はなるべく短縮する。
・選挙だけを実施して解散する。 *開票は後日連絡する。
・次年度活動計画と予算を承認して解散する。
・前年度活動報告決算は後日開催で承認する。
開催しない ↓
*議決権行使書を実施する。
・延期か休会かの議決をとる。
・前年度活動決算報告&次年度活動計画 予算を含めての議決をとる。
・次年度活動計画と予算の議決のみをとる。
・選挙については現任議員の延長を議決する。
・選挙だけの総会を後日開く。
◇ 上記は考えられ得る項目を並べたものです。状況に応じて、組み合わせてください。
◇ 開催するにしろ、開催しないにしろ、いろいろな開催方法が考えられます。教会規則や支区・地区・分区・教区の開催時期に関する規則をまず確認してください。-(例:第〇条「総会は毎年〇月に開催する」)。
もし、「毎年〇月に開催する」との規定があり、その月に開催できない場合の、議決権行使書による書面決裁の議案の例を以下に記します。
・表 題:第〇回△△教区総会開催延期に関する件
・議 案:第〇回△△教区総会の開催を延期する。総会の新たな開催日時、会場の検討と決定については教区常置委員会に一任する。
・提案理由:新型コロナウイルス感染拡大防止のため、△△教区規則第〇条〇「教区総会は、毎年〇月に開く。」の適用を停止し、第〇回△△教区総会開催を延期する。なお、新たな開催日時、会場の検討および決定については教区常置委員会に一任する。
*なお、この議決は3分の2以上の表決が必要です(『ロバート議事規則』「第Ⅷ章 付随議案 §25 規則の適用停止」より)
◇ 総会議員の延長は、教規第3条②「天災その他やむを得ない事故のため議員の選挙を行うことができないときは、常議員会の議決を経て、議員の任期を延長することができる。」を準用してください。
◇ 教団総会議員は、教規第4条「議員の任期は、選挙があった年の8月1日から始まる。」とあります。通常は7月開催の常議員会で承認しています。それまでに選挙を終えるか、任期の延長を諮ってください。
26:36 それから、イエスは弟子たちと一緒にゲツセマネという所に来て、「わたしが向こうへ行って祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。
26:37 ペトロおよびゼベダイの子二人を伴われたが、そのとき、悲しみもだえ始められた。
26:38 そして、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、わたしと共に目を覚ましていなさい。」
26:39 少し進んで行って、うつ伏せになり、祈って言われた。「父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの願いどおりではなく、御心のままに。」
26:40 それから、弟子たちのところへ戻って御覧になると、彼らは眠っていたので、ペトロに言われた。「あなたがたはこのように、わずか一時もわたしと共に目を覚ましていられなかったのか。
26:41 誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」
26:42 更に、二度目に向こうへ行って祈られた。「父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。」
26:43 再び戻って御覧になると、弟子たちは眠っていた。ひどく眠かったのである。
26:44 そこで、彼らを離れ、また向こうへ行って、三度目も同じ言葉で祈られた。
26:45 それから、弟子たちのところに戻って来て言われた。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。時が近づいた。人の子は罪人たちの手に引き渡される。
26:46 立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」
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