8年間支援してもらった東北教区被災者支援センター・エマオは、19年3月末ですべての活動を終えた。
東北教区では、3月23日に被災者支援センター委員会主催で「被災者支援センター・エマオの8年を感謝する会」を開催した。第一部礼拝、第二部感謝会で、教区内諸教会をはじめ県外の各地から元スタッフ、ワーカー、食事ボランティア、初期の立ち上げにかかわった方たち、笹屋敷の前町内会長など60名の参加があった。懐かしい出会いがあり、都合で参加できない方にはビデオレターを送ってもらい、いろいろな方のエマオへの思いを聞くことができた。
効率を求める現代において、エマオは「より添い」を大切にする「スローワーク」を合言葉にして歩んできた。「エマオさんが手伝ってくれたから畑を続ける気になった」、「津波は辛いことだけれど、これがきっかけでみんなと会えたのは嬉しい」、「これからも忘れないでほしい」と被災地の方たちは言う。
エマオを通して出来たつながりは、これからも続く。エマオを通して嬉しい出会いがあった一方で、痛みを持った方もいる。それらすべてを主が受け止めて下さるように。エマオを覚えて祈り、支えて下さった方たちに感謝する。 (小川幸子報)
2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、約8年の間中断されていた福島県南相馬市にある小高伝道所の主日礼拝が、2019年1月27日(日)午後3時から再開された。
原発事故後は約1年余り強制避難区域に指定され立ち入り禁止になった。付属の幼稚園があるが休園の状態が続いている。町に子どもはいなくなった。そして主日礼拝は全く守れなくなった。
2012年4月以後からは昼間のみ入れるようになった伝道所でのクリスマス礼拝を毎年12月に守ってきた。伝道所の信徒が1名、このクリスマス礼拝のために避難先の福島県いわき市から自宅のある小高に戻り集会の準備を毎回する。感謝である。負担にならないようにと願っている。昨年の12月が7回目のクリスマスの礼拝になった。
東北教区の取り組みとして18年9月に「小高伝道所の今後を考える協議会」を小高伝道所で開催し放射能汚染の問題を含めた伝道所の直面する課題を共有した。今後は毎月1回の主日礼拝を第4週の午後3時からを基本として守りたいと願っている。特に東北教区で同じ地区に属する相双・宮城南地区の教会の応援が必要である。
全国の教会と伝道所、また関係する施設や学校の皆さんに祈っていただきたい。 (保科 隆報)
2018年は自然災害が多発し、特に台風は9月から10月にかけて、北は北海道から南は沖縄までを襲った。教団の教会も建物に多くの被害が発生し、会堂共済組合に加入している教会から被害の報告が相次いで届いた。届けは2019年3月7日の段階で合計113教会に達した。
会堂共済組合では早速に罹災届の用紙を送付した。地域によっては業者が忙しすぎて見積りが出ないところもあるが、罹災届が届き次第迅速に対応した。
3月7日現在95教会に総額9156万円の支払いを実行した。教区別の支払い実績は下記のとおり。
まだ加入されていないところはぜひ問い合わせてもらいたい。現在の保険料との比較表をお送りする。教会・学校の財政の役に立ちたいと願っている。 (辻井秀雄報/会堂共済組合常務理事)
後宮俊夫牧師は去年の暮96歳の人生の幕を閉じ、天に帰られた。不思議な人だった。容姿はお世辞にもいいとは言えず、説教は何を言っているのか分からない話を長々とする。学歴はなく学閥もない。ユーモアがあるわけでもないし、要領よく立ち回る器用さも持ち合わせていない。
なのに彼の周りには人が集まり、教会員は皆よく働く。次々と大きな仕事をこなしていかれた。
ご自分のことをこう言った。「わたしは何一つ自分から願ってやったことはない。行けと言うから行き、来い、と言うからついて来ただけ」。
彼はまた、大事な判断の基準を「わが思いではなく御心を」に定め、「迷ったときは『いやだなあ』と思う方を選ぶと間違いない」と言っていた。だからどんな圧力にも動じない人だった。大きな方向性は「御心を問う」ことに徹していた。失敗を責めないで大目に見てくれる優しい人。だから誰からも信頼された。
それでも時々、雷が落ちることがある。そのときは誰もが震え上がる。元海軍将校の本性が出た。
教会の働きの傍ら、世光福祉会、京都教区総会議長、教団総会議長、学校法人敬和学園理事長、養護老人ホームピスガ甲西、デイケア「おしどり」設立など働きは多岐にわたった。最後まで世界の平和と正義を祈り、実践された方であった。神が用いられた不思議な指導者であった。
辻 建氏(隠退教師)
19年3月17日逝去、86歳。京城府(現ソウル市)生まれ。64年関西学院大学大学院卒業。同年より主恩、宝塚、夙川東を牧会し、09年隠退。
遺族は息・辻学さん。
篠原 信氏(隠退教師)
19年3月24日逝去、92歳。東京都生まれ。47年日本聖書神学校卒業。52年より目白教会を牧会し、09年隠退。
遺族は息・篠原和太郎さん。
中村みどり氏(隠退教師)
19年3月28日逝去、89歳。東京都生まれ。53年日本聖書神学校卒業。同年より津屋崎、東郷、津屋崎、池袋西教会を牧会し、95年隠退。
遺族は義弟・亀井耕二さん。
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