日本基督教団総会議長 石橋秀雄
《小規模教会を伝道拠点に》
2030年問題が日本基督教団(以下、教団)に迫っています。2030年問題とは、この年を境にかなりの数の教団の教会が消滅すると言われている危機のことです。今、この危機に対する教団の取り組みが問われる中、教団常議員会は、「教団伝道推進基本方針ー共に祈ろう、共に伝えよう、共に献げよう」展開案を決議しました。
この決議が画期的なのは、教団の教会が一致して日本の伝道に取り組む業が、具体的に示された点です。教団は全国に1685教会を有します。これほど多くの教会を有することは教団の強みと言えます。
しかしその中には少子高齢化が進み、消滅の危機にある小規模教会があることを忘れてはなりません。小規模教会は主の御体なる教会を立て続け、生き生きとした礼拝を献げています。その村に、その島に、その町に「主は生きておられる」との確信の中で伝道がなされていることに教団は絶えず励まされてきました。
この小規模教会を教団の伝道拠点教会として支えましょう。そのことから教団の全ての教会に血が通いだし、教区の伝道が推進され、教団の伝道に勢いが増していくでしょう。一人一人が伝道に熱くなり、主から託されたこの国の伝道を推進していかねばなりません。
《共に祈ることから》
基本方針の第一は「祈ること」です。祈ることから始めましょう。主イエス昇天後の弟子たちは「心を合わせて熱心に祈っていた。・・・・・・百二十人ほどの人々が一つになっていた」(使徒1・14〜15)とあります。心を合わせ、熱心に、一つになって祈る。その祈りに応答するように聖霊が降りました。
伝道は聖霊なる神の御業です。神の御業に応え、祈りの輪を広げようではありませんか。基本方針では、毎月第3主日を「日本伝道の推進を祈る日」に制定しました。礼拝出席者数20名以下の教会を第3主日に覚えて祈ります。全ての教会が活性化され、この国の伝道に一致して取り組み「このようにして、主の言葉はますます勢いよく広まり、力を増していった」(使徒19・20)と言い得る教団を共に目指しましょう。(「信徒の友」11月号より)
9月13日、教団会議室にて、第4回教団伝道対策検討委員会を開催した。前回記録承認後、岸俊彦教団伝道推進基本方針展開検討小委員長が、教団伝道推進基本方針の具体的な展開の取り組みの現状を報告し、協議をした。
協議においては、第4回常議員会で決議した内容と異なっている点があること(祈りに覚える教会名を『信徒の友』に掲載する予定が1ヵ月遅れたこと、各教区から挙げてもらう教会数が「5教会程度」であったものが「2教会」とされていたこと)について質問が出され、これに対して岸小委員長は、『信徒の友』の編集日程の都合上、祈りに覚える教会の掲載が1ヵ月遅れとなったこと、また、誌面の都合および費用の関係で「2教会」としたと答えた。また、石橋秀雄委員長は、このことについては教団三役が承認をしたと述べた。
次に、久世そらち教団機構改定検討小委員長が、教団機構改定案として、教団総会議員数案(議員数を教師100名、信徒100名、推薦議員は16名を超えない数とする。各教区選出議員数について最初に配分する議員数を教師2名、信徒2名とする)、および、常議員数案(三役と教師6名、信徒6名とする)を提示した。
協議においては、今後の小委員会における検討の方向性についての質問が出され、これに対して、「総務局」・「伝道局」の設置等、「教団機構改定案骨子」の内容に沿って検討を進めて行くことを確認した。また、各委員会活動等の運用の検討が必要であること、教団財政の削減の具体案を示すべきであるといった意見が出された。
以上の協議の後、教団伝道対策検討委員会として二つの小委員会からの報告を承認し、10月に開催される第5回常議員会に、教団伝道推進基本方針の具体的な展開の現状について報告すること、および、教団機構改定案を提示することとした。(雲然俊美報)
第3回宣教研究所委員会が、9月2日に教団会議室において全委員の出席と道家紀一担当幹事の陪席により開催された。岡本知之委員長の開会祈祷に続き、第2回議事録案を承認した。
次に、今総会期の研究テーマについて協議する際に、今後の進め方に関する委員長提案を承認した。①テーマ担当責任者を決める。②各テーマの自由討議をする。③論文を執筆する研究員を決める。④研究員を招き執筆中間報告会を行う。⑤研究員に研究発表として論文を提出してもらう。
今回の委員会では、①〜③を取り扱うこととし、①に関しては各テーマ並びに「宣研だより」等の担当責任者を以下のように決定した。「教会の霊性」熊江秀一、「教会のダウンサイジングの問題」柴田彰、「日本人の宗教性とキリスト教」寺田信一、「教会と付属施設」小林光、「SNSと伝道」岡本知之、「宣研だより編集」高橋和人、全体の相談役、長山道。
②と③に関しては各テーマの自由討議後、研究員となる候補者を1〜2名ずつ挙げた。次回の委員会までに各担当責任者が候補者と連絡を取り、論文執筆依頼を打診し内諾を得る。正式な委嘱状は、次回の委員会での承認後に発送する。予算並びに作業工程に関しては道家紀一担当幹事の意見も踏まえ、今後調整していくことを確認した。
「宣研だより」に関しては2020年度に発行することとし、巻頭言は岡本委員長、各研究テーマに関しては5名の担当責任者が執筆する。
高橋委員の閉会祈祷をもって終了した。(小林 光報)
台湾基督長老教会(PCT)のテゼ黙想ツアーが8月23日から9月5日に行われた。PCT台中学生センターの潘忠杰牧師が始めた企画で、2回目の今年は教団も誘いを受け、合同のプログラムとして実現した。
参加者はPCTが16名、教団が7名、内引率各1名であった。メインは8月25日から9月1日に、テゼ共同体で行われる18〜35歳の青年たちのための国際的集いに参加し、黙想することで、ヨーロッパを中心に世界各地から約2000人の青年が集まった。
テゼ共同体は1940年、スイス出身のブラザー・ロジェによって、フランス・ブルゴーニュ地方の小さな村「テゼ」に創設された超教派のキリスト教男子修道会で、分裂や争いのある世界で、『見える和解のしるし』となることを目指して始まった。修道士(ブラザー)たちが、教派の違いを越えて、共に祈りと労働の生活をする。テゼは、深い沈黙の中での祈りを大切にし、朝昼晩の祈りは、長い沈黙、祈りの歌や聖書の朗読によって進められる。「内なる信仰を深めること」と同時に、「苦悩する人々との連帯」を創設からの大切な指針とする。
滞在中は朝昼晩の祈りの他に、ワークショップ(聖書研究、環境・社会問題、芸術等)や、それぞれのワークをして過ごした。ワークは初日に全員が一つ選ぶ。内容はトイレ掃除、食事の配膳・片付け、礼拝準備、ゴミ捨て、聖歌隊等。その週に招かれた人で共同体の生活が維持される。今回日本の参加者は、聖歌隊と夕飯準備の奉仕をした。日々は単純素朴で、全ての営みが祈りに向かって生活する一週間であった。
また期間中には台湾と日本の他に、韓国、香港、中国の青年との交流やブラザーと一緒に食事をとり、話をする時間も与えられた。今回の参加者はすでに教団海外派遣プログラムや青年活動に関わる青年が多く、リーダーシップをとる彼女、彼らが一度立ち止まって神様と関係を築くことに集中し、忙しさから離れて自分を見つめるプログラムであった。
なお、詳細は世界宣教委員会Facebook上に、参加者の報告と写真を載せているので、合わせて参照してもらいたい。(廣中佳実報)
伝道委員会は新総会期に入り、申し送り事項を継承していくことに追われているのが現状です。どれも大事な活動であることは言うまでもありません。開拓伝道援助金、会堂貸出金の対応等、各個教会・伝道所への伝道に直結する持続的財政援助について、限られた原資を公平性をもって大胆に運用していかなければなりません。
伝道委員会主催で開催されてきた教区伝道委員長会議や農村伝道に関する協議会は、機構改定を踏まえて抜本的に見直していく必要があると思います。その他、伝道委員会に託されていることの中には、文書伝道、教誨活動の支援などがあります。
今総会期の宣教委員会は、委員会そのもののあり方を検討する意図をもって伝道、教育、社会の三つの常設委員会から2名ずつ委員を出して構成されています。教団として宣教委員会をどう位置づけ改定していくかが課題となっています。
教団機構改定が現在重要な検討課題となっています。そのような中、今総会期に優先されるべき役割は何かが問われています。教団、諸教区、諸教会・伝道所これら三者の間にいかにダイナミックな関係を構築することができるかが中心的課題です。
そこで「何とかして何人かでも救うためです」という情熱が共有されるとき、新しい態勢が形成されるでしょう。(伝道委員長)
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