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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4880・81号】2018年春季教師検定試験 83名受験、正・補教師、転入67名合格

2018年4月21日

テキストに真剣に向き合い、喜びを見出し、語り出すように
 2018年春季教師検定試験が、2月20~22日、キリスト教会館、早稲田奉仕園を会場として行われた。初日、筆記試験、2~3日目、面接試験が行われた。補教師58名、正教師21名、転入4名が受験した。今回、受験生が多く与えられた。伝道者が不足している厳しい現実にあって、主が日本基督教団の教師としてこれだけ多くの伝道者を立ててくださっていることに感謝した。試験の結果、補教師合格44名、継続6名、不合格8名、正教師合格19名、不合格2名となり、転入4名も認められた。

 教師検定試験は伝道者としての召命を問う試験である。筆記試験、面接試験を通して、伝道者としての召しが問われた。

 そこで問われるのが、伝道者が語る言葉であった。福音を聴く魂の奥底まで届く、明晰で、鋭く、慰めに満ちた福音を語っているかが問われた。そのために、伝道者として基本的な神学を身に着けることが求められた。

 試験科目は全て基本的な神学を身に着けているかどうかを問うものであった。単なる知識としてではなく、自分の中で咀嚼し、自分の言葉で表現出来る程に身に着いているかが問われた。しかし、多くの受験生が、基本的な神学が身に着いていない結果が現れた。「旧新約釈義・説教」はテキストの掘り下げが不十分であり、説教の聴き手の現実が見えていなかった。「旧約・新約聖書神学」は日々聖書に親しんでいるかどうかが問われたが、不十分であった。「教会史」は教会史において起きた出来事を今日の教会と深く結びつけて理解しようとしていなかった。「組織神学」は組織神学的思考が身に着いていなかった。「教憲教規」は教会の具体的な問題を教憲、教規、宗教法人法に則って、どのような手順で進めて行くのかが身に着いていなかった。

 伝道者が身に着けるべき神学は多岐に亘っている。それだけに、忙しい牧会・伝道の中にあっても日々神学を学び続ける姿勢が問われる。主はこの日本に、私どもを伝道者として召し、福音を待っている多くの魂に豊かな福音を語ることを求めておられる。

 面接試験は全体面接と個別面接が行われた。全体面接では委員長が日本基督教団の教師として立てられることの意味を「教憲教規」に則って説明した。教団はイエス・キリストを首と仰ぐ公同教会であって、教団の定める信仰告白を奉じ、教憲および教規の定めるところにしたがって主の体たる公同教会の権能を行使する。そのために、教団の教師は神に召され正規の手続きを経て献身した者である。正教師は按手礼を領した者、補教師は伝道の准允を受けた者であり、聖礼典は按手礼を領した教師がつかさどる。

 個別面接では、教団の教師として主によって立てられている召命が問われた。自分の言葉で明確に召命を語ることが出来ているかどうかが問われたが、明晰に語ることの出来なかった受験生もいた。公同教会と合同教会とを混同している受験生もいた。

 この数年の傾向として、他教派からの転入志願者が増えている。そこでも、何故、教団の教師となるのかが問われたが、その召命が不十分な志願者もいた。試験終了後、Cコース受験志願者認定面接を行い、3名の志願者があった。それぞれが職を持ちながら伝道者としての召命を受け、Cコースの受験に臨もうとしている。3名とも明確な召命を与えられ試験に臨もうとしていた。主が様々な場所で様々な人を伝道者として召してくださっておられる、主の御業に触れ、畏れと感謝を覚えた。 (井ノ川勝報)

 

講評
 2018年度春季教師検定試験が2月20日から22日にかけて行われました。

 春の試験は補教師の受験が主となりますが、今回の試験は教団会議室だけでは間に合わないほど多くの受験者が与えられました。教会に仕える者がたくさん与えられることは本当に嬉しいことです。

 提出試験としての説教について言えば、聖書の説明に終始し、説教者がテキストから受け止めた福音が説教者自身の言葉で語り尽くされていない説教が多くありました。与えられたテキストに真剣に向き合い、喜びを見出し、語り出す作業を、今後も大切にしていただきたく思います。またそれぞれの試験の結果につきましても、主の御旨であると信じ、受け止めていただきたく願うものです。

 第40総会期 教師検定委員長 服部 修

 

2018年春季・補教師検定試験問題
教憲教規および諸規則・宗教法人法 (60分)(A,B,CⅢ)
次の2題に答えてください。

1.日本基督教団は教師を「正教師」「補教師」と分けています。その違いを、教憲および教規より必要な条項およびその内容を明示し説明してください。

2.宗教法人である教会は何によって運営されなければならないでしょうか。宗教法人の目的を明らかにしながら、必要な条項およびその内容を明示し説明してください。

 

旧約聖書神学(60分)(B,CⅢ)
次の3つの語句について2つを選んで説明してください。

1.除酵祭の規定

2.逃れの町

3.第二神殿

 

新約聖書神学(60分)(B,CⅢ)
次の3題のうち2題を選んで新約聖書のテキストをいくつか挙げつつ、答えてください。

1.新約聖書において「 平和」はどのような意味を持つか、論じてください。

2.律法に対するイエスの態度について、論じてください。

3.先在のキリスト論について、論じてください。

 The 4th Executive Council meeting of the 40th General Assembly Period (2016-18) was held Feb. 5-6 at the Kyodan headquarters, with 26 members present. Executive Secretary and Acting General Secretary Dohke Norikazu gave the general secretary’s report, in which he reported that 80,720,000 yen was sent to five churches as part of the relief efforts following the Kumamoto-Oita earthquake.

 Commission on Ecumenical Ministries’ Executive Secretary Kato Makoto then reported that about two-thirds of the approximately 40 schools that are members of the Mission Schools Council have no resident missionary at present and thus are appealing for missionaries. He also reported that while the office of the Committee on Continuing Relief Strategy for the Great East Japan Disaster will close its office in March 2018, committee members will continue to commute from Sendai to continue their work.

 Next, during the report of the Committee on Evangelism Strategy, Chair Sasaki Michio explained the interim report of the subcommittee that was established to look into structure and finances.

 •Its recommendation is to revise the original proposal to have each division debate and decide its own plan. Instead, all items related to Kyodan restructuring and finances would be decided by one committee.

 •Likewise, in order to reduce costs, no special commission (task force) will be established, and the number of committee members will be reduced. The present committee will be restructured and a general affairs section and evangelism section established.

 •The General Assembly will become a body that deals mainly with legally required agenda items over a two-day period in a format of about 200 delegates so that church facilities will be adequate.

 •Other agenda items will be dealt with in a separate meeting of the Mission Policy Conference, which will then be passed through the Executive Council to the General Assembly for ratification.

 •A fund called the “Nationwide Evangelism Promotion Fund” will be established to strengthen local churches and help churches that have not reached a certain level.

 These changes are being made to reflect the average loss of yearly income of some 5 million yen, and thus the goal is to decrease the overall church apportionments from 250 million yen to 200 million per year and the annual personnel costs from 150 million to 100 million yen so that it is sustainable over the next ten years.

 The matter of shared expenses for the National Christian Council in Japan was also discussed, and Moderator Ishibashi proposed that the Kyodan increase its contribution by 900,000 yen to make it a total of 9 million yen. The Kyodan discusses its portion on a yearly basis, although the NCCJ’s General Assembly decides on a three-year budget that does not change over its three-year general assembly period. Thus, there is a mismatch, which is why this proposal was made. Commission on Finance Chair Aizawa Toyoshige then reported his committee’s opinion that no supplementary budget be made when an item is going over budget, for clarification purposes.
(Tr. TB)

—Kato Makoto, executive secretary

 

常議員会報告

加藤 誠

 第40総会期第4回常議員会は、2月5,6日教団会議室で常議員26名が参加して開催された。総幹事報告では道家紀一総幹事事務取扱は「熊本・大分地震救援対策では5教会に8072万円を送金した」と報告した。

 続いて加藤誠世界宣教幹事は「海外出張報告と合わせて宣教協力学校協議会加盟校約40校中、3分の2で宣教師不在であり、宣教師の存在をアピールするプログラムを行った」と報告した。東日本大地震救援対策継続委員会報告で真壁巌書記は「貸付金貸出22教会中、完済8教会。エマオ石巻は2018年3月で事務所を閉鎖するが職員が仙台から通って仕事を続ける。3月末に教団救援対策事業全記録を刊行し、全教会に配布する」と報告した。

 伝道対策検討委員会報告の中で、同委員会が設置した機構・財政検討小委員会の中間報告があり、佐々木美知夫委員長が内容を説明した。

 「教団機構の改定と財政」教団の取り扱い事項全てに委員会を配置する在り方を改め、各部門の審議・議決は一つの委員会が行う。

 特設委員会を置かず、委員会数、経費の削減を図る。現在の委員会を改編し、総務局、伝道局を置く。

 「教団総会の規模と在り方」教団総会を一泊2日とし、法定議案を中心に扱い、議員数は200名で会場は教会を用いる。法定議案以外は宣教方策会議を「大会」として可決し、常議員会を経て次の総会に提出する。

 「各個教会強化への財政支援」一定規模に達していない教会への援助を行う「全国伝道推進献金」を設置。

 今回の変更は毎年500万円ずつ収入が減っている現状を踏まえ、2億5千万円の負担金を2億円、1億5千万円の人件費を1億円規模にすることを目指し、今後10年を維持するための変更であることが示された。

 財務関連議案としてはまずNCC負担金を審議した。石橋議長は教団現予算で810万円とした2017年度NCC負担金を90万円増額し、NCCの決定額である900万円とすることを提案した。教団は単年度ごとに負担金を検討するが、NCCは総会で決定した負担金額を総会期の3年間は変更しない。そのため教団とNCCとの間で食い違いが生じ、それを解決するための提案であった。質疑応答の後、議場は承認した。愛澤豊重予算決算委員長は、今後、決算上の支出超過を明らかにするために補正予算を作成しない方が良いという委員会の意見を報告した。

「熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金」にご協力くださり感謝いたします。
 以下のように40総会期第4回常議員会にて、2019年3月31日までの延長を決定しました。引き続きご支援をお願いいたします。
教団総会議長 石橋秀雄

 

議事30 熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金に関する件
提案者 議 長
議  案
 熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金を、1年間(2018年4月1日~2019年3月31日)延長する。

提案理由
 39総会期第第8回常議員会(2016年8月30日)において、熊本・大分地震被災教会支援に関して、熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金の開始を可決した。その際、同募金の期間は、「2年間(2016年4月15日~2018年3月31日)」とした。

 しかし、熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援委員会よりの報告によると、1月24日現在の同募金総額は1億841万9201円であり、目標額の1億8000万円には至っていない。

 そのため、同募金をさらに1年間延長しようとするものである。

 3月21日、青山学院大学ガウチャー記念礼拝堂を会場に、宗教改革500周年記念事業の最後の行事として、日本基督教団主催の青年大会「リフォユース500ユースカンファレンス」が開催された。

 教派を超えて、教団が加盟しているNCC系、JEA(福音派)系、JPN(ペンテコステ派)系の諸団体にも呼びかけがされた。

 大会当日は、雪交じりというあいにくの天候であったが、教団からの参加者約200名を含む1000人以上の若者を中心とした参加者が集められ、教団主催の青年大会としては稀にみる大規模な大会となった。また、当日の様子はインターネットを通じてライブ配信され、常時100人を超える人たちが視聴した。学食には20を超える協賛団体のブースも用意され、参加者の交流の場ともなった。

 当日のプログラムは礼拝形式で進められた。大会のために青年有志により結成された100人ゴスペルチームによる賛美、関野和寛牧師(日本福音ルーテル教会ルーテル東京教会)、晴佐久昌英神父(カトリック上野・浅草教会)、大嶋重徳牧師(キリスト者学生会KGK総主事)、小林克哉牧師(日本基督教団呉平安教会)という4人の説教者が立てられ、東京山手教会で開催された前夜祭で演奏したクリスチャンバンド「ナイトdeライト」を含めたバンドスタイルによる賛美リードによる会衆賛美が、各説教者の説教の間に捧げられた。礼拝の途中には、クリスチャンバンドである「サルーキ=」の演奏もあり、盛りだくさんの内容で礼拝が捧げられた。

 後日、このような大会の継続の必要性が確認され、準備委員会は解散となった。 (小林信人報)

by Kato Makoto, executive secretary

 From Jan.12 through Jan. 19, I visited Brussels, Belgium and Cologne, Germany. Rev. Kawakami Masaki and her husband Rev. Kawakami Yasushi were assigned as missionaries to the Brussels Japanese Protestant Church in April 2017. I visited them and preached at the church on Sunday. Further, I participated in an evaluation held by the Belgian Evangelical Mission (BEM), the body that receives our missionaries. The word “evaluation” may sound somewhat pretentious, but it was a very thoughtful interview.

 BEM is a devoted missionary group mainly consisting of British Christians who share the Gospel with Belgians and establish new churches. Having had to learn French to share the Gospel, they have experienced difficulty and loneliness, but they have also experienced the joy of growth. I was invited to join the Kawakamis in this evaluation, where we shared our joys and struggles together. “What is the ultimate joy of mission? When you are at your lowest, what do you do? What do you think of  the church look like in five years?” These were some of the questions that we considered together. Because both Japanese missionaries are BEM colleagues as well as personnel for whom BEM has visa responsibilities, serious discussion continued for about two hours.

 The “Thalys” is a super express train that enables a convenient overland trip from Brussels to Cologne and Dusseldorf. However, three years ago, there was a robbery at Brussels South Station that affected many people. I was one of those people.

 While visiting Cologne, I attended a house meeting of the Cologne-Bonn Japanese Church with Rev. Sasaki Ryoko. At its congregational general meeting in January, this church voted to extend its ministry until 2022.

 In the past, the Rheinland Church took responsibility for the salary of the missionary assigned to Cologne-Bonn Japanese Church. However, since the assignment of Rev. Saito Atsushi (from April 2012 to March 2015), the responsibility has been taken over by Cologne-Bonn Japanese Church, together with a support group.

 At the smaller Brussels Japanese Protestant Church, its support group has an even larger financial responsibility. However, the missionaries, their churches, and their support groups remain committed to Jesus’ command, “Therefore go and make disciples of all nations.” (Matt. 28:19a) (Tr. JS)

 

ベルギー・ドイツ出張報告    加藤誠

 2018年1月12日(金)から19日(金)にかけてベルギーのブリュッセルとドイツのケルン(Cologne)、デュッセルドルフ(Düsseldorf)に出張した。ブルュッセル日本語プロテスタント教会には、2017年4月から川上真咲、川上寧宣教師が赴任している。彼らを訪問し、礼拝の説教を担当した。さらに、受入れ団体であるBEM(Belgian Evangelical Mission)の「evaluation」に同席した。「evaluation」という言葉には重たい響きがあるかも知れないが、実際は丁寧なヒヤリングであった。

 BEMは主にイギリス人がベルギー人に福音を伝え教会を生み出す熱い宣教団体である。フランス語を習得し、外国人であるベルギー人に福音を伝える困難と孤独、そして喜びを知っている。だからこそ、川上真咲・寧宣教師と共に喜びと苦労を分かち合うために「evaluation」は行われ、私も参加が求められた。質問であるが「宣教の最大の喜びは?」「落ち込んだ時どうするか?」「5年後の教会の姿は?」等々であった。BEMとしては、お二人は宣教師仲間であると同時にビザの保証をする関係でもあるので、真剣なやりとりが2時間ほど続いた。

 ブリュッセルから陸路でケルン、デュッセルドルフに行くには特急のタリスを利用するのが便利であるが、3年前、ブリュッセル南駅の鉄道警察には置き引きの被害に遭った人たちが列をなしていた。経験者は語るである。

 ケルンではケルン・ボン日本語キリスト教会の家庭集会に佐々木良子宣教師と共に参加した。1月の教会総会では2022年までの任期の延長が可決された。かつてはケルン・ボン日本語キリスト教会に派遣された宣教師の謝儀はライラント州教会が負担した。しかし先代の齋藤篤元宣教師の時から謝儀は教会と支援会が負担することになった。教会の規模が小さいブリュッセル日本語プロテスタント教会では支援会の負担は更に大きい。しかし宣教師もその支援会も「すべての民をわたしの弟子にしなさい。」(マタイ28章19節)とのみ言葉を信じ喜んで従っている。

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