教会学校の夏期キャンプで毎年、鱒つかみを子供たちとする。川原にいけすを作って、そこに人数分の虹鱒が養魚場から運ばれてきて放たれる。これを子供たちと捕まえる。捕まえたものは昼ご飯の塩焼きとなる。塩が目一杯効いた虹鱒と、大きなおにぎりを川原で子供たちと頬張るのがここ毎年の恒例となっている。▼今年のいけす作りは、牧師と高校生とで担当した。いけすがあまり広く深いと魚は自由に逃げ回り捕まえにくい。そもそも囲いの石が隙間だらけでは魚も川に逃げていってしまう。指が入るような石の隙間でも鱒は頭を入れて逃げ隠れようとする。隙間なく、程よい広さと深さにいけすを作るのだ。この何年かでだいぶコツをつかんだ。川の流れは年によって一定でない。雨の多い年、少ない年でずいぶん違うし、直前の天候にも左右される。その分、年ごとの楽しみがある。今年も一尾も逃すことなく皆の胃袋に収まった。▼復活の主が岸に立たれ命じられた漁は大漁で、その網は破れず収穫を数え祝うことができたと言う。そのように伝道にて求道者を、牧会にて信徒、教職を一人も洩らすことなく、終わりの日の救いを目指したいのである。
今年も台湾基督長老教会(以下PCT)青年委員会が主催するI Love Taiwan Mission(以下ILT)が「君の名は」というテーマで6月28日~7月15日に行われた。ILTは海外教会との関係を更に深めるために現在PCT総幹事である林芳仲牧師を中心に2002年に立ち上げられた。
今年は参加者とスタッフを合わせて約120名。ILTの特徴は青年が企画、運営を行っている点である。始めの3日は国内外の青年が集いオリエンテーションを行い、その後10日間台湾各地の教会に派遣される。その後、再度全体で集まって報告会を行う。派遣教会の背景は様々で、都市や地方の違いだけでなく、民族等も異なっている。現地教会での奉仕を通して、国内外の青年が台湾の教会、文化、歴史、人々を更に知り、大きな出会いが与えられる。
教団も台湾協約委員会を通して2009年から青年を派遣している。今年も2名を派遣することができた。祈りと支えに感謝する。以下、参加者の報告を一部抜粋し掲載する。 (廣中佳実報)
参加者の感想
垣原希帆(枚岡教会)
私は、マレーシア、香港、アメリカからの3人の青年たちと共に、台湾中部彰化市にある竹塘基督長老教會に派遣されました。教会周辺は田んぼが広がり、近くに小中学校があります。夏季キャンプには教会の子どもたちを含め、80人以上の小学生が参加しました。夏季キャンプ中は毎日プログラム終了後の反省会と夜の祈祷会が1時間程ずつ持たれ、毎日就寝前には聖書の時間も与えられました。聖書を読み、信仰を共有し、御言葉を共に読みました。
これらの深く豊かな交わりを、同じ一人の神様を信じる信仰により集まった青年たちと共に持つことで、彼らは本当にキリストの名による兄弟姉妹だと実感し、本当の家族のように受け入れてくれた竹塘基督長老教會は、私にとっての台湾の家となりました。
私は今、実家を離れて一人暮らしをしており、大学近くの教団の教会に通っています。ここは母教会に比べて人数が少なく、特に青年は2、3人で、大学生は私一人です。ILT後、毎日読むようになった聖書と、一人でも声に出して祈るということに、大いに力付けられ第1回青年会を行うことが出来ました。共に聖書を読み、語り合い、祈り合えたのは、私や他の青年や教会にとっても大きなことでした。私は今まで自分の所属する教会を家だと感じたことはありません。それは信仰による交わりが少なかったからだと感じました。今後はILTで得た沢山の恵みと愛を基に、教会が日本の青年たちの家となるように、青年会での働きを積極的に行っていきたいです。
奥山京音(高槻日吉台教会)
私は台湾中部彰化市の路上教会で奉仕したが、この教会では2つの活動に参加した。
1つ目は、地域の高齢者にお弁当を届ける活動である。この地域は農家が多く、若者は他の地域に移住する。その結果、一人暮らしの高齢者が多くなっている。教会は見回りを兼ねてそれぞれの家を訪問している。
教会の青年たちは病院から買い取ったお弁当を、高齢者の家に届けて、挨拶をしている。こうして高齢者の小さなコミュニティーへ新たに「教会」を加えることで、彼らの体調面だけでなく、精神面にも良い効果があると思われる。
2つ目は、教会で子供の宿題を手伝う活動である。この地域には小さな子供が遊べる場所が少ないため、教会を開放して子供の居場所がつくられた。ここでは教会青年が子供の宿題の手助けをし、宿題の後は敷地内で遊んでいる。
ここでの遊びには、時に聖書のメッセージが込められており、遊びの中で子供は自然とイエスの教えに触れている。また、軽食の前には必ずお祈りをささげており、子供たちは自然に神に出会う。
実際これらの活動を日本で行うのは難しいと初めは考えた。しかし、大切なのは神に奉仕する心であることを、青年たちの行動を通して気づかされた。これらの活動が続いているのも青年たちの奉仕する意欲にある。私たちは、世の悩みに気を取られて大切なことを忘れてはいないだろうか。
第2回教師検定委員会が、7月31日~8月1日、教団会議室で開催された。今回は9月12~14日、大阪クリスチャンセンターで行われる秋季教師検定試験の準備に多くの時間を割いた。現在、補教師10名、正教師52名の願書を受付けた。併せて正教師転入志願者1名の審査を行う。
主から託された教団の大切な使命は、日本伝道のために教師を検定し、立てることである。受験志願者もその召命が問われるし、検定する側もまた、その召命が問われる。主から与えられた緊張感をもって準備に当たった。
既に課題として受験志願者より提出された旧新約聖書の釈義・説教、神学論文、組織神学論文の採点結果の確認をした。合格点に達しなかった受験志願者にはレポートを提出してもらう。更に、試験当日の補教師の一般宗教史・日本宗教史、旧新約聖書緒論、ギリシャ語初歩、旧約歴史、宗教教育、教憲教規・宗教法人法、旧新約聖書神学、組織神学、正教師の教憲教規・宗教法人法、旧新約聖書神学、教会史の試験問題を協議した。伝道・牧会して行く上で身に着けておくべき基本的な神学的内容を問う試験であり、そのことを通して伝道者としての召命を問う試験であること、また面接も召命を問う試験であることを確認した。
更に、受験志願者の資格審査、試験当日の委員の責任分担の確認、申請のあった受験志願者の受験費用援助に関し協議した。教師検定規則3条6号対象者(Cコース受験志願者)2名の認定面接を実施することを確認し、また、1名の受験志願者のCコース受験認定、受験科目認定を行った。
日本伝道のために教団として、いかに教師を検定し、立てるのかは、教団の根幹に関わることである。今後どのような教師検定を行うべきかは、教師養成制度検討委員会でも審議されているが、教師検定委員会としても継続して協議すべき課題である。 (井ノ川勝報)
今年も伝道推進室主催「教師継続教育『第8回夏期研修会』」が、8月15日から17日にかけて開催された。会場は、今年も厚意により日本聖書神学校であった。参加者は総勢67名(内、講師・スタッフ23名)であった。
主題は5年サイクルの中の「葬儀」とし、「教会における葬儀とは何か」を総主題として、7人の講師により主題に触れた講演を聞いた。特に、今年はトーマス・G・ロング著「歌いつつ聖徒らと共に」という書物を土台として葬儀を考えた。講師は、平野克己(代田教会牧師)、大住雄一(東京神学大学学長)、朴憲郁(同教授)、小泉健(同教授)、神保望(日本聖書神学校校長)、奥田幸平(葬儀社「輝」会長)、伊藤瑞男(隠退教師)の各氏で、ロングの著書の紹介、旧約・新約からの死と復活について、更には、実際の葬儀での体験や葬儀説教演習と葬儀社からの葬儀の実際を紹介してもらうなど、多彩な切り口で教会の葬儀はどうあるものなのかを学ぶ時となった。
夏期研修会は今年で7回目を数えるが、2013年から後援し続けてくれた教師委員会が今年は大きな働きを担ってくれた。経済的な後援だけでなく、朝夕の礼拝での説教を教師委員に一部担ってもらった。また、プログラムの中に「教師委員会との懇談」の時間を組み、参加者の自己紹介と共に、「自分が教師の課題として捉えていること」というテーマで参加者にそれぞれの労苦を語ってもらった。
この研修会が8回も続いたことは決して当たり前のことではない。教師として立つとき、自分が置かれた場所で主の栄光を現わすために課題を自覚し取り組むから労苦が生まれ、そこから逃げ出さない教師がここにいる。このことは、教団の希望の光でもある。
講演及び礼拝のCD録音は、参加できなかった方にも配付することができる(教団事務局まで、一部2千円)。 (宮本義弘報)
宣教協力学校協議会(Mission Schools Council・MSC)は、従来の宣教協力協議会(CoC)が2007年に発展的解消をした後に、その働きを引き継いだ団体である。その働きは、「日本基督教団を通じて来日する宣教師が、加盟学校法人の設置する学校においてその使命を果たすことが出来るようにするために必要な業務を行うほか、加盟学校法人間及び内外の教会・団体との間の宣教協力の進展に資する活動を推進することを目的とする」(規約第2条)とある。この目的にしたがって、2015年度より、宣教師支援業務に加えて、3つのプロジェクトを計画し、取り組んでいる。
第一に、「東日本大震災被災地の学校を中心とする中学生支援海外派遣プロジェクト」である。これは、米国日本人特別牧会(Special Ministry to Japanese・SMJ)主催のニューヨーク・シェルターアイランドで行われるディスカバリーキャンプに日本の中学生を派遣する取り組みである。これまでに、東北学院中学生(宮城)、宮城学院中学生(宮城)、ザベリオ学園中学生(福島)、公立学校中学生(福島)、遺愛女子中学生(北海道)を派遣してきた。このキャンプでは、アメリカと日本の小中学生が約10日間、聖書の学び、祈り、スポーツを通して「共に生きる」ことを体験する。また、日本からの中学生が東日本大震災の体験を証しすると水を打ったように集中して聞いてくれたとのことだ。このキャンプによって中学生が成長することを願っている。
第二は、「宣教師日本語習得支援プロジェクト」である。これは、故国を離れて日本のキリスト教学校に赴任してきた宣教師が日本語を学び、学生・生徒とより豊かなコミュニケーションができるようにと願い、その学習を支援するプログラムである。すでに5人の宣教師の支援をしてきた。
第三に、「宣教師不在校への宣教師出張礼拝プロジェクト」である。これは、宣教師のいない学校に宣教師を派遣し、礼拝の説教を担当する取り組みである。2016年度には、敬和学園高校(新潟)、新島学園高校(群馬)、大阪女学院中学・短大・大学(大阪)、山梨英和中学校(山梨)で実施し、2017年度には、酪農学園とわの森三愛高校(北海道)、東洋英和中高(東京)、清教学園高校(大阪)、福岡女学院中高(福岡)などで実施している。
今後とも、支援と祈りをお願いしたい。
(宣教協力学校協議会運営委員長・明治学院長 小暮 修也)
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