「イエス・キリストの名によって立ち上がり歩きなさい」とのテーマで、8月19~21日、御殿場の東山荘で行われた「教会中高生・青年大会2014」について、増田将平実行委員長より報告がなされた。また、山元克之実行委員作成のDVDによって大会の模様が伝えられた。増田委員長は「この大会が第32回教団総会の青年伝道決議の具体化であり、伝道・教育委員会と伝道推進室の共催、予算は、教育、伝道委員会から30万円ずつの支援があった他、目標680万の献金を募って行われた。講師は、青年・芳賀力東京神学大学学長、高校生・深井智朗金城学院大学教授、中学生・塩谷直也青山学院大学教授が担当し、基本的には、中学、高校、青年とプログラムを変え、特に分団を大切にした。また、スタッフ含め370名が集まり、全教区153教会からの参加があった他、在日大韓基督教会や台湾、韓国、アメリカ、ドイツ等からも参加者があった。更にこの大会を通して『洗礼を受けたい』、『伝道者となる決意を与えられた』と言う人がいた。青年たちが参加した仲間を通して、教団の各地の教会を知り、お互いに祈ることができたらどんなに良いかと思う。今後の幻について、参加者、スタッフの層が広げられ、内容が深められて行くことが必要。各教区の活動と連動することによって、教団全体の青年伝道が進むことを願っている。最後に、この大会を覚えての祈りと献金に感謝する」と述べた。
引き続き「東日本大震災救援募金及び被災教会復興支援と被災地支援活動」報告がなされ、雲然俊美教団書記が「東日本大震災救援募金の状況、収入の内訳、国内募金、海外募金、支出の内訳」等について説明し、プロジェクターにより、被災3教区の現状報告がなされた。奥羽教区・邑原宗男議長より「一関、江刺、新生釜石、千厩、大船渡の各教会の会堂・牧師館、幼稚園、保育園の建築状況、宮古は工事全般で苦慮していること」等の報告、東北教区・小西望議長より「いずみ愛泉、安積、角田、岩沼、郡山、郡山細沼、三春、磐城、常磐、仙台ホサナ、仙台長町、川俣、鹿島栄光、中村、白石、福島新町、名取、勿来、仙台広瀬河畔、福島の各被災教会のうち17教会が会堂・牧師館の補修、建築完了。小規模教会が疲れ、ダメージをもってこれから返済に向かうのが課題。また、放射能汚染で立ち入りが制限されている浪江、小高の各伝道所の状況、東北教区放射能問題支援対策室『いずみ』」等の報告、関東教区・秋山徹議長より「桐生東部、原市、甘楽、益子、水戸自由ヶ丘、伊勢崎、宇都宮、水戸中央の各教会の会堂の補修、建築完了、宇都宮上町はこれから新しい場所に会堂建築」等の報告、飯島信救援対策担当幹事より、「東北教区センター、エマオ仙台、エマオ石巻、ハートフル釜石、こひつじキャンプ」等の報告がなされた。
以上の報告を受けて、石橋秀雄議長は「祈りと献金に支えられ、被災者支援、教会・牧師館復興ができたことを感謝する。ボランティアの青年たちの中で、悲しみから生き方を変えられた者があり、また教会から献身者が起こされた。仮設住宅に未だおられる方々の大きな痛みに祈りを深めている。『いずみ』への支援を覚えてほしい。会堂建築、大規模補修が進められているが、各教会の返済の重荷をどのように軽減していくかが課題である。9億5百万円の献金がささげられているが、目標額10億円まで、なお献金を」と呼びかけた。 最後に、伊藤瑞男副議長が祈りをささげた。(松本のぞみ報)
解放劇『人間の言い伝え』
2日目の夜には恒例、部落解放センター解放劇「人間の言い伝え」(脚本・演出/川上穣)が行われた。
今回は教会の青年に対し行われた身元調査が問題となる劇だった。教会役員・斉藤の息子「はじめ」は、同じ教会の「ことは」と交際している。「ことは」は、自分が部落出身であることを問題が起こるまで知らなかった。
斉藤役員夫妻は、「はじめ」の交際相手の出身のことが心配で「ことは」の身元調査を行う。教会員が身元調査を行ったことを問題と考えた三上牧師は、部落差別問題について研修会を開催した。斉藤役員は、父親として息子が結婚するかもしれない相手の身元を調査するのは当然と強く反発し、クリスチャンとして落ち度は全く無い、と自負する。
研修会で啓発されて「はじめ」も身元調査を行った父にささやかな抵抗をするが、父は調査を行ったことの非を頑として受入れない。斉藤氏の強硬さの背後には妻けい子の猛烈な反対もある。
「ことは」は、人権センターにスタッフ・松永を訪ねて部落出身であること、教会に起こっている差別について相談する。松永も自分の身の上を話しながら相談に乗る。教会では、牧師、役員、青年たちの激論が交わされるが出来てしまった溝は埋まらないまま。一旦は「ことは」も教会を去ることも考えるが、なお留まることが必要と決心をする。彼女と両親に挟まれて弱腰だった「はじめ」も、しどろもどろながら「ことは」を支える決心を語ることができるようになってゆく。
教会研修会の場面では、スライドによって簡略ながら部落差別の歴史や実態を映し出して観客も一緒にレクチャーを受ける等の劇進行は新鮮だった。約1時間ほどで15場面以上変わる目まぐるしい展開だったが、教会青年を巡る差別問題、牧師と役員の対立、未解決だが次の一歩を、という前回同様の物語の運びだったのでついてゆくことが出来た。
前回の解放劇で飲み屋の女将の立ち回りが、今回は人権センタースタッフであることに象徴されているように物語の対立軸も着地点もパターン化した劇に陥っていなければ良いが。演題「人間の言い伝え」、聖句・マタイ15章7〜9節を案内チラシに掲げた。主イエスが偽預言者を厳しく批判なさる言葉だ。厳しく批判されている人間の言い伝えとは何か。(新報編集部報)
全国信徒会45年ぶりに再結成 第5回信徒交流の集い
総会2日目の議事終了後、信徒交流の集いが開催された。35回総会以来、恒例となった行事だが、5回目の本年は「全国信徒会再結成・発起人会」と装いを変えて行われた。
来賓挨拶で石橋秀雄教団総会議長は、「今総会、教団は『伝道する教団の建設』を掲げたが、伝道は何よりも、信徒の力によって進めることが出来る。その意味で、全国信徒会の再結成は、教団にとって大きな喜びだ」と語った。
江本義一議長(大阪)、稲松義人書記(東海)によって議事が進められ、第1号議案「発起人登録者をもって再結成する」から第6号議案「再結成第1回総会開催」までの全議案を可決して、全国信徒会が再結成された。会長に望月克仁(神奈川)、副議長に津村正敏(兵庫)、鈴木功男(東京)を選出。出席者72人、発起人は当日現在、東北から沖縄までの11教区、119人となっている。
この日、発言した何人かが、09年11月、プロテスタント日本伝道150周年記念信徒大会(東京山手教会)に言及し、「あの日、全国から参集した954人の熱気が、全国信徒会の再結成に結実した」と語ったのが印象的だった。
全国信徒会は、教団成立の1941年結成され、戦後の47年、再組織されたが、69年、教団紛争によって実体を失っていた。2002年、東京信徒会が設立されて、活動を続けており、東京信徒会を中心に全国信徒会再結成の準備が進められて来た。 45年ぶりに再結成された全国信徒会は、「主にある一致」「賜物の分け合い」「会員相互の交わり」を通して、教団の福音伝道推進に寄与することを目的とし、隔年に1回、教団総会の行われない年に総会を開くこととした。第1回総会は15年6月に東京で、以後、東西交互に開催する。
(永井清陽報)
韓国基督教長老会
チェ・プオク副総会長
ファン・ヨンデ議長、リ・ホーソン副議長、ベー・テジン総幹事から、宜しく。
47年に亘って、韓国基督教長老会は、貴教団とパートナー関係を築き上げることができ感謝している。貴教団が1967年に韓国三教会と協約を結んで下さり、共に発展することが出来た。
3年前に東北地方で起きた、地震・津波・原子力発電所事故の際、大韓イエス教長老会、基督教大韓監理会と共々、貴教団と深い連帯で結ばれた。また復興プロジェクトでの協力、支援のとりまとめを行い、被災地の方々に寄り添うこともできた。私たちの教団は南北統一のために毎週月曜日に祈祷会をはじめた。また、セウォル号沈没事件での犠牲者遺族のために、慰めと平安を祈り、事件の調査を徹底的に行えるよう動いている。祈りに覚えていただきたい。
台湾基督長老教会
チェン・ウェンジェン副議長
貴教団と台湾基督長老教会(PCT)は永きに亘り宣教パートナーとして旅して来た。喜びと悲しみの時を共にする中で、関係が深められてきた。三つの経験を分かち合いたい。一つ目は、PCTは2010年から「一人が一人に」の宣教運動を開始した。信徒たちが、霊的に養われ、奉仕、宣教、より良い関係の構築を経験するためである。二つ目は、「神を愛し、隣人を愛しなさい」との最も重要な掟を生きるべく、信徒たちが献身、献金、力を献げる生活になるように計画を実施している。三つ目は、「あなたがたは行って全ての民を弟子にしなさい」との使命に関することである。PCTの宣教は1864年から始まって、病院、学校の設立、社会奉仕も行って来た。1970年から、人権、社会正義に努めて来た。PCTが、台湾人と共に喜び、共に泣いて暮らすことにより、教会は、台湾人の希望になる。
最後に、来年はPCT創立150周年であり、お祝いの行事がある。記念式典に、参加していただいたい。
大韓イエス教長老会
チェ・ヨンナム副総会長
3年半前に東日本に起きた大地震、津波、原子力発電所による放射能流出に対して、残念な気持ちを禁じ得ない。日本国民がこの苦しみから、神の愛によって癒されることを願っている。貴教団主催の「東日本大震災国際会議」に参席し、私たちも核問題に対する警戒心を持つことになった。昨年行われた、世界教会協議会(WCC)第10回釜山総会への御教団の参加に感謝する。私たちは、2012年から2022年まで「癒しと和解の生命共同体10年」というビジョンをもち、世に神の正義や平和が実現されることに励む。来年2015年、太平洋戦争が終わって70周年を迎える。東北アジア地域における平和と、南北の平和統一のために努力していく。貴教団も「ヘイトスピーチ」などに苦しんでいる在日韓国人のことを理解し、助けることをお願いする。
合同メソジスト教会
小海 光宣教師
合同メソジスト教会監督代表ローズマリー・ウェナー、世界宣教部総幹事トマス・ケンパー、並びに、世界4万の教会に代わり、キリストにある平和の挨拶をお伝えすることが出来る祝福を感謝する。
合同メソジスト教会は、その前身である米国メソジスト監督教会の時代より、日本伝道、宣教活動への召命を受け、1873年、初代の宣教師ロバート・マクレイを送りだして以来、教会はもとより、学校、社会福祉施設を通して、キリストの福音と愛を伝えるために仕えて来た。多くの宣教師の活動の過程で、日本基督教団との関わりと、信頼があったことは言うまでもない。現在も、合同メソジスト教会から派遣されている宣教師12名は、日本各地でミッション活動に取り組んでいる。東日本大震災では、各地から集められた献金を、篤い祈りと共に、教団を通して送らせていただいた。将来に向けての私たちの祈りは、2005年の日北米宣教協力会解散の後切れていた、日本基督教団と合同メソジスト教会との間の宣教協約関係を回復し、ミッションパートナーとして、日本の地で主なる神の御業のために仕えて行くことである。
連帯福音宣教会
ユルゲン・ライヒェル総幹事(代読:サビーネ・クルーガー宣教師)
連帯福音宣教会(EMS)の交わりはまず祈りの共同体としてある。ガーナ、インド、韓国、その他、多くのEMSのメンバー教会が貴教団と思いを共有し、団結して祈っている。
今年7月に貴教団が示した大いなる歓待と友愛は心に強く残っている。日本の教会とEMS所属する教会の絆が2世代にわたって築き上げられて来た。悲しみと喜びを共にし、新しい試みに目を向けようとしてきたことが、私たちを強く結びつけた。
EMSは、東日本大震災の後、貴教団の牧会体験の実話から、多くのことを学んだ。神と人・自然・文化との結びつきへの私たちの理解を強めた。東日本大震災国際会議で採択した“仙台宣言”を広めるために、2015年6月に予定されているドイツ教会大会で貴教団の座席を確保した。EMSの多くの教会が、復興のために祈りを合わせている。
シリアで傷ついた子どもたちへの支援を感謝する。EMS議長マリアンヌ・ワーグナーとともに、聖霊のみ名によって、日本の人たちと教会への挨拶とする。
在日大韓基督教会
チョー・ジュンレ総会長
リ・キョンエ総会長夫人
主にある兄弟姉妹と日本基督教団の上に主の豊かな恵みと導きがあるよう祈る。私たちを取り巻く状況は、悪い方に変化している。特にヘイトスピーチの問題は深刻である。人種差別的な扇動が繰り返されている。在日大韓基督教会はこの問題に対処するため、世界教会に呼びかけ、2015年11月に第3回マイノリティ問題と宣教戦略国際会議を開催する予定である。小さな教団である私たちにとって大きなチャレンジとなる。協力をお願いする。
1984年に結ばれた宣教協約関係は、30周年を迎え、記念式典を行うことが出来た。これまでの歩みが信頼関係を積み重ねる歩みであったならば、これからの歩みが、神の平和を担い実践して行くものとなることを信じる。
アメリカ合衆国長老教会
イム・チュンシク東アジア担当幹事
ウイリアム・モア宣教師
アン・モア宣教師
第221回総会の議長、ヒース・ラダ長老から宜しく。アメリカ合衆国長老教会は、貴教団との協力を極めて大切な関係と位置づけ、共に成し遂げた宣教の働きに感謝をささげる。この信仰の旅路を日本の兄弟姉妹と共に続けられるよう、楽しみにしている。時が良くても悪くても強固な連帯と協力を目指し、私どもは貴教団を支え続ける。神の家族とは、地理的な距離や歴史的なへだたりにも妨げられない、聖霊によって息吹を吹き込まれ、強い絆で結ばれた家族だからである。神の御栄えのため、貴教団が豊かに祝福されるよう祈る。
日本キリスト教協議会
小橋孝一議長
「伝道に熱くなる教団」、「伝道に燃える教団・教会」、そして今回は「伝道する教団の建設」と、はっきりとした目標を掲げて歩んでいる日本基督教団に、心からの賛同と深い敬意を表す。NCCは、これからも共通する目標に向かって共に歩んでいきたいと願っている。
NCCの使命は、日本の諸教会、キリスト教諸団体が「共に歩む」ことに寄与すること。互いに信頼関係を築いて「共に進む」ことが重要になっている。伝道、社会での発言・活動、国際関係において、共に担うべき課題は山積している。日本基督教団がどのような歩みをするかは、重要な意味を持っている。
この総会が御言葉に聴き従った協議と決定をし、日本基督教団と日本のキリスト教を更に前進させる総会となるよう、心から祈る。
※欠席教会からの挨拶
シンガポール長老教会
ウォン・ポクイーン幹事
3・11の津波以降、私たちは日本基督教団が日本の教会と信徒をまとめるための惜しみない努力をする様を見て来た。私たちも国家の復興と救済に尽力して来た。伝道は一日にしてなるものではない。長期に神の道に導くことが目的である。貴教団が助けを必要としている人々へ愛を注いで来たように、私たちもまた貴教団が信仰をより篤くし、主の救いに与ることを祈っている。
オーストラリア合同教会
ロブ・フロイド総幹事
プレジデントのドクター・アンドリュー・ダトニー牧師、総幹事のテレンス・コーキン牧師、合同教会信徒に代わって挨拶する。オーストラリア合同教会は、日本基督教団とのパートナー関係を重要視している。私たちは将来においても、貴教団との連帯とパートナー関係を持ち続けるだろう。今回は代表をお送り出来ないが、総会が主の霊によって導かれますように。
スイス・プロテスタント教会連盟
セルゲ・フォルネロート幹事
スイス・プロテスタント教会連盟会長ゴットフリート・ロヒェ牧師に代わり、教団総会へのお招きに感謝する。参加出来ないのは心苦しい。貴教会が祝福され成功裡に終わるようお祈り申し上げる。
ドイツ福音主義教会内の福音主義合同教会
ぺトラ・ボッセ=フーバー監督
総会が良い成果をもたらしますように。福音主義合同教会は、貴教団と教会共同体の交わりが与えられ、感謝している。3年前の深刻な放射能汚染に直面する困難で苦しい状況を存じ上げつつ、貴教団が後遺症を乗り越えて歩みを進めなければならないのがどれ程難しいか、理解している。このような挑戦的な状況においても、教会の働きをなさる方々の熱意と勇気には尊敬の念を禁じ得ない。この働きをした方々皆が抱く洞察を他の教会に伝える使命がある。御働きに神様の祝福と御導きがあるように。
(嶋田恵悟報)
12:1 その日には、あなたは言うであろう。「主よ、わたしはあなたに感謝します。あなたはわたしに向かって怒りを燃やされたが/その怒りを翻し、わたしを慰められたからです。
12:2 見よ、わたしを救われる神。わたしは信頼して、恐れない。主こそわたしの力、わたしの歌/わたしの救いとなってくださった。」
12:3 あなたたちは喜びのうちに/救いの泉から水を汲む。
12:4 その日には、あなたたちは言うであろう。「主に感謝し、御名を呼べ。諸国の民に御業を示し/気高い御名を告げ知らせよ。
12:5 主にほめ歌をうたえ。主は威厳を示された。全世界にその御業を示せ。
12:6 シオンに住む者よ/叫び声をあげ、喜び歌え。イスラエルの聖なる方は/あなたたちのただ中にいます大いなる方。」
佐川俊也氏(隠退教師)
14年9月30日逝去、86歳。東京都に生まれる。55年日本聖書神学校を卒業。60年より川崎境町教会で牧会し、04年に隠退。
遺族は妻・佐川眞弓さん。
福島聖二氏(白岡伝道所主任担任教師)
14年10月6日逝去、83歳。埼玉県に生まれる。53年青山学院大学基督教学科卒業。56年より熊谷、和戸、久美愛、朝霞教会を経て、85年より白岡伝道所を牧会。
遺族は妻・福島英子さん。
総幹事室より
各教区総会を終えて
日本基督教団は17の教区を持ち、
教団総会議長、副議長、書記、そして総幹事の4人は、
多くの教区で教団4役は問安使として受け入れられているが、
私自身は今回約40年ぶりに沖縄教区総会を訪ねた。
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