インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
calendar

エレミヤ書33・14~16

2014年11月30日

33:14 見よ、わたしが、イスラエルの家とユダの家に恵みの約束を果たす日が来る、と主は言われる。
33:15 その日、その時、わたしはダビデのために正義の若枝を生え出でさせる。彼は公平と正義をもってこの国を治める。
33:16 その日には、ユダは救われ、エルサレムは安らかに人の住まう都となる。その名は、『主は我らの救い』と呼ばれるであろう。

2014年11月29日

 第39回教団総会は、教区活動連帯金、伝道資金を巡る議論に多くの時間を割いた。教区活動連帯金検討が総幹事に委ねられて以来、3総会期に亘り常議員会は継続審議、今総会にて連帯金廃止を決定し、新たに伝道資金規則を制定した。15年度より運用開始する。制定された規則に則り伝道に資する資金として用いることが、今総会期からの大きな課題となる。会期中、報告会を持った東日本大震災救援対策、青年伝道も次のステップに進まなくてはならない。

 

新副議長に佐々木美知夫氏

石橋秀雄議長・雲然俊美書記再選

 「伝道する教団の建設-信仰の一致に基づく伝道の推進」を主題に掲げて、第39回教団総会が10月28日から3日間、東京・池袋のホテルで開催された。総会議員400人中、開会時374人が出席。沖縄教区は、34回総会以来、連続して議員を選出しなかった。

 石橋秀雄議長は、議長報告で、「伝道は一致して取り組まなければならない。信仰の一致と教会の一致、教団信仰告白・教憲・教規において一致し、『伝道する教団の建設』が教団の重要課題だ。教団は未受洗者配餐を認めることは出来ない。教会は礼拝共同体であり、伝道共同体であり、聖餐共同体だ。これらは一体であり、切り離すことは出来ない」と報告した。

 続いた総幹事報告で、長崎哲夫総幹事は、「東日本大震災募金は、国内9億584万3111円、海外3億7221万9644円(10月20日現在)に達した。日本キリスト教会館の耐震問題で、教団3局は、7月、新宿区大久保に一時移転したが、10月の第6回常議員会で、耐震補強工事案が承認された」と述べた。

 総幹事報告に対し、安田信夫議員(大阪)が「38回総会で、議員でない者が常任委員に選ばれ、今総会に会計監査の1人として監査報告を行っている。教規違反ではないか」と質問した。長崎総幹事は、「確かに、議員でない岩澤嵩氏を、前総会で常任委員に選任していた。遺憾なことで深くお詫びしたい」と陳謝した。この処理について、議長席からの「岩澤氏の2年間の働きを認めることをここで議決したい」との発言に、満場が大きな拍手で応え、この問題は落着した。

 1日目夜行われた議長選挙で、石橋秀雄議長が再選された。
 石橋秀雄  203票
 邑原宗男  142票
 佐々木美知夫  7票
 柴田もゆる   3票
 木下宣世    2票
 岡本知之、久世そらち、
 倉橋康夫、雲然俊美、
 菅根信彦、中村公一、
 西岡昌一郎、張田 眞、
 古谷正仁
 各1票
 (投票総数370、無効4)

 石橋議長は、「再び議長に選ばれたことを重く受け止めている。37回総会の『伝道に熱くなる教団』から38回『伝道に燃える教団』と訴えて来た。そこから更に、信仰の一致に基づく伝道の推進へ向かうように、祈り、お支え頂きたい」と挨拶した。

 続いて行われた副議長選挙は、36回総会期に副議長を務めた佐々木美知夫議員(東海)が副議長に選出された。
 佐々木美知夫195票
 邑原宗男  106票
 柴田もゆる  45票
 雲然俊美    6票
 伊藤瑞男    5票
 岡本知之    3票
 高橋 潤、古谷正仁
 各2票
 嵐  護、大村 栄、
 瀬谷 寛、保科 隆
 各1票
 (投票総数371、無効3)

 佐々木副議長は、「副議長の務めに選んで下さったことに畏れを覚えつつ、主の御旨があると信じて、議長を助けることに徹して行きたい」と挨拶した。

 書記は、慣例に従い、正副議長協議で提案した雲然俊美書記を議場が承認し、再選された。雲然書記は挨拶で、「書記の務めは会議を整えることだが、教団会議は、教会の会議なので、キリストのご支配にある。諸教会の祈りとお支えを得て務めて行きたい」と述べた。
2日目午後行われた常議員選挙では、新人議員が7名誕生し、教職14名中4名、信徒13名中3名が入れ替わった(再20、新7)。
(永井清陽報)

 

選挙方法をめぐり議論

 36回総会以来、連続して争点となって来たのが、常議員選挙の選挙方法で、今総会でも争点の一つとなった。議案6号「予備投票を行わず、全数連記投票」(常議員会)に対し、斎藤成二議員(大阪)が、議案44号「半数連記投票」を提案。同議案の先議から議論が始まった。

 「合同教会と言いながら、議場の4割の意見が否決されて来た。4割をゼロとしないために、半数連記は必要」との提案理由に対し、「10年前の総会は、野次、怒号が溢れて会議にならなかった」「今、常議員会は礼拝をもって会議を始められるようになった」という反対。「3名連記の時代もあった。異なる意見を排除しないため、せめて半数連記を」「反対派を排除する組織は、力が弱まる」の賛成と意見は噛み合わなかった。

 動議が成立、無記名投票の結果、投票総数374(有効371)賛成162、反対209で否決され、常議員選挙は、37回総会以来、3期連続、全数連記制で行われた。

 選挙方法では、安田信夫議員(大阪)提案の議案48号「教規第1条第3号改正」でも、同様の議論が展開された。議案は「教団総会の推薦議員30名中、3役・常議員・常任委員への選出可能人数を7.5%」とするもので、「38回総会では、推薦議員7名、21%が選出され、余りにも多すぎる。最大限2名まで」を提案理由としている。

 「教規第1条は、議員組織に関する規定なので、本来、議員全体に被選挙権がある」「教規の変更というのに、思い込みが強すぎる。21%の選出で、何か問題が起きたのか」の反対。「教団が発展するには、少数派が必要。少数派を守るために、こういう制限も仕方ないのではないか」の賛成など、議論は平行線をたどった。教規変更には、3分の2以上の同意が必要だが、投票の結果、投票総数368、賛成129で少数否決となった。(永井清陽報)

 先日、牧師同士で旅の話になった。時間をやりくりし費用を工夫してじょうずに国内外の旅に行く牧師もいる。君はどこに行きたいか、と問われて困ってしまった。あまり行きたいと考えていなかったからだ。元々、出不精なせいで必要が無いと旅に出る腰も重い。教会学校のキャンプ、新報の取材、目的がはっきりしていれば重い腰も上がる。▼そうなら夫婦で、家族で美しい自然、日常とは異なる文化、社会に触れ、ふだん口にすることのない食事を楽しんだりは大切な目的じゃないの、と家族の声が聞こえてきそうだが。夏冬に元気な様子を互いに確かめ合うため実家に行くというのがここ最近の家族旅行だ。▼タスクをひとつひとつ消化してゆく毎日が旅にも思えるので非日常を求める旅を欲さない、と言ったら強がりか。日常が旅という考え方をどこで身に着けたか思い直してみるに、聖書、教会に出会ったことに源がある。聖書が記す旅する神の民、教会に自分も取り込まれてある、と信じられるようになってからだ。▼アブラハムは行く先を知らず旅に出た。パウロは福音を携え地中海世界を行き巡った。小さな書斎に篭って目の前の仕事を決して器用にではないが、ひとつひとつ積み重ねてゆくことに旅を見るのも愉快と思えるが。やはり強がりだろうか。

 常議員会提案「教区活動連帯金廃止」「伝道資金規則制定」議案に関連し、審議方法を提案する「連帯金廃止・規則制定統合審議」議案(提案・小西望議員〔東北〕、賛同59名)、対抗議案として「連帯金推進」議案(提案・京都教区)がまず先議された。

 常議員会が「廃止」「制定」を2議案で提案したのに対し、小西議員は、両議案を統合し一つの議案とし審議することを提案した。提案理由を「連帯金廃止を可決し規則制定を否決する場合、教区間財政互助制度を失い、教区互助制度等は困難に陥り地方小規模教会が打撃を受ける」とした。賛否討議し挙手にて採決、370名中賛成171名で統合案を否決した。

 「連帯金推進」議案は、伝道資金規則を制定せず、今後も教区活動連帯金を推進し、規則新設、全教区の参加義務づけを提案している。井上勇一議員(京都)が議案を説明「伝道資金の配分方法の公正性、緊急性、妥当性の確保が課題である。現状では連帯金制度化、全教区参加によって制度を深めるべきである」とした。賛否討議ののち無記名投票にて採決、375名中賛成166名、反対208名で推進案を否決した。

 先議2議案を否決したのち「教区活動連帯金廃止」議案を上程、審議した。提案理由を「教区活動連帯金運用には当初より規定はなく、教区間の話し合い、配分協議会は配分だけでなく拠出をも決定。教団総会に会計・運営報告はなかった。連帯崩壊を理由に脱退・留保・協議不参加教区が生じ、配分委員会は総幹事に打開策を委託。常議員会は検討委員会を設置し、3総会期に亘り継続し審議した結果、教区活動連帯金は実質立ち行かなくなっていると判断した。各教区の主体性、自主性を尊重し、教会間、教区間の相互信頼に基づいた制度を作るため連帯金を廃止する」としている。

 質疑は、検討委員会への検討委託内容、有志運動廃止の意味、教区の連帯金継続意思の尊重等が挙げられた。討議では、廃止反対意見として「地方教会への影響が大きい」「総幹事への委託事項と異なる」「崩れた連帯を建て直すべき」等。賛成意見は「連帯金使途、収支が教区間で統一していない」「廃止決議により伝道資金制定議論が深まる」「連帯は自明ではなくなった」「制度的位置づけがない」「拠出受入が相殺される教区には連帯が真剣なことにならない」等。挙手にて採決、366名中197名賛成にて廃止を可決した。

 連帯金廃止を可決し「伝道資金制定」議案を上程した。規則は13条に亘る。資金原資は教規第153条による負担金額に付加して納付されるものおよび献金とし特別会計を設ける(第2条)。納付される金額算出は、全教会の経常収入総額の0.5パーセントを教区現住陪餐会員数比率により各教区に賦課する(第3条)。資金は教会への「伝道交付金」、教区への「伝道方策交付金」、教会土地取得のための「貸付資金」となる(第4条)。

 原案への質疑は、伝道交付金の使途、申請審査内容、運用指針位置づけ、運用開始時期、規則制定の教規上根拠等が挙げられた。

 原案に対し修正が提案された(提案・柴田もゆる議員〔西中国〕、賛同25名)。原案が伝道交付金を「教区の申請によって交付する」(第6条)としているのを「所定の計算式に基づき各教区に交付する」とし、また原案で交付・貸付申請の審査を行なう伝道資金小委員会を伝道委員会の下に組織する(第11条)のに対し「小委員会は常議員会の下に組織する」と修正を提案している。柴田議員は「所定の計算式、14年度連帯金配分計算式を用いることで教区の小規模教会援助が安定的に財源確保でき、審査過程は直接常議員会に報告される」と説明した。

 柴田修正案(修正案1)に対し、大村栄議員(西東京)から更に修正が提案された。大村修正案(修正案2)は、教区申請(第6条)は原案のままとし、小委員会を、修正案1と同じく、常議員会の下に位置づける、という提案。

 再修正提案、討議ののち採決し、修正案1を366名中賛成128名にて否決、修正案2を賛成188名で可決した。

 再修正を経た規則により2014年度に小委員会設置、各教区申請受付け、審査、15年度交付となる。(新報編集部報)

 

負担金算定新方式について議論

 2015年度予算案審議では、新しい負担金配賦額計算方式の導入が議論となった。従来、配賦額計算に経常収支差額と現住陪餐会員数比率を用いてきたものを、新方式では、経常支出と、現住陪餐会員数の多少及び経常支出の多少による調整を用いる。新方式では9教区減額、8教区増額(14年度比)となる。14年度同額の負担金総額2億6千万を計上する予算案を可決した。

 「特定秘密保護法廃止を求める声明」(神奈川教区提案)が動議にて先議された。「教会が声明を出すには手続きがある」との反対意見があったが346名中204名の賛成で可決した。

 北村教師戒規に関連し免職処分撤回を求める2議案は、「教規に抵触する議案だから」(石橋議長)と、上程しなかった。

 「改定宗教法人法再改定を求める要望書」(京都教区提案)は、宗教法人法改定(95年12月)が信教の自由、政教分離の原則に違反しているとして再改定の要望書提出を提案している。336名中204名賛成により可決した。

 「合同のとらえなおし実質化」(兵庫教区提案)は、2010年度からの宣教連帯金減額分を沖縄教区に送付すること、沖縄教区の教区規則改定申請(伝道所信徒の教区総会議員資格)手続を行うこと、沖縄の基地強化に否を表明することを提案している。閉会までの限られた時間で「宣教連帯金減額は根拠がない」「教区規則変更等、沖縄教区が直接教団総会に出席し説明すべき」の賛否意見が述べられ採決、340名中141名賛成により否決した。

 兵庫教区議案を除いた沖縄教区関連4議案を含め、計12議案が時間内に上程できず廃案となった。(新報編集部報)

 総会中3つの礼拝を献げた。

 初日、開会礼拝は「ただ主にのみ望みをおく」(イザヤ40・27〜31、マルコ10・23〜27)と題し、木下宣世牧師(東京・西千葉教会)が説教した。

 「9月には満75歳の兄弟姉妹にイザヤ40・31を記した写真集を贈る。身体が弱り痛みや疲れを覚える人たちにとって御言葉は慰めとなる。しかし、新たに力を得、という御言葉には注目するが、主に望みをおく、には注意を払わないのではないか。キリスト者ならば当然と思っているが、本当に主に望みをおいているか。主に問われている。〈伝道する教団の建設〉においても神に信頼する、主に望みをおく信仰が求められている。

 捕囚の民は誇りを打ち砕かれ、異教の地で屈辱を受け困難にあった。解放と祖国帰還を祈ったが落胆し絶望していた。その民に、イザヤは、主なる神は生きておられる。万物の創造主、全知全能の神、永遠にいます方に望みをおきなさい。主に望みをおいてよい、と呼びかける。日本基督教団も困難、課題、厳しい現実の中で、ただ主に望みをおき前進したい」。

 2日目、逝去者記念礼拝では、村田元牧師(関東・群馬町伝道所)が逝去教師・宣教師の氏名を読み上げ、「主の召しに応えて」(1コリント9・19〜27)と題し説教した。

 「〈愛するということは、相手のために変わる能力である〉(精神科医・柏木哲夫)。クリスマスに読みイエス・キリストを思い浮かべた。まことの神である方が、まことの人の子となられた。その生涯は仕えるため、自分の命を与えるためだった。

 パウロは相手のために変わると繰り返す。相手のために変わるエネルギーは、教会を迫害したパウロを、復活のイエス・キリストが愛してくださったことに応えようとしているからだ。パウロは、キリストに仕える歩みを喜びとして引き受けた。

 召された教師の方々もキリストの召しに応え仕える者となり、キリストの恵みに応えて、多くの人々の魂を救うため仕える者として生涯を全うした」。

 3日目、聖餐礼拝では、真壁巌牧師(西東京・相愛教会)が「神の招きにふさわしく」(エフェソ4・1〜6、14〜16)と題し説教、聖餐を執行した。

 「32回教団総会では8割近い賛成を経て西東京教区が設立された。まことの主の御体である教会の枝として伝道で一致する教区として設立した。

 主は困難、伝道の大変さを知られたうえで伝道、宣教へ派遣してくださる。主に結ばれて〈霊の一致〉による力が与えられ伝道のため祈りを篤くする。

 主の招きを受けて、キリストにより、体全体は、あらゆる節々が補い合うことによってしっかりと組み合わされ、結び合わされて、おのおのの部分は分に応じて働いて体を成長させ、自ら愛によって作り上げられてゆく。

 共に被災地の諸教会を覚え、恵みを共有し、世界が直面している問題を覚え、福音を携えていく、主の御体へと形成されていきたい」。
(新報編集部報)

PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2025
The United Church of Christ in Japan