中学生 青山学院大学准教授 塩谷直也
高校生 金城学院大学教授 深井智朗
青 年 東京神学大学学長 芳賀 力
教会中高生・青年大会において、中学生、高校生、青年と3名の講師が立てられ、1日目、2日目とそれぞれ2回の講演があった。
中学生講演では、塩谷直也氏(青山学院大学准教授)が講師として立てられた。
講演冒頭、ゲームをしながら、目を開けること、心を開けることの大切さに触れ、共に3日間を過ごす仲間を見出すよう促した。また、おでん屋を舞台にした人形劇によって、大きな荷物を背負った旅人とサラリーマンのやりとりを演じつつ、「信仰とは重荷がなくなることではなく、重荷を共に背負ってくださる方を知ること」だと語った。
2日目は、講師自ら描いた絵本が用いられた。「自分という楽器の演奏を誰にしてもらうのか」という問いかけがあり、洗礼を受け信仰者として歩むことは、親でも、先生でも、恋人でも、自分自身でもなく、楽器の演奏者としてイエス様を迎えることであるとのメッセージを語った。
ゲーム、人形劇、絵本と趣向を凝らして、キリストと共に歩む人生へと招く講演であった。
高校生講演では、深井智朗氏(金城学院大学教授)が立てられた。
講演Ⅰでは「自由と奉仕」と題し、「自由とは何か」について、「~からの自由」「~への自由」という2つの自由を語った。私たち人間は自由になったあとで、自由の使い方を間違えると、再び奴隷状態に戻ってしまうことに触れ、「解放としての自由ではなく、与えられた自由をどのように使うのか」が大切であること、聖書の十戒より「自由の訓練」が必要であることを語った。ガラテヤの信徒への手紙5章1節、13~15節により、まことの自由を得させてくださったキリストのために、その自由を使う道を示した。
講演Ⅱでは「後世への最大遺物」(内村鑑三『後世への最大遺物』〈岩波文庫〉より)と題し、「与えられた人生をどのように用いるのか」との問いと共に、賜物、カリスマについての話があった。
「自分を知る」とは、「私を私以上に知っている神」、「神に知られている自分を知る」ことであり、キリストによる神の自己犠牲により、生かされている自らを知ることであると語った。更には、キリストによって与えられた人生であることを知らされた以上、それに応える生き方へと呼ばれていると結んだ。
青年講演では芳賀力氏(東京神学大学学長)が立てられた。
講演Ⅰでは、アブラハム、ヤコブの生涯から、信仰者の歩みが巡礼の旅であることを示しつつ、信仰生活が旅の中で、主と出会い、「自らが、大きな文脈の中に置かれていることを知らされることである」とした。その歩みは、「行くあてのない逃走的なノマドではなく、神の約束に向けて神と共に旅をする、巡礼的なノマド」であると語った。
講演Ⅱでは、ヤコブ、モーセの物語に触れつつ、巡礼の旅が荒れ野の旅であるとし、私たちは人生の荒れ野で神に出会うのであり、危機こそ転機であることを告げた。そのような神との出会いは、世界史の中に生きる自らが神の救済史の中に置かれ、その担い手とされていることを発見することであり、「聖書は神無しに生きようとする小さな物語を壊し、大いなる救いの物語を与える」とした。この発見は、私たちを、小さな文脈の中で見えて来る、「つまらない自分」との自己評価を超えて、神に認められ、義とされた自らを受け止めさせる。それは、神の救済史の中で自分を受け止め、神に選ばれた救いの歴史の担い手として洗礼を受け、希望を与えられて生きることであると語った。
終わりに、「自己認識は自己反省からではなく召命から生じる」(H.Wolff)との言葉を紹介しつつ、主の呼びかけ、コーリングを発見するよう促した。(新報編集部報)
第14回台湾基督長老教会(PCT)と日本基督教団(UCCJ)との教会協議会が、8月25日から28日の期間、北海道クリスチャンセンターを会場にして開催された。主題は「荒れ野に道を、砂漠に河を」(イザヤ43・19)、参加者は台湾基督長老教会から18名、教団からは4役を含め28名であった。
開会礼拝は18時から行われ、李孟哲台湾協約委員が司式、羅仁貴台湾基督長老教会総会議長が説教を担当した。
19時からは田中文宏台湾協約委員長の司会で歓迎夕食会が開かれ、教団を代表して石橋秀雄総会議長が歓迎の挨拶を述べた。
2日目は「教会協議会」のタイトルに相応しく、充実した協議が行われた。
午前中はPCTと教団から派遣されている宣教師の宣教報告を聞き、質疑応答の時を持った。ディバン・スクルマン宣教師は台湾の原住民(ブヌン族)出身で、2005年に来日。北海教区内の諸教会の礼拝奉仕に加え、特に宣教の中心課題であるアイヌ民族との関わりについて話された。続いて教団から派遣され、高雄で30年にわたり教会に仕えてきた林田義行宣教師の報告を聞いた。
北海道大学キャンパス内での昼食と散策の後、午後は青年への宣教についての発題があり、PCTからは台北大学生センターチャプレンの周宇緯牧師が、教団からは西東京教区から参加の佐藤飛文氏と台湾協約委員の野田沢牧師がそれぞれ発題を行った。
17時からはPCTの林芳仲総幹事と長崎哲夫総幹事の共同司会により、それまでの諸報告と諸課題を総括し、翌日作成予定の共同声明のために、活発な意見交換と質疑応答がなされた。前夜に引き続き北海教区の婦人会が中心となった手作りの夕食が振舞われ、夜は交流会が持たれた。
3日目は一同バスで旭川に行き、川村カ子トアイヌ記念館を訪問後、旭山動物園、三浦綾子記念文学館を訪れた。特に三浦綾子記念文学館では三浦光世館長から直接、短時間ではあっても話を聞く機会を得たことは幸いであった。
最終日は秋山徹世界宣教委員長の司会により、双方の参加者の積極的な発言を通して共同声明が作成された。
閉会礼拝の説教は雲然俊美書記が担当した。(加藤 誠報)
第14回台湾基督長老教会と日本基督教団との教会協議会
共 同 声 明
台湾基督長老教会と日本基督教団は2014年8月25日から28日まで、北海道クリスチャンセンターにおいて第14回教会協議会を開催した。今回の協議会は「荒れ野に道を、砂漠に河を-主の希望に生きる共同体として」(イザヤ43・19)の主題により、両教会が希求している宣教の課題、特に青年への伝道、3・11以降の災害支援活動協力、宣教師の派遣と支援、正義と平和、人権の課題を共有した。
両教会はこの協議会で検討された課題を分かち合い、聖霊の導きの下、具体的な達成を目指すため、以下の共同声明を発表する。
1.両教会は、いかなる世界情勢の変化の中にあっても、主イエスこそが希望であり、荒れ野に道を拓くお方であることを確認した。
2.この協議会で、ディヴァン・スクルマン宣教師より、アイヌ民族とキリスト教会との懸け橋となるために働かれた9年間の歩みを聞いた。同宣教師と北海教区の連携の働きに対して、両教会はさらに理解を深め、この働きが前進するために祈り、支援を続ける。また、台湾の高雄の日本語基督長老教会で宣教師として働いている林田義行牧師の30年にわたる宣教の働きを聞いた。PCTとUCCJとの緊密な関係の中でこれらの宣教が行われるべきことを確認した。
3.PCTの青年宣教の多方面にわたる活動、UCCJの東日本大震災により被災した地域での数多くのボランティア活動や教団SCFとの青年交流の報告を聞いた。それらの働きのなかでPCTの青年とUCCJの青年の「ユースミッション」をはじめとする豊かな交流の経験が有益であることを認め、両教会はさらにこの青年の派遣を含め、交流を活性化することに努める。
4.UCCJは、PCTの「教会は国の希望のしるし」というテーマのもとで、信仰と愛を通して国家の希望となるようにとの祈りと願いを実現するために、正義と平和、人権問題に取り組む活動を支持する。両教会は武力を持って世界平和を脅かすいかなる行為に対しても反対し、主イエスによる世界平和の推進のために祈り、協力する。
5.UCCJは東日本大震災に際してPCTをはじめ多くの世界の教会からの人的、財的支援に感謝する。PCTはUCCJの東日本大震災による被災教会や被災地での人道支援活動に対して、深い関心と祈り、今後も支援を継続する。
6.両教会は原子力発電所の開発、維持、放射能廃棄物の処理について、それらがもたらす深刻な環境破壊に対して深い懸念と反対の立場を共有し、このために正確な情報と理解が教会と社会に広がるように努め、また、国際的なネットワークの構築を目指す。
7.この協議会では教会会議における女性の参加と女性教職の置かれている状況について両教会から語られ、女性差別やジェンダー・ジャスティスについて取り組むべきであることを確認した。
8.日本にある5つの台湾教会がUCCJに参加している恵みを感謝し、その困難な宣教の状況について理解し、UCCJの責任において課題として残されている負担金問題について前向きに検討する。台湾にある日本語教会の同種の問題についてもPCTは検討する。
第14回台湾基督長老教会と日本基督教団との教会協議会
2014年8月28日
6月26日から7月12日の間、スタッフ50人、ボランティア4人、現地教会の青年32人、海外参加者69人、参加国23、総勢155人という大がかりな台湾基督長老教会(PCT)主催「I Love Taiwan Mission」(ILT)に日本人として参加する機会を与えられた。
学校があった私は、2日遅れの参加となったが、日本人の参加者が珍しかったらしく着いてすぐにみんなから大歓迎された。3日間のオリエンテーションを兼ねた全体会の後、グループに分けられ台湾各地の19の教会に派遣され、そこで奉仕を行った。
私が派遣されたのは彰化県にある竹塘教会。年齢性別国籍言語の異なった8人という大型グループで香港、マレーシア、韓国、ハンガリー(2)、台湾(2)、日本というチーム編成だった。教会での主な活動内容は教会の青年たちの運営による子どもたちを集めての「サマーキャンプ」の手伝い。まず教会の青年の数に驚く、また通ってくる子どもたちの数に驚く。青年25人、子ども100人、さまざまなプログラムで子どもたちを楽しませた。海外参加者一人ひとりの賜物が生かされキャンプは大成功に終わった。10日間楽しく過ごした竹塘教会と別れを告げ台南に全参加者が再び集まりそれぞれの教会の報告会をもった。
ここから、私がこのプログラムを通して学んだことを2つに分けて紹介する。
⑴青年について
台湾の青年はパワフルだった。サマーキャンプはもちろんだが、青年たちは私たちをも楽しませるためのプログラムをいくつも用意してくれた。この青年たちは幼い頃こういったキャンプや教会生活で育っていった青年であることは明らかであった。竹塘教会の牧師はもちろん、この子どもたち、青年たちは将来のために大切な存在であるのだが、彼らは神様の子どもであるから「今、この瞬間」に大切な存在なのだと語られた言葉が強く印象に残った。だからこそ彼らは教会に残り続けているのだ。
⑵日本人として台湾のプログラムに参加したこと
ILTの目的の中のひとつに「台湾を愛す」という課題があるため台湾の歴史を学ぶ機会も多く与えられた。いくら親日国の台湾でも戦争の場面や原住民弾圧は許しがたい出来事。歴史は変えることはできないが、学ぶことはできる。日本でもしっかりと教育してこの点を学ぶべきだと感じた。日本との深い歴史を知った上でなお日本を愛してくれる台湾。私はそれ以上の愛を返したいと思った。
台湾の教会は愛と信仰で溢れていた。台湾人も、台湾に集まってきた外国人も愛に溢れていることを直接感じることができた。
送り出してくれた教団の台湾協約委員会、すすめてくれたSCFの方々、サポートしてくれた家族とILTの仲間たち、そしてはじめからおわりまでずっと一緒にいてくださった神様に感謝して、ILT2014の報告とさせていただく。(細田じょい報/東中野教会員)
8月5日から17日、台湾基督長老教会(Presbyte-rian Church in Taiwan/PCT)と日本基督教団教育委員会の青年交流プログラム、ユースミッションに参加してきた。これは、基本的に2年に一度、開催地を両国交互にして開くが、今回は台湾で行われた。このプログラムを通して、多くを学び、青年たちと世界教会的な仲間となれた。感謝してここに報告させていただきたい。
今回のツアーは、主に台北、宣蘭、台東の3地域(長光、紅葉、新香蘭)、そして台南というように、台湾を北から南まで、東海岸沿いに縦断した。参加者は台湾から5名、日本から3名であった。その中には、前回から引き続いての参加者も私を含め3名いた。
台北ではPCT総会本部や、台湾伝道をしたマカイ博士からキリスト教について学んだ。また、台湾電力等を訪れて原発を考える日や、有機栽培農園でサトウキビを植えて自然環境を考える日を持った。
台東の3地域では、それぞれに3部族の原住民の村があり、各地域で彼らの文化やとりまく環境について学び、交流し、教会で過ごした。長光はアミ族、紅葉はプノン族、新香蘭はパイワン族の地域であった。
台南では、台湾伝道のマックスウェル博士の跡や、宿泊した台南神学院等からキリスト教について学んだ。
このプログラムから私は、台湾のキリスト教、台湾の現状、日本の在り方についてなど多くを学んだ。そして、それらに向かう台湾の人々の姿勢に刺激された。また、台湾の人々や青年たちとよき交流ができたことは大きい。国境は違っても、同じキリスト者として共に神の国に属しているという想いを共有した。
そして、3人の台湾参加者は、プログラム終了後に日本へ来て青年大会に参加してくれた。決断してくれたことに感謝しきれない。
最終日のデボーションで、「ユースミッションはこれからももっと交流を深めていく、フェローシップのように、世界教会のために」という言葉があったが、これこそがこのプログラム、そして参加した私たちのミッションではないだろうか。
(岸ひかり報/千葉本町教会員)
梶原 壽氏(無任所教師)
14年5月6日逝去、81歳。山梨県に生まれる。66年東京神学大学大学院を卒業、同年西片町教会に赴任。名古屋学院大学、中部学院大学に務める。
遺族は、息・梶原順さん。
中山貴子氏(無任所教師)
14年7月29日逝去、69歳。新潟県に生まれる。69年関西学院大学大学院を卒業。同年より10年まで広島女学院に務めた。
遺族は、夫・岡崎仁史さん。
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