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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4778号】宣教師支援委員会 受け入れ宣教師 支援のため

2013年8月3日

第38総会期第1回宣教師支援委員会が6月14日、教団小会議室で行われた。
委員長・荒川朋子、書記・辻順子、委員・上田容功、シュー土戸ポール、ボルスター相良スーザンによって組織された。
最初に加藤誠幹事よりこの委員会が海外からの受け入れ宣教師の支援を目的とすること、血の通った支援活動を目指して行きたいとの説明があり、全員でその趣旨を確認した。
この委員会の担う役割として新任宣教師オリエンテーションがあるが、現在は加藤幹事が個別に訪問、また宣教師訪問も同幹事が行っていることが報告された。6月14日時点でのオリエンテーションや訪問の状況、宣教師の近況、宣教師や招聘した現場が担う課題が共有された。また、その中で教団の教会に宣教師が招聘され、就任式が行われる場合に、委員が出席する、祝電を送るなど、覚えていることを伝える試みを行うことが新たに決められた。また、宣教師が病床にあるときのお見舞いなどについても話し合われた。
主な議題は7月13日(土)から、浜名湖バイブルキャンプにて行われる宣教師会議についてであった。この会議は2007年に解消されたCoC(宣教協力協議会)から業務を引き継ぎ行われているものである。昨今の宣教師数の減少によって、この会議の重要性が増している。数少ない宣教師同士の出会う機会として、宣教師とその家族も楽しみにしている。
一方で、CoCから受け継いだ資金が乏しくなってきている現実もあり、今後どのように支出を押さえていくかが課題である。また、毎年、会議が聖日を挟む日程のため、教会に仕えている宣教師が出席しにくいとの声もあった。
この委員会では英文の「BULLETIN」と和文の「虹のたより」が発行されているが、今後「虹のたよりクリスマス号」の英訳を宣教師向けに発行することを決定した。
その他の主な議題は以下の通り。前総会期議事録承認、2012年度会計承認。
(辻順子報)

伝道、降りて行く働き
日立教会牧師 島田 進

能登半島・輪島教会で7年間、新潟県中越・見附教会で22年間、そして茨城・日立教会に10年間と伝道者・牧会者に献身して今年39年目を迎えた。
そして奇遇なことには、私が奉仕した教会は皆(前二つの教会は転任後であったが)、大地震と遭遇して被災し、全国の教会・伝道所のお祈りと熱い支援に支えられて復興を遂げた。
現在も仕えている日立教会は、関東教区や茨城地区の最北端に位置する地方教会である。教会からさいたま市の教区事務所へ行くために、常磐線の上り電車を、車の時は常磐道の上り線を、利用する。教団本部がある首都圏、大阪などの大都市圏へ出かける時も上り線を利用する。
私の目は自ずと上向きとなり価値観も上昇志向であった。しかし2年前の、あの3・11東日本大震災に遭遇して、私は、視点や視線が変えられたように思う。
地震の震源地が宮城県沖で大津波の甚大な災害、そして福島第一原発事故の災害で、首都圏ではなく、今までとは正反対の方向、ほとんど意識しなかった東北に、福島県に、私たちの目は向けさせられた。
日立市の北50キロ先には福島県いわき市があり、そこは東北教区、教団の3つの教会がある。
東日本大震災で被災した日立教会は、関東教区埼玉地区からの素早い支援を受けて、ライフラインの寸断、ガソリンや食料、生活用品などが不足する困窮の中にも最小限の必要が満たされて、徐々に落ち着きを取り戻すことができた。
支援を受けた大きな喜びが、また支援したいという使命感となり、3月の定期教会総会は、「いわき市内の教会に協力し支援していく」という緊急動議を牧師が提案し、全員一致で承認し、教会挙げての支援活動が展開された。
いわき市の運送会社が放射能汚染の規制圏内にあって集配不能という事態に、日立教会が支援物資を受け取り、いわき市内の教会へ転送し、合わせて、水や食糧、灯油やガソリン等も届けた。また、日立市内の他教派教会と協働して、被災者に炊き出し支援も行なった。
あの時は、ガソリンが絶対的に不足していて、ようやく入荷したスタンドには徹夜で並び長蛇の車列ができるという状況下で、よくぞガソリンを手に入れて物資を運べたものだと驚くばかりである。ガソリン切れをいつも心配しつつ走り続けていたが、一度もガス欠で立ち往生することはなかった。
今考えると不可能と思うことばかりで、まさにあのとき、主も働いていて、いつも奇跡を起こされたのだと思う。
地震から2年が経過した。私も教会も生き方が変えられたと思う。立派になるという上を目指す生き方ではなく、降りて行く生き方である。福島の教会との交流やいろいろな支援が無理することなく、楽しみとされながら続けられ、日立教会も恵みと喜びで満ち溢れていることを感謝している。
マタイ福音書28章16~20節に、ガリラヤの山上での、主イエスの世界宣教命令のお言葉が記されている。19節の「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい」は、山から降りて行くことが加味されていると思う。教会の働き、また伝道とは「降りて行く」働きではないだろうか。「ザアカイ、急いで降りて来なさい」(ルカ19・5)。恵みの招きである。

山城康雄氏(隠退教師)
13年5月15日逝去、75歳。沖縄県に生まれる。’88年東京聖書学校を卒業、同年恵泉教会に赴任、’91年より01年まで大月新生教会を牧会し、12年隠退した。遺族は妻・山城信子さん。

山本尚忠氏(隠退教師)
13年5月6日逝去、85歳。東京都に生まれる。’53年日本基督教神学専門学校を卒業。同年名古屋北教会に赴任、仙台広瀬河畔教会を経て、05年まで芝教会を牧会し、隠退した。遺族は弟・山本登さん。

教務教師就任式につき答申

第38総会期第1回信仰職制委員会が、6月14日、委員7名全員の出席により、教団会議室で行われた。
前総会期から継続の委員4名に加えて3名は新任であったため、まず自己紹介がなされ、続いて組織会を行った。互選により委員長に小堀康彦牧師(富山鹿島町教会)、書記に東野尚志牧師(聖学院教会)を選出した。委員長より、信仰職制委員会に関する規定および職務について説明がなされた。
前総会期最後の委員会の議事録により今期の委員会への申し送り事項について確認し、諮問を受けて答申を出す務めと並行して、教憲の学びを継続することと按手礼を含む式文の扱いについて検討して行くこととを、今期の課題として受けとめた。
続いて、2010年12月発行の『答申集』以降に出された答申を「補遺」として確認した上で、今回、東海教区常置委員会から出された諮問をめぐって協議を行い、委員会としての答申をまとめた。
【諮問】
教務教師が教団関係団体もしくは関係学校に就任する場合、当該教団関係団体また学校は、就任式を行うべきではないでしょうか。
また、教務教師が補教師として就任した場合で、正教師となったときには、改めて就任式を行うことが望ましいのではないでしょうか。
さらに、教務教師の就任式を執り行うことは、教規上、問題があるでしょうか。
(諮問の理由は省略)
【答申】
教規中には教務教師の就任式に関する規定はありませんから、教務教師が教団関係団体等に就任する場合に、教規第107条と同様の就任式を行うべきとは言えません。
しかし、教務教師の職務が主より委ねられているとの召命を明らかにし(答申集96)、日本基督教団からの派遣を明確にするなどのために、それにふさわしい式を教区が行うことは望ましいと思います。
次回の委員会は、8月23日に行う予定。
(東野尚志報)

2013年 平和聖日
日本基督教団 総会議長 石橋秀雄
在日大韓基督教会総会長 金武士

「わたしが来たのは、羊が命を受けるため、
しかも豊かに受けるためである。」
(ヨハネによる福音書10章10節)

2011年3月11日の東日本大震災により、神の造られた自然の前に、人間の積み上げてきたものがいかに無力であるかということを、あらためてわたしたちは知らされました。それと同時に、未曾有の大災害の中で、ひとりひとりの命がいかに貴いかということ、そしてその命を救い、つなぎ止めるために、わたしたちひとりひとりがいかに行動すべきかということを学ばされました。にもかかわらず、日本政府や経済界による昨今の急激な「原発推進政策」は、放射能によって汚染された故郷に未だ帰ることが出来ずにいる福島の人々を置いて、「人の命よりも経済が優先」とばかりに、原発を建て、動かし、売る循環へと、この国を回帰させています。より多くの利潤を手にするために、人間が制御することが出来ない力(原子力)に手を付け、その結果多くの命を危険にさらしているこの事態は、人間の傲慢と欲心が招いたものであると言わざるを得ません。

一方で、東北アジアでは領土問題をめぐる緊張関係が日に日に増しています。人の住まない小さな島々をめぐる日中間、日韓間の葛藤が、アジアにおける兄弟姉妹との関係を不安で険悪なものにしています。これらの小さな島々をめぐる問題を、政治的経済的に、未来に向けてさらに重要なパートナーとなっていく国々と仲違いをし、武器を構えてにらみ合うような悲しい事態と引き換えにするようなことがあってはなりません。お互いに国家としての利益を超えた、互いの命を守り、生を育み合う友好的な関係を保つために、よりよい知恵をもって和解を目指すべきです。

一部政治家たちによる心ない発言も相次いでいます。安倍晋三首相は「侵略の定義は定まっていない。国と国との関係で、どちらから見るかで違う」と国会答弁し、過去の日本によるアジア諸国の侵略を正当化する姿勢を見せました。また橋下徹大阪市長は「従軍慰安婦制度は、当時の軍の規律を維持するためには必要だった。日本だけでなく世界各国の兵士が、戦場において女性を性の対象として利用してきた」と、過去の日本による非人道的で卑劣な戦争犯罪を正当化する発言をしました。これらの発言は、国益や経済的利益のために人の命を奪い、多くの人々の人生や生活を踏みにじる「戦争」に軸足を置いた、国家主義的な発想から出ているものと言わざるを得ません。

このような、命の価値をなおざりにする発想は、過去の事柄だけに留まりません。現政権は、憲法の改定を目標としており、まず憲法第96条を改めて、憲法の改正手続きを簡単にし、その後「戦争の放棄」、「戦力の不保持」、「交戦権の否認」をうたった、世界の人々が理想とすべき現憲法第9条を改変して、日本を再び「戦争を始めることが出来る国」にしようとしています。また、これを成し遂げる雰囲気を作り上げるため、先に述べたように、周辺諸国に対して強硬な態度を取ったり、北朝鮮の「ミサイル」発射に際して危機意識を過剰に煽り、「抑止力」という言葉を盾にして沖縄普天間基地の名護市辺野古への移設を強行しようとしています。これらは「今、日本が危ない」という間違った恐怖感を人々に植え付けようとする作為です。

日本基督教団と在日大韓基督教会は、このような時代であるからこそ、高らかに訴えます。ひとりひとりの命こそが何よりも大切である、ということ、そして、どんな時にも「人の命を引き替えにするほど大切なものなどあり得ない」ということです。人の命を犠牲にしてまで選択しなければならない発電方法などあり得ないし、人の命を危うくしてまで守るべき領土などありません。人の命と生活を踏みにじったどんな侵略や国家犯罪も正当化することはできないし、人の命を国家のために捧げさせ、犠牲にさせるどんな戦争も、決して再びあってはならないのです。なぜなら、わたしたちひとりひとりの命は、創造主なる神がご自分にかたどって造られ、また、わたしたちの救い主なるイエス・キリストがご自身の十字架の死をもってあがなわれた貴い命だからです。

ひとりひとりが命を受け、しかも豊かに受けるためにこの地上に来られた主イエスの思いを受け継ぎ、わたしたちは人々がそれぞれの命を豊かに育む世の中が実現することを目指します。それを阻むどんな力に対しても、わたしたちは声をあげていきます。

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