37:25 彼らはそれから、腰を下ろして食事を始めたが、ふと目を上げると、イシュマエル人の隊商がギレアドの方からやって来るのが見えた。らくだに樹脂、乳香、没薬を積んで、エジプトに下って行こうとしているところであった。
37:26 ユダは兄弟たちに言った。「弟を殺して、その血を覆っても、何の得にもならない。
37:27 それより、あのイシュマエル人に売ろうではないか。弟に手をかけるのはよそう。あれだって、肉親の弟だから。」兄弟たちは、これを聞き入れた。
37:28 ところが、その間にミディアン人の商人たちが通りかかって、ヨセフを穴から引き上げ、銀二十枚でイシュマエル人に売ったので、彼らはヨセフをエジプトに連れて行ってしまった。
37:29 ルベンが穴のところに戻ってみると、意外にも穴の中にヨセフはいなかった。ルベンは自分の衣を引き裂き、
37:30 兄弟たちのところへ帰り、「あの子……
37:12 兄たちが出かけて行き、シケムで父の羊の群れを飼っていたとき、
37:13 イスラエルはヨセフに言った。「兄さんたちはシケムで羊を飼っているはずだ。お前を彼らのところへやりたいのだが。」「はい、分かりました」とヨセフが答えると、
37:14 更にこう言った。「では、早速出かけて、兄さんたちが元気にやっているか、羊の群れも無事か見届けて、様子を知らせてくれないか。」父はヨセフをヘブロンの谷から送り出した。ヨセフがシケムに着き、
37:15 野原をさまよっていると、一人の人に出会った。その人はヨセフに尋ねた。「何を探しているのかね。」
37:16 「兄たちを探しているのです。どこで羊の群れを飼っているか教えてください。」ヨセフがこう言うと、
37:17 その人は答えた。「もうここをたってしまった。ドタンへ行こう、と言っていたのを聞いたが。」ヨセフは兄たちの後を追って行き、ド……
37:1 ヤコブは、父がかつて滞在していたカナン地方に住んでいた。
37:2 ヤコブの家族の由来は次のとおりである。ヨセフは十七歳のとき、兄たちと羊の群れを飼っていた。まだ若く、父の側女ビルハやジルパの子供たちと一緒にいた。ヨセフは兄たちのことを父に告げ口した。
37:3 イスラエルは、ヨセフが年寄り子であったので、どの息子よりもかわいがり、彼には裾の長い晴れ着を作ってやった。
37:4 兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。
37:5 ヨセフは夢を見て、それを兄たちに語ったので、彼らはますます憎むようになった。
37:6 ヨセフは言った。「聞いてください。わたしはこんな夢を見ました。
37:7 畑でわたしたちが束を結わえていると、いきなりわたしの束が起き上がり、まっすぐに立ったのです。すると、兄さんたちの束が周り……
38:1 主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。
38:2 これは何者か。知識もないのに、言葉を重ねて/神の経綸を暗くするとは。
38:3 男らしく、腰に帯をせよ。わたしはお前に尋ねる、わたしに答えてみよ。
38:4 わたしが大地を据えたとき/お前はどこにいたのか。知っていたというなら/理解していることを言ってみよ。
38:5 誰がその広がりを定めたかを知っているのか。誰がその上に測り縄を張ったのか。
38:6 基の柱はどこに沈められたのか。誰が隅の親石を置いたのか。
38:7 そのとき、夜明けの星はこぞって喜び歌い/神の子らは皆、喜びの声をあげた。
38:8 海は二つの扉を押し開いてほとばしり/母の胎から溢れ出た。
38:9 わたしは密雲をその着物とし/濃霧をその産着としてまとわせた。
38:10 しかし、わたしはそれに限界を定め/二つの扉にかんぬきを付け
38:1……
23:1 そこで、全会衆が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。
23:2 そして、イエスをこう訴え始めた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」
23:3 そこで、ピラトがイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになった。
23:4 ピラトは祭司長たちと群衆に、「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。
23:5 しかし彼らは、「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。
23:6 これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、
23:7 ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。ヘロデも当時、エルサレムに滞在していたのであ……
22:63 さて、見張りをしていた者たちは、イエスを侮辱したり殴ったりした。
22:64 そして目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねた。
22:65 そのほか、さまざまなことを言ってイエスをののしった。
22:66 夜が明けると、民の長老会、祭司長たちや律法学者たちが集まった。そして、イエスを最高法院に連れ出して、
22:67 「お前がメシアなら、そうだと言うがよい」と言った。イエスは言われた。「わたしが言っても、あなたたちは決して信じないだろう。
22:68 わたしが尋ねても、決して答えないだろう。
22:69 しかし、今から後、人の子は全能の神の右に座る。」
22:70 そこで皆の者が、「では、お前は神の子か」と言うと、イエスは言われた。「わたしがそうだとは、あなたたちが言っている。」
22:71 人々は、「これでもまだ証言が必要だろうか。我々……
22:47 イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人でユダという者が先頭に立って、イエスに接吻をしようと近づいた。
22:48 イエスは、「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。
22:49 イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。
22:50 そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。
22:51 そこでイエスは、「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れていやされた。
22:52 それからイエスは、押し寄せて来た祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。
22:53 わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」
……
22:35 それから、イエスは使徒たちに言われた。「財布も袋も履物も持たせずにあなたがたを遣わしたとき、何か不足したものがあったか。」彼らが、「いいえ、何もありませんでした」と言うと、
22:36 イエスは言われた。「しかし今は、財布のある者は、それを持って行きなさい。袋も同じようにしなさい。剣のない者は、服を売ってそれを買いなさい。
22:37 言っておくが、『その人は犯罪人の一人に数えられた』と書かれていることは、わたしの身に必ず実現する。わたしにかかわることは実現するからである。」
22:38 そこで彼らが、「主よ、剣なら、このとおりここに二振りあります」と言うと、イエスは、「それでよい」と言われた。
22:39 イエスがそこを出て、いつものようにオリーブ山に行かれると、弟子たちも従った。
22:40 いつもの場所に来ると、イエスは弟子たちに、「誘惑に陥らないように祈りなさ……
22:24 また、使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論も起こった。
22:25 そこで、イエスは言われた。「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と呼ばれている。
22:26 しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。
22:27 食事の席に着く人と給仕する者とは、どちらが偉いか。食事の席に着く人ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。
22:28 あなたがたは、わたしが種々の試練に遭ったとき、絶えずわたしと一緒に踏みとどまってくれた。
22:29 だから、わたしの父がわたしに支配権をゆだねてくださったように、わたしもあなたがたにそれをゆだねる。
22:30 あなたがたは、わたしの国でわたしの……
22:14 時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。
22:15 イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。
22:16 言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」
22:17 そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。
22:18 言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」
22:19 それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」
22:20 食事を終えてから、杯も同じようにして……