第1の職業を終えてから、志を得て神学校に進む人は、珍しくなくなった。だが、夫妻で同時に入学したのは東京神学大学で初めてで、今4年生。先ごろ共に修士課程に進む手続きを終えた。
70代となった2人が、神学校で学ぼうと思うようになった切っ掛けは、転居のため06年、銀座教会に転入会し、6年後、同教会で行われる東神大夜間講座の案内を見たこと。正勝さんが「受講してみようか」と切り出すと、惇子さんが「前から考えていた」と応じて、2年間、熱心に学んだ。終了に差しかかった頃、正勝さんが「東神大で学んでみようか」と切り出すと、惇子さんは「ずっと前から同じことを考えていた」と応じて、昨年、共に学士入学した。入学時、正勝さん72歳、同級生27人のうち、夫妻を含めて70代3人、60代1人。4人に1人が50代以上。より高年齢者は過去に存在したが、同学年で学ぶ夫婦は、東神大で初めてとなった。
東神大に学ぶようになって、何よりも驚いたのは、火曜から土曜、午前8時30分から午後5時40分までぎっしり授業があり、出欠は無論、宿題、レポートが絶えず与えられることだった。正勝さんは日本の商社に27年、米国の会社に17年勤務し、惇子さんも英語の辞書や研究書で知られた出版社に10年勤めていたから、共に英語には通じていたが、ギリシャ語には苦労したそうで、ギリシャ語の活用表を張り出して、必死になって覚えたとか。
修士課程を終えると、夫妻とも70代半ばからの牧会となる。正勝さんは、「前半生は、利益を上げるという目標に向かって努力して来た。神学校への進学は、世俗のことを忘れて謙虚に生きようという闘いの信仰だった。そうした信仰を述べることが、多少なりとも意味のあるものなら」と語り、惇子さんは、「礼拝を守っている喜びを伝えられる分かり易い説教をしたい」と抱負を述べた。
正勝氏1942年生まれ。転居のため、大宮前教会、経堂北教会を経て銀座教会員。
会堂や教育館の見回りを私は日課としている。夕方、他の教師が戸締まりと火の元を確認しているが、夜間の集会後や決まった時刻に私は教会内を見回るのである。もちろんもう一度戸締まりなどを見ることもあるが、教会の様々なものに目を向ける機会としている。掲示板の内容、会堂の椅子の状況、忘れ物はないか、講壇の様子、週報ボックスや受付の状態、あらゆるものを見て歩く。そしてそこで多くのことに気づかせられるのである。高齢の方が多くなった状況で、此処はこのままでよいのだろうか、もっと配慮が必要ではないか。この部分の整理ができていないのはどういうことなのか。此処はもっと工夫できないか。課題はいつも出てくるし、経済的なことが頭に浮かんで悩むこともある。しかし何よりもありがたいのは、教会のすべてに温もりを感じ、これまでの歩みを受け取り、先達の祈りと働き、そして主の導きに感謝できることである。一つ一つの物や部分、それを使ってきた時を思って、そこに込められた教会員の信仰を受け取るのである。そして会堂や他の建物が備えられている素晴らしさを日々に自分で経験し、主に感謝を繰り返すのである。今日も一日導かれた感謝、明日もまたこの会堂や教育館が用いられる感謝、すべてを通して主の御体なる教会がそこに証しされる感謝。それらが溢れていく。
見回りの時間は実に静かである。多くの教会員を思い、互いの祈りを重ねて、主を仰ぐ時となる。
(教団総会副議長 佐々木美知夫)
20:19 そのとき、律法学者たちや祭司長たちは、イエスが自分たちに当てつけてこのたとえを話されたと気づいたので、イエスに手を下そうとしたが、民衆を恐れた。
20:20 そこで、機会をねらっていた彼らは、正しい人を装う回し者を遣わし、イエスの言葉じりをとらえ、総督の支配と権力にイエスを渡そうとした。
20:21 回し者らはイエスに尋ねた。「先生、わたしたちは、あなたがおっしゃることも、教えてくださることも正しく、また、えこひいきなしに、真理に基づいて神の道を教えておられることを知っています。
20:22 ところで、わたしたちが皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」
20:23 イエスは彼らのたくらみを見抜いて言われた。
20:24 「デナリオン銀貨を見せなさい。そこには、だれの肖像と銘があるか。」彼らが「皇帝のものです」と言うと、
20:25 イエスは言われた。「それならば、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」
20:26 彼らは民衆の前でイエスの言葉じりをとらえることができず、その答えに驚いて黙ってしまった。
20:9 イエスは民衆にこのたとえを話し始められた。「ある人がぶどう園を作り、これを農夫たちに貸して長い旅に出た。
20:10 収穫の時になったので、ぶどう園の収穫を納めさせるために、僕を農夫たちのところへ送った。ところが、農夫たちはこの僕を袋だたきにして、何も持たせないで追い返した。
20:11 そこでまた、ほかの僕を送ったが、農夫たちはこの僕をも袋だたきにし、侮辱して何も持たせないで追い返した。
20:12 更に三人目の僕を送ったが、これにも傷を負わせてほうり出した。
20:13 そこで、ぶどう園の主人は言った。『どうしようか。わたしの愛する息子を送ってみよう。この子ならたぶん敬ってくれるだろう。』
20:14 農夫たちは息子を見て、互いに論じ合った。『これは跡取りだ。殺してしまおう。そうすれば、相続財産は我々のものになる。』
20:15 そして、息子をぶどう園の外にほうり出して、殺してしまった。さて、ぶどう園の主人は農夫たちをどうするだろうか。
20:16 戻って来て、この農夫たちを殺し、ぶどう園をほかの人たちに与えるにちがいない。」彼らはこれを聞いて、「そんなことがあってはなりません」と言った。
20:17 イエスは彼らを見つめて言われた。「それでは、こう書いてあるのは、何の意味か。『家を建てる者の捨てた石、/これが隅の親石となった。』
20:18 その石の上に落ちる者はだれでも打ち砕かれ、その石がだれかの上に落ちれば、その人は押しつぶされてしまう。」
20:19 そのとき、律法学者たちや祭司長たちは、イエスが自分たちに当てつけてこのたとえを話されたと気づいたので、イエスに手を下そうとしたが、民衆を恐れた。
19:41 エルサレムに近づき、都が見えたとき、イエスはその都のために泣いて、
19:42 言われた。「もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら……。しかし今は、それがお前には見えない。
19:43 やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、
19:44 お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れてくださる時をわきまえなかったからである。」
19:45 それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで商売をしていた人々を追い出し始めて、
19:46 彼らに言われた。「こう書いてある。『わたしの家は、祈りの家でなければならない。』/ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にした。」
19:47 毎日、イエスは境内で教えておられた。祭司長、律法学者、民の指導者たちは、イエスを殺そうと謀ったが、
19:48 どうすることもできなかった。民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていたからである。
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