補教師と正教師あわせて45名が受験
採点作業日を設け、余裕をもって合否の判定
9月15〜18日にかけて大阪クリスチャンセンターを会場に秋季教師検定試験が行われた。従来、筆記試験の当日に採点作業をし、翌日から面接試験を行っていた。今回は筆記試験翌日を採点日とし、面接試験は中一日おいて実施された。これにより採点、合否判定、レポートのためのコメント作成などの作業を時間的余裕をもって行うことができた。
開会礼拝では、成田いうし検定委員よりエレミヤ書第1章4〜10節より説教がなされた。「わたしはあなたを母の胎内に造る前からあなたを知っていた。母の胎から生まれる前にわたしはあなたを聖別し諸国民の預言者として立てた」(5節)。「神さまは我々の弱さもすべてご存知の上で我々を伝道者として召しておられる。伝道者はその恵みの選びを誰よりも自覚し、自分が神さまの救いの目的のために用いられていることを生涯をかけて学び続けなければならない」と語った。
礼拝に続いて、早速、筆記試験が行われた。今回は補教師11名、正教師34名の計45名の受験者が与えられた。その他、教師転入の審査も行われた。最終的な合格者は、今後委員会を経て教団総会での承認をもって確定される(教師転入承認は9月開催の常議員会)。
試験問題は、いずれの科目も普段の伝道、牧会に生かされる実用性のある問題であった。教憲教規・宗教法人法では、包括宗教法人と被包括宗教法人の関係性や信教の自由の意義を問う出題であった。特に包括宗教法人についての問題は教師の招聘や辞任、規則変更など様々な手続きにおいてその知識が求められる。
教会史は、ニカイア信条の成立などキリスト教教理の形成過程を問う問題、またナントの勅令や東西教会の分裂など一般的な世界史でも取り上げられる問題が出題された。専門家のように答える必要はないが、牧師として問われたら答えられるような最低限の知識は身につけておきたい。
聖書神学では、旧約、新約共に説教を語る上で鍵となる神学的事柄について問う出題だった。特に正教師の旧約聖書神学の問題はこれまでと出題傾向が変わり戸惑う受験者も多かったようだ。「こんなに聖書をめくったことはなかった」という感想も聞かれた。
その他にも、これまで聖書を概念としてしか読んでこなかったという声もあった。なるほど、説教を語る上で、「愛」や「赦し」などの概念・主題は常に念頭に置かれることだが、その主題に即した箇所だけを部分的に読むだけでは十分ではない。むしろ旧約から新約まで聖書全体から神さまの救済の物語を語るのが牧師の務めであり、聖書のどこからでもイエス・キリストを通して示された神さまの愛や赦しを汲み取ることが求められている。そういう聖書の読み方を身につけてほしい。
なお『教師検定試験受験の手引き』が2026年4月に改訂されている。この手引きは概ね総会期ごとに改訂されているが、委員会では改訂をより周知させることが確認された。受験者はぜひこれを求め、試験に備えていただきたい。
(川島直道報)
講評
聖書釈義において、テキストを丁寧に掘り下げていない提出物が多く見られた。文書の緒論的な議論にあまりにも多くの字数を費やしていたり、関連する聖句や注解書の抜き書きばかりであったりするものもあった。そのため説教も、与えられた聖書箇所を通して示される福音が不明瞭なまま、つながりの希薄な言葉が並べられてしまっている。
用いている注解書もわずかな書物だけで済ませている場合がほとんどである。優れた一冊の注解書とじっくり向かい合うことが困難な場合、語学が苦手ならば日本語の注解書にできる限り多く目を通そうとする気概をもって取り組んでほしい。そこに、主の召しに誠実に応える姿勢が表れ出る。
与えられたテキストを通して主が語られる使信を聴き取る力を身に付け、生涯にわたって御言葉に仕えていくための土台が築かれることを願っている。
第43総会期教師検定委員会 委員長 春原禎光
2026年秋季・正教師検定試験問題
教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
次の2題について答えてください。
1.教規第97条⑶に基づいて教会規則を変更する場合の手続きについて、教規の条項を挙げて述べてください。
2.宗教団体が宗教法人格を持つ意味と信教の自由との関係について述べてください。
旧約聖書神学(60分)
次の章句の①聖書箇所を挙げ、②神学的に要点を押さえた説明をしてください。
1.我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして……。
2.アダムと女が、主なる神の顔を避けて、園の木の間に隠れる
3.祝福の源
4.あなたの隣人の妻を欲してはならない
5.わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。あなたがわたしのために住むべき家を建てようというのか。
6.父がお前たちに重い軛を負わせたのだから、わたしは更にそれを重くする。父がお前たちを鞭で懲らしめたのだから、わたしはさそりで懲らしめる。
7.王はその律法の書の言葉を聞くと、衣を裂いた
8.いかに幸いなことでしょう/まったき道を踏み、主の律法に歩む人は。……
9.新しい契約
10.預言者エリヤをあなたたちに遣わす
新約聖書神学(60分)
次の2題に答えてください。
1.マルコ福音書における「十字架の神学」の特徴について、聖書箇所を挙げつつ述べてください。
2.パウロ書簡における「残りの者」について、旧約を含め、聖書箇所を挙げつつ述べてください。
教会史(60 分)
次のA,Bに答えてください。
A.ニカイア・コンスタンティノポリス信条の成立過程と、その特徴を述べてください。
B.次の3題のうちから1題を選んで答えてください。
1.東西教会の大分裂について述べてください。
2.叙任権闘争について述べてください。
3.アウクスブルク宗教和議について述べてください。
公告
教師検定委員会では、教師検定規則第6条⑥に基づき、同規則第3条6号対象者(所謂Cコース受験者)に対する認定面接を左記のように実施します。
2027年秋季試験以降に新たにCコース受験を志願される方は、本委員会の指定した書類を 2027年1月15日(金)までにご提出いただき、左記日程の面接にご参加ください。
なお、面接要領・提出書類用紙については、110円切手を同封の上、本委員会事務局に直接お申込みください。
★認定面接
日時 2027年2月24日(水)午後
場所 日本キリスト教会館
なお、認定面接予定者には、書類受付後、案内通知を送付します。
2026年10月24日
日本基督教団教師検定委員会
〒169−0051 東京都新宿区西早稲田2−3−18−31(電話03−3202−0546)






