日本の教会がマイノリティと共に歩むために
3月12日から14日、ルーテル市ヶ谷センターにてマイノリティ宣教センター主催の「マイノリティ円卓会議2026」が開催された。主題は「人種差別・マイノリティ排除の嵐に抗して、共生の天幕をひろげよう」。国内外の登壇者が、アイヌ・琉球沖縄・在日コリアン・移民と難民・被差別部落・性的マイノリティなど各領域の現状を共有した。
基調報告では、日本政府が国連・人種差別撤廃委員会から繰り返し勧告を受けながら、植民地支配に対する歴史的責任を果たさぬまま、人権状況を改善していない実態が示された。海外からはドイツのマルティン・クリークさんが移民・難民排斥の現状を、カナダ合同教会のクワカ・ククポさんが移民・難民支援活動を紹介。韓国のイ・ヨンさんは移住民への差別と憎悪の実態を、イ・ナヨンさんはジェンダー正義の歴史と課題を語った。国内では田森茂基さんがアイヌの課題、神谷武宏さんが琉球・沖縄の現在、朴金優綺さんが朝鮮学校差別、角谷志保美さんが難民受け入れの現状、平良愛香さんが性的マイノリティとしての経験を報告した。師岡康子さんはヘイトスピーチ解消法の実効性の低さとクルド人への攻撃など深刻な連鎖を指摘した。筆者は部落解放センター主事として部落差別の現状、ネット上での地域情報の拡散や教育現場での課題を報告。解放運動内に見られる女性軽視、複合差別の視点からの問い直しについても提起した。
最終日の討論では、「マイノリティ円卓会議」と称しながらもマイノリティ当事者の参加が著しく少ない、現在も植民地主義は終わっていない等の課題が率直に指摘された。福音宣教において差別問題を見過ごすことはできない以上、教会はマイノリティと共に差別に抗う責任を担う。しかし、取り組みが当事者不在のままなされてはいないか。日本の信仰者一人ひとりが自らに問い続けることが求められている。(上野玲奈報)






