岩の上に立つ全体教会〜危機の中で見える希望
第43総会期日本基督教団宣教方策会議が3月2〜3日、日本基督教団会議室にてオンラインを併用して行われた。今回のテーマは「岩の上に立つ全体教会〜危機の中で見える希望」。
開会礼拝では雲然俊美議長が「キリストの教会が建つ」と題して、マタイによる福音書16章13〜20節に基づいて説教をした。「信仰告白は持っているだけでよしとせず、生きることが大切」と語った。
礼拝に続いて主催者として小林克哉宣教委員長、来賓として在日大韓基督教会の鄭守煥総幹事が挨拶した。その後は休憩をはさんで4名の発題を聞き、質疑応答の時を経て一日目のセッションは終了した。
二日目は朝の祈りに続いて小林宣教委員長が「教団教勢の現状分析」と題し、統計に基づいて発題した。2024年度の統計によると1教会あたりの礼拝平均出席数が23名であること、専任牧師不在の教会が18%に上ることが紹介され「もはや各教会に主任担任教師がいることが前提ではなくなっている。新たな仕組みを考えていかなければならない」と述べた。また全国で礼拝出席100名を超える教会の数が2018年度の64に対して24年度は25であることに触れて「余力をもって他を支える地域のセンターチャーチ的教会が減少している」と指摘。「教会の数だけ見れば70年代と同水準だが、礼拝出席者数と受洗者数は大幅に少ない。礼拝と説教の力が落ちている。教職の悔い改めが必要」と警鐘を鳴らした。その上で「自分自身ではなく神に希望を持つべき。福音理解や聖礼典の乱れによる対立構造から変わらなければならない」とした。
その後9分団(うちオンライン3分団)に分かれて昼食を取りながら協議を行った。全体協議会では各分団から報告がなされ「説教者バンク」の必要性、教団と各個教会との温度差、四国教区の事例にみられる信徒の積極的参加の重要さ等が話された。(新報編集部報)
それぞれの立場から発題
今回の宣教方策会議では5名が発題を行った。ここでは一日目に行われた4名の発題の要旨を報告する。
《発題①》 「教団機構改定を巡って」(藤掛順一教団機構改定検討委員)
機構改定の議論は、第39総会期の予算決算委員会による2020年度以降の教団財政を危惧する報告から始まった。その後、財政スリム化や負担金減額等を旨とする機構改定案骨子や教規変更案等が作成されたが、議論不足等を背景に第42回教団総会での議案化を断念。しかし課題とし続けるために常議員会は第42回総会に『教団機構改定の目的と課題を確認する件』、第43回総会に『日本基督教団の全体教会としての一体性を確認する件』を提案し、総会で決議された。これらを土台に、常議員会は第44回総会での議案化を念頭に喫緊の課題である総会議員数削減等の素案を承認した。
《発題②》 「四国教区の取り組み〜教区機構改定が目指すこれからの伝道」(寺島謙四国教区議長)
四国教区は小教会を多く抱えているが、人口規模に対して教会数が多い。長い歴史のある互助制度や信徒が中心となって取り組んでいる自立連帯献金の結果だろう。その四国教区では今年度、教区の機構改定を決断した。教会を取り巻く厳しい現実を受け止めつつ、教区が主体となって各個教会の伝道を支えるためである。具体的には伝道、教育、社会、教師の4部を伝道局に統合し、財務部は財務局に移行して2局体制とした。伝道局は教会間交流の充実、礼拝を中心とした教会形成、信徒の教区活動への積極的な参加の3点を活動の柱とする。厳しい状況の中でも信徒と教職が共に宣教の使命を果たしていきたい。
《発題③》「教団の文書伝道のこれから」(網中彰子総幹事・出版局長代行)
出版局の事業縮小は申し訳ない気持ちでいっぱいだ。23名の職員、アルバイトの今後のために祈ってほしい。
教団は宗教法人であるため新会社に資金提供はできないが、可能な限りの協力をしていきたい。具体的には「信徒の友」と「こころの友」に関しては、編集業務委託という形で関わっていく予定である。なお出版局自体は今後も教団の中に位置づけられ、出版局がなくなるということではない。既刊の書籍や讃美歌、キリスト教学校で用いられる教科書等は滞りなく販売される。神学書を扱わなくなることには意見もあるが、他社と協力をしながら発行していくという考え方でよいと思っている。
《発題④》女性教職の立場から−「日本基督教団『人事局(仮称)』創設に関する提案」(森本裕子長野県町教会牧師)
現在教団には人事を統括する部門が存在せず、それが教職の職務環境の不透明さや誤認を生む要因となっていると考える。教団機構改定の動きがある中で、教職の権利を守り御心に適った配置を実現するために人事局の設置を提案する。今回は女性教職の立場からの発題だが、これは女性だけの問題ではなくすべての教職に関わる問題だと捉えている。
教区によっては教職の産休・育休や謝儀格差、ハラスメント等の課題に教区として取り組んでいるケースもある。しかし教職の召命が重んじられて豊かな伝道が展開されるためには、教団としてこれらの課題に取り組む必要があると考える。その実現に向けて機構改定の中に人事局構想が加えられることを願う。(新報編集部報)






