「…にもかかわらず」喜び、笑い、歩む
「『…にもかかわらず』喜び、笑い、歩む−いのち・平和・人権」(8月16〜18日、於・頌栄短期大学)に、全国から約70名が集った。政治と人権、ハンセン病、部落、ジェンダーなど様々なプログラムがあるが、「姫路平和資料館」フィールドワークと「外国にルーツを持つ子どもたちに思いをはせる すべての子どもが輝くために〜外国につながる子どもたちの未来を拓くために」に限って報告する。
姫路市にある平和資料館には、広島・長崎・沖縄はもとより日本全土に渡る市民の空爆死没者を悼む慰霊碑が在る。軍人軍属には様々な国の施策が及ぶ中、「一般」死没者・戦災被害者は放置されていた1963年、剣を地上に突き立てて平和を誓うシンボルが完成した。この剣を抜くことはもう二度としないという誓いである。日本においては戦後79年と言われる今、世界にあふれる戦禍を見逃してはいけないと改めて思う。
公立高校の教職経験者である講師から、外国にルーツを持つ子どもたちの現状報告を聞いた。「在日外国人と聞くと朝鮮・韓国を思い起こすかもしれないが、近年、日本の移民政策変化により来日者は増え続け、2023年大阪府の高校で日本語以外の継承語(母語)を持つ生徒は、中国語・ネパール語・フィリピン語・ベトナム語・ウルドゥー語が上位を占めている。この子どもたちに多文化・多言語教育がなく、進学時の手続きや在留資格に関して、必要かつ有益な情報が得られなければ孤立や不利益のループに陥ってしまいかねない。日本語試験なく入学可能な特別枠をもっと増やしていかなければならない」と熱く語った。
また、講師はキリスト教や教会と特段の関わりを持っていないが、「キリスト教学校にはこの子どもたちを受け入れる素地がある」と述べた。大きな希望を持って語られた言葉にキリスト教界が誠実に向き合えるようになりたい。(鈴木 祈報)