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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5022号】2024年度新任教師オリエンテーション(1面)

2024年8月24日

「伝道を共に担う教団の教師」を主題に

 新任教師オリエンテーションが、6月24〜26日、ハートピア熱海を会場にして行われた。主題は「伝道を共に担う教団の教師」で、参加者は新任教師23名、教団、神学校関係者21名であった。6つの神学校の出身者のほかに、Cコースが2名、他教派からの転入者もあった。このように、多様な背景を持つ人たちが3日間を共に過ごし、互いに知り合えたことは大きな恵みであった。

 一日目の開会礼拝では、古旗誠教師委員長が「わたしの羊を飼いなさい」と題するメッセージにおいて「説教者はあれこれ知識を詰め込むのではなく、むしろ空っぽになることによって神の御言葉が与えられる」と述べた。

 続く講演Ⅰでは、雲然俊美教団議長が主題講演を行った。雲然議長は、「教団は『イエス・キリストをかしらと仰ぐ公同教会』、『旧教派の歴史的特質を尊重する合同教会』、『各個教会に対する全体教会』である。キリストの体なる公同教会が、その豊かさを生かして、全体教会の一体性において伝道協力をしていくことが必要だ」と述べた。

 次のプログラムは関谷直人氏(同志社大学神学部長)の「ハラスメントと教会」と題する講演であった。関谷氏は牧師から信徒へのハラスメントだけでなく、主任牧師から副牧師へのハラスメント、信徒から牧師へのハラスメントなどについて、いくつかの事例を紹介した。

 一日目夜の「交わりのとき」ではゲーム、クイズなどで参加者同士の交流を楽しんだ。

 二日目の朝礼拝では、藤盛勇紀教団副議長が「信仰は来る」と題するメッセージの中で「説教は聖書を素読することが重要」と述べ、またガラテヤ2章16節の「キリストへの信仰」について触れ、「『ピスティス』(信仰)は人の側に依拠するのではなく、キリストの真実に基づく信頼の中に現れる」と語った。

 講演Ⅱは石丸昌彦氏(精神科医)が「牧者の心のケア」と題する講演を行い「牧師も生身の人間であり、信仰や召命感があってもそれがうつ病の防波堤にはならない」としたうえで「心の健康を支えるためには睡眠時間と休日の確保が重要である」と説明した。

 二日目午後の分団の時間では4グループに分かれ、それぞれ講演の感想や召命に至る背景、抱えている課題などを語り合う実り多き時間となった。

 二日目夜の「能登半島地震報告」では、内城恵教師委員(羽咋教会)が被害の大きかった輪島教会、七尾教会と関係施設を中心に、現状と今後の見通しについて説明した。輪島教会の仮設礼拝堂が作られ、ペンテコステから礼拝が再開されたと報告を受けた。「神を礼拝するところから復興に向かう、という姿勢と共に、被災した教会と関係幼稚園は伝道の拠点である」との認識において復興への歩みが進められている、との報告を受けた。

 その後、網中彰子総幹事が教団の機構について説明をした。年金局、出版局、隠退教師を支える運動、部落解放センター、牧会者とその家族のための相談室は事前に録画した動画を参加者にあらかじめ視聴してもらう形で説明がなされた。教師養成制度検討委員会については、文書での説明であった。

 牧会講話では、山北宣久氏(隠退教師)が、「牧者はキリストの副牧師であり、キリストに倣う生き方をしてほしい」、「羊の群れを見るときには『見渡す、見つける、見直す』という三“見”一体を忘れないようにしてほしい」と励ました。

 三日目の朝礼拝では、黒田若雄教団書記が「折がよくても悪くても」と題してメッセージを語り、「説教は、説教者がどう語るかということではなく、神様が私たちをどう導こうとしておられるのかを聴くことである」と述べた。

 「全体のまとめ」では、3日間を振り返って参加者が各々感想を述べた。「よき出会いと学びがあった」、「励まされた」、「楽しかった」などの声が聞かれた。

 閉会礼拝は兼清啓司教師委員会書記が「パンは幾つあるのか」と題するメッセージにおいて、「我々は『しかない』というイメージに引きずられている。困難を覚えるときこそ手元のパンと魚を数え、それを用いるところに伝道がある」と語った。

 全体を通して豊かで、楽しく恵みに満ちた集いであるとの印象を受けた。それこそが伝道の原点である。それぞれが教団の教師として立つために、このオリエンテーションでの経験が生かされることを祈りつつ、プログラムを閉じた。

(兼清啓司報)

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