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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5020号】クリスチャントゥデイ裁判報告会(3面)

2024年7月12日

メディアリテラシーが一層問われる

 株式会社クリスチャントゥデイ(CT)が異端・カルト110番編集顧問の根田祥一氏に対し、『ダビデ牧師(張在亨=ダビデ張)と共同体を考える会』ブログ記事を引用した投稿で名誉が毀損されたとする損害賠償請求訴訟を起こし、地裁判決が4月22日に出たことを受け、6月13日カトリック中央協議会でカルト問題キリスト教連絡会主催による裁判報告会が行われた。

 判決では、①原告CTが張牧師の設立した諸団体・教会と関係があり、その宗教的な影響下にあること、②張氏が米国で設立したオリベット大学が不正融資事件で罰金刑を受け、設置州当局から閉鎖を命じられたこと、③原告関係者が属した東京ソフィア教会では「ダビデ牧師」を「キリストの再臨」と関連づけて示唆していたが、そのような宣教の支障となる事実を打ち明けないことを「知恵」であると説き、教えの内容を他言せず、既存の他の教会に所属するよう求めたこと、④信者に無償労働や借財(カードローン)で献金させ、困窮のあまり公共交通機関の料金を払わないことを宗教信条で正当化したこと、⑤CT関係者が、ダビデ張を「再臨のキリスト」と信じ東京ソフィア教会に通っていることを峯野龍弘牧師に秘して淀橋教会に通ったこと、⑥CTはダビデ牧師の韓国人宣教師が日本に入国する際、虚偽内容を記載した入国管理局宛の文書を作成し、不法入国に加担したこと、⑦CTは、記事の内容等について張牧師から指示を受けたこと……といった、CT側の否定していた内容を含む重要な事実が認定された。

 また、ブログの内容は2003〜2008年にかけての事実であり、ブログ記事が作成された2019年時点でも「同様の事実が繰り返され、あるいはその温床となるような組織体制が維持されていたと推認することはできない」との理由で、ブログの一部が名誉棄損にあたるとして110万円の賠償請求に対し50万円の支払いが命じられた。しかし、CTが提出したブログ管理人の中橋祐貴氏が「原告の名誉を毀損し、事実に反する内容を発信した」と認めたとする「謝罪文」については、中橋氏が原告から告訴されたことを機に精神的に追い詰められ、訴訟終結を優先する意向を強めていたことが考慮され、この「謝罪文」によってブログ記事の真実性は否定されないとの判断がされた。

 報告会では、事実関係を十分確認・検証せず、CT擁護に協力しているキリスト教関係者が今も見られることが言及され、メディアリテラシーが一層問われていることが指摘された。

(柳本伸良報/カルト問題連絡会世話人)

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