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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5020号】荒野の声(1面)

2024年7月12日

 「今だけ、金だけ、自分だけ」、目先の利益のみを追求する現代の風潮を捉えた言葉として度々用いられている。将来に希望を持ちにくい時代ほど、人は刹那的、近視眼的にならざるを得ないのかもしれない。▼教会においても、年々衰退して行く見通しが語られ、続けて来た活動の見直しが提言されている。その状況を否定的に受け止め、現在を続けることに固執したくなるが、その姿勢において自らも現代の風潮に呑まれているように思う。▼神の民の歴史には、興隆期と共に衰退期があり、その中で御言葉が語り継がれて来た。衰退期に活動した旧約の預言者は、「抜き、壊し、滅ぼし、破壊し/あるいは建て、植えるために」(エレミヤ1・10)との御言葉を受け止め、神殿がある町の破滅を告げると共に、滅びの先にある新しい命を指し示すべく、その土地の畑を買った。▼「抜く」ことはもちろん、「植える」ことも、今、自分が、実りを収穫できるような務めではない。しかし、その務めは、自分ではない誰かが将来において実りを刈り取り、神の国を立てることにつながる。衰退期を積極的に受け止め、抜き、且つ植えるために歩む者でありたい。

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