母とイエス様にならいて
田口 美智さん
田口さんの家庭集会はいつも明るく温かい雰囲気に包まれています。奈良のご自宅を開放して開かれる家庭集会には、多い時は15名ぐらいが集まり、まさに小さな教会です。聖書と讃美歌と手作りのお菓子を人数分ご用意されて、「こうして皆さんが集まってくださるのがとても嬉しいです」と一人一人を満面の笑顔で歓迎してくださいます。初めて参加される方も、温かいおもてなしと美味しいお菓子をご馳走になると、すぐに打ち解けて、会の終わりには笑顔で、「また来ます!」と喜んで帰られます。
皆で讃美歌を歌い、聖書の御言葉を聞いた後、お茶をしながら御言葉を聞いた感想や最近の感謝な出来事を分かち合います。「最近、癌が見つかりました」、「認知症の家族の介護をしています」、「火事で家が全焼しました」…驚くような辛い出来事さえも、不思議に心を開いて一人一人が話し始めると、皆がじっと耳を傾けて話を聞きます。自分の話をされながら、思わず涙をこぼされる方もおられますが、最後には、「でも、今日はこの家庭集会に来られて皆さんに会えて本当に良かったです」と神様に感謝されます。
田口さんは口癖のように、「私は本当に幸せです。息子や娘や孫たちに愛され、地域の方々も高齢の私を気遣ってくださって、こんなに感謝なことはありません」と言われます。敬愛されるお母様も晩年によく感謝の言葉を述べておられたそうです。お母様も周りの方々に心を込めてお仕えになりました。戦後の貧しい中で田舎に身を寄せてきた親戚を養い、地域の一人暮らしのお年寄りの家に電気を通してくれるように電力会社に交渉されたこともあったそうです。お母様とイエス様の愛にならって生きる田口さんに、私たちは励まされています。