この時期、教団三役と総幹事が分担して各教区総会に赴き、各教会・伝道所等の様子を見聞きし、伝道の状況を把握することに努めている。
近年、多くの教会・伝道所が教勢および財政力の低下で苦しんでいる。このことは以前からの課題であったが、コロナ禍で一気にその傾向が進んでいる。コロナ禍はだいぶ落ち着いたが、教会ではなかなか礼拝出席者が回復していないとのことを聞く。各教区では、懸命に教会相互の支援や教師謝儀互助等の取り組みを進めている。
そのような中で、ある教区において、以前のような伝道の取り組みができなくなっていることで悩み、あらためて教会は何のために存在するのか、教会の役目は何なのかを深く考えさせられているとのことを聞いた。
その教区総会でもたれた追悼式の司式をした牧師が式辞の中で、今年の1月に天に召された同僚の牧師に、自教会の会堂修繕等の取り組みに一区切りついたことを話したところ、その牧師から、「君の役目は建物(を管理すること)か?」と問われたとのことを話された。たしかに、教会も牧師も、その務めについてはこれで一区切りということは無い。主日ごとに礼拝をささげ、福音を宣べ伝え続けて行くのである。
伝道の困難さに直面しているすべての教会が、「教会の役目は?」と問われている。
(教団総会議長 雲然俊美)