インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5016号】2.11集会 報告(3面)

2024年3月23日

兵庫教区
「パレスチナが見えないのは、なぜ」

 はりま地域で毎年開催される2・11「信教と思想の自由を守る集会」は55回目となった。扱うテーマはその年ごとに話し合いで決められ、昨年は「カルト問題」を取り上げて開催した。2023年11月半ばに行われた実行委員会でテーマについて協議していた折に、委員の一人が「ガザで起きている虐殺という最大の人権侵害を脇に置いて、他のテーマで開催するのはいかがなものか」という意見に賛同し、村山盛忠さんをお招きすることになり、「パレスチナが見えないのは、なぜ〜ガザの現状から」というテーマでお話いただいた。
 準備し始めた頃は、「集会当日には状況は落ち着き、停戦しているだろう。破壊されたアハリー・アラブ病院の再建も始まっているだろうから、カンパを送れたら」と楽観的に考えていたが、当日になっても攻撃が続き、終わりが見えない中での開催となった。
 講演では以下の事柄が語られた。パレスチナの人がどのように土地を追われて難民になったかについてメディアが詳しく伝えないこと。昨年10月7日のハマスによるイスラエルへの大規模攻撃以前からイスラエル軍が空爆を継続的に行い、「天井のない監獄」と言われるガザでは医療や食料が不足し、ライフラインも度々止まり、仕事もなく、希望を持ち得ない現実があること。ヨルダン川西岸地区では、自分の土地にある古い家を建て直すと、違法とされ、新家は重機で破壊されて土地までも奪われたこと、ユダヤ人入植者が運転する車がこどもを轢いても、救急車は来ることはなく、死に至り、さらには犯人を訴えることさえできないこと…そのような日常の先に現在の虐殺行為(先住民を追放する新植民地主義)があること。
 参加者の多くから「理解が追いつかない」、「受け入れがたい」という声が上がり、質疑応答も熱を帯びた。「私にできることは何か」、「私がすべきことは何か」…出席者一人ひとりが自分に課せられた課題を胸に、帰路についた。

(車田誠治報)

教団新報
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2024
The United Church of Christ in Japan