都会の大教会がイメージされることが多いが、東京教区東支区は特色ある支区だ。多くの教会はいわゆる下町の小さな教会で、伊豆諸島の四つの島には五つの教会・伝道所がある。都心と下町と島の教会で構成される独特な地域だ。
2018年に「三宅島伝道所支援委員会」を組織し、東京教区の諸教会を中心に5年間の支援献金の協力を呼びかけ、翌年には37年ぶりの牧師招聘が実現した。1987年の噴火で伝道所建物を焼失し、2000年の噴火では全島避難によって5年間も伝道が中断された。しかし、月に一度牧師を派遣して聖餐礼拝を守ってきた。毎回出席できる信徒は1名だったが、長らく信徒宅や公民館で、最後の2年ほどは民宿の喫茶店を借りて礼拝を守った。専従の牧師を迎えると、すぐに礼拝者が増え始め、信徒一人か二人の礼拝が、6、7名の礼拝が守られるようになっている。
5年の期間を定めて支援が始まったが、東支区での当初からの祈りと思いは、小教会への支援ではなく、「私たちの三宅島伝道・伊豆諸島伝道」を共に推進する働きだ。今年は、5年目を迎える2024年に向け、他の島も含めた伝道体制を整えることが課題だが、協力伝道の一つのモデルとされることも願い、全国それぞれの地域で特質が生かされた伝道協力がなされるよう祈っている。
(教団総会副議長 藤盛勇紀)