平和について諸問題を分かち合う
11月28〜30日に、フィリピン・マニラにて、NEA(北東アジア)教会フォーラムが開催され、台湾、韓国、フィリピン、日本のNEA加盟教会およびキリスト教関係団体から代表者が30名ほど集った。日本基督教協議会からは2名出席、またNEA創立に関わっているPCUSA(アメリカ長老教会)からも出席者が与えられた。西之園路子は日本基督教団およびTEF(台湾エキュメニカルフォーラム)の代表として参加。
このフォーラムは、東北アジアの平和について考え、各国が抱えている諸問題を分かち合い、東北アジア全体の視野をもって、平和を作り出すための神学的、聖書的ビジョンを明確にすること等を目指している。
フォーラムでは、各国の抱えている課題についてのそれぞれの報告と三つの発題、また全体協議が行われた。発題のテーマは、「東北アジアに平和を打ち立てることにおける難題と困難」、「平和を作り出す仲介者としての教会」、「新たな冷戦、軍国主義と気候危機」。
会場国であるフィリピンからも様々な報告がなされ、人権や環境を守ろうと熱心に取り組んでいる人々が、司祭や牧師、宣教師も含め、危険人物とされて逮捕されたり国外退去させられたりしている厳しい現状があることも語られた。出産を控えていた娘が逮捕され、投獄されているという一人の母親が涙ながらに現状を訴える場面もあった。現地語で話されたので通訳を介して話を聞くこととなったが、言葉がわからずとも直接本人の言葉に耳を傾けることで思いは強く伝わった。獄中の娘さんは出産したがすぐ赤ん坊とは離され、その後、幼な子は病気となり、母親に抱かれることもないまま命を失ってしまったとのこと。
知ること、伝えることの務めがあることを思う。
(西之園路子報)