【西東京教区】
「世に遣わされた者」をテーマに4名が発題
西東京教区社会部では例年「信教の自由を守る日集会」を開催してきた。昨年度は開催できなかったが、今年度はズームを利用し、2月23日に「信教を自由を守る日を〝覚える〟集会」を行った。
今年度は「世に遣わされた者として」をテーマに、教区内の教職信徒4名によって、各々の取り組んでいる事柄についての発題を聞いた。「キリスト者として」遣わされた現場での働きについてということで、課題との出会いや自分史に触れたものとなり、信仰の証しとして聞くこともできた。社会部の集会としてはやや異色である。
最初は佐藤飛文氏(東村山教会員、明治学院中学校・東村山高校教諭)による「学校教育の現場からの発題」。東京教区西支区(当時)高校生会、青年部での様々な出会いを通して、「誰の隣人として、誰と共に生きようとしているか」を自分への問いとして持ち続けていると語られた。生徒たちに日本と韓国との関係をどのように伝えてきたかも紹介された。
続いて北村智史牧師(東京府中教会)による「部落差別問題と私」。部落解放センターの「青年ゼミ」に参加し、部落差別に無関心であり、自分も差別に加担していたことに気づかされて以来取り組んできたこと。また教団、教区が部落差別問題に関わるのは社会の信頼を回復し、伝道するための営みであると語られた。
三人目は北原葉子牧師(西国分寺教会)による「沖縄の基地問題と向き合って」。基地が沖縄の人々を、教会の人々さえも分断していく現実を語られた。「沖縄を思い祈る会」を主宰していることが紹介された。
最後は宮島牧人牧師(原町田教会)による「キリスト者として入管という現場で」。ある牧師の一言と御言葉に押し出されるようにして、東日本入国管理センター等に収容されている人々への面会活動を続けている。具体的な面会活動についても語られた。
どの活動も聖書の言葉に押し出され、促されたものであり、語られた言葉も実践から紡ぎ出されたものであって、説得力をもって訴えかけるものであった。50名を超える参加者が与えられた。(坂下道朗報)
【東中国教区】
クーデター後のミャンマーの現状を学ぶ
「2・11集会」(超教派の実行委員会が主催)がズームを用いて行われた。渡邊さゆり牧師(マイノリティ宣教センター共同主事)から、「ミャンマーの現状とわたしたち」とのテーマで話を聞いた。参加者は53名。
「今日紹介する写真はスクリーンショットで撮影したり、SNSに上げたりしないでください。そうしないと命の危険があるからです」。講師からのこんな言葉を聞きながら進められた。ミャンマーの状況を学ぶ集会だった。
2021年2月1日、ミャンマーで起こされた国軍によるクーデター。それから1年が経過した。その間1500人を超えるミャンマー国民が国軍によって殺され、多くの人々が投獄され、家を焼かれている。投獄された人たちは拷問を受け、女性はレイプされている。「どうしてこんなひどいことができるのか」との問いに「戦時中の日本兵からされたことをしている」との答え。
144万人の人たちが国境近くに避難している。多くの国民が軍政に反対し、抵抗し、抗議している。指を3本立てて国軍への不服従を表明し、夜8時に鍋をたたき、夜間外出禁止令が出れば、あえて夜中にロウソクに火をともして夜間デモをし、人が殺されるようになれば人形を並べ、若い人たちはSNSを用いて自分の言葉で世界に向けて発信している。
日本政府はクーデターを非難する一方、制裁には消極的で、政府開発援助は維持している。日本国内におけるミャンマー人を中心とした野外集会をすれば、多くの日本人から、日本人をわずらわすなとヤジが飛ぶ現状。
また、日本在住のミャンマー人は3万5000人。そのうち3000人が難民申請中。日本の入管施設での冷たい対応、またほとんどの国民が無関心であることも深刻な問題である。
渡邊牧師は、ミャンマー人の牧師と共に、2021年2月から毎週金曜日夜9時から、ズームで「ミャンマーを覚える祈り会」を続けておられる。また、昨年8月にはその祈り会から「アトゥトゥ(共に)」という支援団体が生まれ、ミャンマーの民主化を求めて活動している方々や日本にいるミャンマーの方々の支援を広げておられる。詳しくはフェイスブック「アトゥトゥミャンマー支援」を検索いただきたい。
参加者から、「日々気になっている事柄の送金先が示されてよかった」との声もあり、献金をささげる人、祈り会に参加する人、独自で祈り会を始める人が起こされている。(延藤好英報)